ほぼ日刊イトイ新聞

 鶴見の糠漬け。

 

みなさんこんにちは! 
またまたご無沙汰してしまってすみません!!
さてさて、朝晩だいぶ冷え込むようになってきましたね。
みなさんのぬか床は冬眠中? それとも頑張り中? 
どちらですか?

寒くなってきたので、白菜やキャベツ、レタスなど
葉っぱものが美味しいなぁと思います。
夏より断然漬かりが遅いので、葉物のように薄いものの方が
早く漬かりますしね。

さて、今回は皆様からの質問にお答えします。
次の7つの質問にお答えします。
興味のあるところから
読んでいってみてくださいね。

(1) 糠床にカビがはえてしまったときは
どうすればいいの?
(2) 糠床から悪臭がします! 助けてください!
(3) 糠床を触ると、
どうも手がかゆくなってしまうのです。
(4) 手に怪我をして絆創膏を貼っています。
このままかき混ぜても大丈夫?
(5) ナスが上手につかりません!

(6)

りんごは糠漬けになりますか?
(7) イギリスの野菜で糠漬けは可能?


ナス

一日かき混ぜるのを忘れてしまった翌日に
ぬか床の表面が一面真っ白になっていたのです。
「カビが生えてしまったらどうすればよいですか?」

おお、これは深刻ですね〜。

まず、カビは全部取り除かなくてはいけません。
なので、上から3センチくらいぬか床を捨ててください。
あまりケチってはダメですよ。
またカビが生えたら元も子もないので。
そして、面倒ですけど、いったん残りのぬかを出して、
容器をきれいに洗い
(側面などについたカビをきれいにするため)、
乾かしてから、ぬかを戻してください。

そこに、足しぬかをします。
カビが生える原因は、いろいろありますが、
塩分が足りないと雑菌が繁殖しますので、
ここでしっかり塩も足してください。
で、全体にやや硬めのぬか床に仕上げましょう。
そしてよーーくかき混ぜて、
その日は野菜を漬けずに寝かせます。
次の日、またよくかき混ぜてください。
ここでもう野菜を漬け始めてもいいですし、
新しいぬかを足したので
2回ほど捨て漬けすれば完璧です!

元々のぬかが種ぬかになってますので、
おうちの味が復活すると思いますよ!
また美味しいぬか漬けを作ってくださいね!

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さて、次です。こちらも深刻!

ぬか床をかき混ぜるのを
2日ほど怠ったあとくらいだと思うのですが、
悪臭が漂うようになってしまいました。
(酪酸菌が増殖したのですよね?)
一度臭くなってしまったぬか床でも
復活は可能なのでしょうか??

かき混ぜ忘れと言うことですので、
仰る通り酪酸菌の増殖ですね。
酪酸菌は嫌気性の菌ですから、
せっせとかき混ぜましょう。
そうしているうちに臭いは薄れてくると思います。

さて、臭いの元は、酪酸菌以外にもいろいろあります。
何しろぬか床にはたくさんの菌が繁殖してますので。
臭いがする時というのは、
菌や酵母のバランスが崩れている状態です。
いいぬか床状態に戻すために、
中の野菜を出し、足しぬかをし、塩を足して、
少し(3〜4日)休ませることをお薦めします。
それでも、なんとなくぬか床が
ツーンと臭うとか、いやな臭いが残ってるなぁと感じたら、
「ぬかみそからし」を使ってみましょう。

雑菌の繁殖が抑えられ、酸味が少なくなり、
カビ防止にもなるものです。
こうすれば、大体のぬか床は復活するはずです!


我が家のぬか床。ちょっぴり唐辛子が見えてますね。
しっかりかき混ぜた後は、周りをキッチンペーパーで
きれーーーいに拭いて、平らにならしておきます。
こうしておけば、ぬか床をいい状態で保つことができます。
ちょっとしたことだけれど、大事です〜。

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さて、次。
頑張ってぬか漬け続けたいけど黄色信号が!という
泡師さんからこんなメールが届きました。

私、手あれがひどいんです。
とくに、秋から春にかけて、主婦湿疹がひどく、
指がぱっくり割れて出血します。

ぬか漬けを始めてから、
モーレツなかゆみと湿疹に襲われています。

糠は主婦湿疹を持つ人には大敵なんでしょうか?
それは科学的に何か証明されているのでしょうか?

母はビニール手袋をすればいい・・・と言いますが、
ぬか漬けにビニール手袋・・
というのは抵抗があるのですが。

まず最初に、主婦湿疹とぬかの関係。
科学的に証明されているかどうかは
さすがに私もお答えできないのですが……。

主婦湿疹(医学的には手湿疹というようですね)は、
一般的に、食器洗いなどの時に使用する
合成洗剤で手の皮膚の表面の脂分が奪われて、
皮膚の保護成分がなくなって、
外からの刺激に弱くなって起こるものです。
湿疹にならなくても、冬になると、
水仕事が多い私たち女性は
どうしても手が荒れてしまいます。
特に利き手(スポンジを持つ手)は、カサカサになります。
初期の場合には、しっかり保湿をし
夜寝るときには綿手袋をして
乾燥を防げば大丈夫のようです。
(ちょうど、私も、利き手が乾燥して、アカギレに! 
皮膚科の先生に聞いてきたところです)
あ、脱線しましたね、すみません。

湿疹になってしまったら、外部刺激は禁物です。
洗剤であれ、ぬか床であれ
あまり触らない方がいいそうです。
(先生には聞き忘れましたが、
 ぬかそのものというより、ぬか床の塩分が、
 湿疹には刺激になってよくないのだと思われます)

米ぬかそのものには、
肌に潤いを与える成分があるようですし、
米ぬかのシャンプーやパック、
化粧水なんかもありますから、
米ぬかそのものが
何か悪さをしているというわけではないと思います。
ネットで検索してみると、ぬか漬けを始めてから
手荒れが治りました!という人もいるくらいです。

ただ、泡師さんの場合には、
ぬか床をかき混ぜるようになってからは、
猛烈にかゆかったり、湿疹が出ているということですので、
やはり素手でのかき混ぜはお薦めできませんねー。

それでもビニール手袋は抵抗があるということですので、
例えば、こういうかき混ぜ機能のついた容器を
使うというのはいかがでしょう?
ぬか床かき混ぜ器、
その名も「ぬかまるこ」という製品があるのです!!

かき混ぜた後の手の匂いが気になる方や手荒れがひどい方、
皮膚の弱い方にはお薦めですね!

ビニール手袋に抵抗のない方は、
手袋着用でかき混ぜてもいいと私は思います。
20枚入りで300円くらいの
使い捨てタイプの極薄のものがあります。
厚手のゴム手袋だとちょっと「お掃除」という印象で
それでかき混ぜるのは抵抗ありますが、
こういう薄手のものなら
(ラテックスの手袋もぴったりフィット。
最近はパウダーフリーなので痒くならない)
ぬかの感触も分かるのでいい感じではないでしょうか?

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かき混ぜ話題もうひとつ。

絆創膏をした指で糠を
かき混ぜても大丈夫でしょうか?
良くない菌が繁殖してしまうのでは?と、
ビクビクしています。

厳密に言うとダメですねー。
昔飲食店でバイトしていた時に、
絆創膏には雑菌がうようよ繁殖しているので、
絆創膏をしている人は食材に触らないようにって言われてました。
どうしても絆創膏って何時間かは貼りっぱなしになりますよね。
その間に蒸れたり、汗かいたり、
手を洗って水が入ったりしてしまうので、
雑菌が繁殖しやすいですから、衛生的にはやはり×。

ぬか床には適度な塩分がありますし、殺菌能力もあるので、
かき混ぜたら即アウトということはないと思われますが、
やっぱり食べ物ですから、注意したいものです。
お腹壊して、ぬか漬けが嫌いになってもつまらないですし、
ぬか床そのものがダメになったら困りますものね!

そういう時用にわざわざ
ビニール手袋を用意するのも面倒だと思いますので、
その日は、新しいきれいなビニール袋に手を入れて、
それでかき混ぜてはいかがでしょう? 
ちょっとかき混ぜにくいですが、
1日2日はそれでOKじゃないでしょうか?

もしくは、もぎちゃんみたいにトングで混ぜるとか……。
家のぬか床ですから、その辺は臨機応変にいきましょう。
とにかく気楽にぬか漬けライフを楽しみたいものです。

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さあ最後に。
漬けるお野菜について問い合わせがあったのでいくつか。

ナスが上手に漬かりません〜。

上手く漬からないと中がふかふかでがっかりですよね。
私は、漬ける前にナスをしっかり塩もみして、
30分置いておきます。
それから、一度ぎゅーーっと絞って
(結構水分が出ます)ぬか床へ。
こうすると中までしっかり味がしみて
美味しいナス漬けができますよ!


我が家で漬けていた大根。
しっかりと漬けたくて古漬けにしたので、ちょっと色が悪いです。
でも味は深くて美味しい〜。
あったかいご飯に合う味です。

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りんごって漬けられますか?

ううーーん。
私も冒険心が薄いので
(というか、りんごはそのまま食べたい派)
試したことはないです。
ぬかと果物の相性で言えば、メロンの皮やスイカの皮、
小さいメロン(青くて熟してないやつですよ)などが
すぐに思い浮かびます。どれもきゅうりに近い味わいもの。
あのりんごの甘みとぬかの味わいは合うのか?? 
そこが疑問です。
……とお返事になってなくてごめんなさい!

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最後に、イギリスでぬか漬けを頑張ってるという方。

イギリスで
なかなかぬか漬けに合う野菜がない
(きゅうりやナスは日本のより大きくてダメ〜)。

イギリスに住んだことがないので、
なんとも言えないのですが、
日本よりも小さいという人参や白菜などはどうでしょう? 
その他にカブやキャベツとか。
小さい野菜を選んでチャレンジしてみてください。
海の向こうでもぬか漬け!嬉しいです。


古漬け大根を刻み、茗荷、
大葉を細かく刻んだものとしょうがの
絞り汁を加えて和えました。
しょうがの絞り汁でさっぱりとした
仕上がりになりました。
お茶漬けにしたら美味しかった!
塩分もちょうどいい感じです。

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さてさて、巷では風邪が大流行しているようです。
我が家ではちびたちが順番にかかってしまいました。
(自分がかかるより大変なんですよねーー)
みなさんも風邪に気をつけてくださいね!
来週は「鶴見の糠漬けの心得」をお送りします。
そしていよいよ最終回です!!

2007-11-27-TUE