簡単なあらすじ(INTRODUCTION)

(C)2009『Dear Doctor』製作委員会

山あいの小さな村からひとりの医師が失踪した。
警察がやってきて捜査が始まるが、
驚いたことに村人は、
自分たちが唯一の医師として慕ってきたその男について
はっきりした素性を何ひとつ知らなかった。
やがて経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、
伊野の不可解な行動が浮かび上がってくる‥‥。

遡ること2ヶ月。
東京の医大を卒業した相馬は、
研修医としてその村に赴任してきた。
コンビニひとつなく、住民の半分は高齢者という過疎の地。
そこで相馬は、伊野という腰の据わった勤務医と出会う。
日々の診察、薬の処方から
ボランティアの訪問健康診断まで。
村でただひとりの医者として、
彼はすべてを一手に引き受けていた。
診療所に住み込み、
急患が出れば真夜中でも飛んでくる伊野のことを、
村人は「神さま仏さま」よりも頼りにしている。
僻地の厳しい現実に最初は戸惑っていた相馬も、
村中から親しげに「先生」と呼びかけられる
伊野の献身的な働きぶりに共感を覚えるようになっていく。

ある日、かづ子というひとり暮らしの未亡人が倒れた。
彼女は、自分の体がもう大分良くないことに気づいている。
「先生、一緒に嘘、ついてくださいよ」
やがて伊野がかづ子の嘘を引き受けたとき、
伊野自身がひた隠しにしてきた
ある嘘も浮かび上がってくる。
ずっと言うことができずにいた一つの嘘が‥‥。

とじる