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05 (第20回の7)
ゲームボーイカラー専用・アドバンス対応ソフト
「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実〜大地の章」
「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実〜時空の章」

任天堂・宮本茂&CAPCOM岡本吉起会談 その7
最終回・勇気と運
 
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●岡本吉起
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●山下佳文
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●宮本 茂
好評発売中のゲームボーイカラーソフト
「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実
 <大地の章><時空の章>」。
発売前の一番忙しい時期に集まっていただいた
カプコンの岡本さん、山下さん、
任天堂の宮本さんによる座談会、
いよいよラストです。
ゲームを作り上げるのに必要な
「勇気と運」とは!?
しかしなんだか楽しそうに仕事をしているんだなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■座談会出席者
 
■岡本吉起 CAPCOM常務取締役
 
■山下佳文 CAPCOM執行役員
 
■宮本 茂 任天堂株式会社取締役情報開発本部長
 
イメージ ──いま(この座談会は1月に行われました)は
どんな作業中、なんですか?
 
宮本:
主にデバッグですね。

 
──:
デバッグっていうのは、
やっぱりたいへんな作業なんですよね。
 
岡本:
もちろん、そうです!
いまが一番しんどいですよ。

 
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宮本:
今、だから大阪(カプコン)と京都(任天堂)で
並行してやってるんです。

 
──:
今日もじゃあ、帰られたら……
 
岡本:
そうなんです。
ほかの職種じゃないやつらまで
巻き込まれますからね。
姿を見ればデバッグやらされる。
これがアドバンス(ゲームボーイアドバンス)
やったら台数に限りがあり、

わりと少なくてすむんですけど(笑)。
だけどカラー(ゲームボーイカラー)対応だから、
いくらでもデバッグ作業ができるんですよね。

 
──デバッグというのは、ゲームに慣れすぎると
かえって難しいということはないですか?
 
岡本:
慣れたやつらがプレーすると出ないですねー。

 
宮本:
うん。

 
岡本:
だから、今までやったことない子らを
巻き込むんですよ。

 
──:
最後の最後だけに、
簡単にはいかないんだ。
 
宮本:
あ、いかないですよ。
任天堂にはデバッグのマニュアルがあって、
マリオクラブ(ユーザーを中心に組織された、
発売前のゲームを審査する任天堂の組織)にも
独自のチェック方法があるので、
カプコンさんだけでやるより、
分業しましょう、ということになってるんです。
カプコンさん側にも、マリオクラブのチェック方法で
ためしてもらったり、
大阪・京都で連絡会議とかをやったり。
……でも、それをやってる最中にまた
ぼくらオヤジたちが集まって
「ここを直そう」なんて言うから(笑)。

 
──:
気の毒だ(笑)。
 
山下:
そうですねー。ほんま。がんばってくれ!

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岡本:
開発中のものと、中身が変わるんで、
「はい、もう1回頭から、はい、もう1回頭から」
言うて、な。
バイオ(バイオハザード)の時もそうだったんだけど、
「結局今日プレーしたのがなんの意味もない」
こともあるんです(笑)。
石積み上げては倒されて、石積み上げては倒されて、
みたいなね。

 
──:
さっき宮本さんと岡本さんがおっしゃってた、
「ハートをとりやすくしよう」という話も、
今から、直すことになるわけですよね。
 
岡本:
ええ、でもま、でもそれぐらいは
よくあることです。

 
宮本:
それはもうあと「勇気」だけなんですよ。

 
──:
勇気だけ!
 
宮本:
うん、勇気と、運。
大人だったら、デバッグのことを考えて
もういじっちゃいけない時期でも
やっぱりお客さんの立場になったら、
もっと面白くなるなら
やってほしいと思うでしょ。

 
──:
うん、そうですよ。
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宮本:
もう駈け引きですよ、そこは。
もっと面白くするために直したい、
いやもう時間的に直せない、という間に入って。
で、勇気と運のあるやつが、最後に、勝つ(笑)。

 
──:
勇気はあるけど運がなかったら?
 
宮本:
そういう人もたまにいてね、
全品回収とか悲惨な目にあったり、
ゆうこともありますし(苦笑)。

 
岡本:
はいはいはい。あるあるある。

 
──:
こわーっ。
 
宮本:
5億円売って10億円払った、みたいな。
そうなったらたいへんですよ。
いまのぼくらは……そうですね、
手術室で、お腹開けて待ってるみたいな感じ。
もう(笑)。
普通は先生が入ってから手術するけど、
お腹開けて待ってますから、先生ここです、
って言うような態勢ですよ。
発売日に向けて、
開発とデバッグ、同時進行の突貫工事。

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岡本:
うう(泣)。待たしてます。
でも、待った甲斐あったと
いわれるようなものに
必ず、仕上げますから。
やっぱ恥かかせるわけにいかないでしょ、
任天堂さんに。

 
──:
岡本さんくらいお忙しいと、
製作中のゲームのデバッグだけでなく、
実際にいろんなゲームをプレイするのも
大事なお仕事ですよね。
でも、そういう時間をとるのも
たいへんなことなんじゃないですか。
 
岡本:
そうなんです。
しっかし、ゲームボーイカラーが熱いですよ、今。
僕、今「ドラクエ」やってんですよね。
これクリアして、「ゼルダ」が出たらクリアして、
でそれ終わったら、「ドラゴンクエストモンスターズ」も
せなあかんでしょ。もう、大変ですよ。

 
宮本:
男の子編、女の子編もやらなあかんしね。

 
岡本:
言わんといて。
で、アドバンスもあるでしょ?
もう大変なんですよ、俺のスケジュールは。
これ、家でしようと思っても、
できないんですよ。
どうしても時間が取れなくって、家帰っても、
やっぱ酒飲んでる時多いから
もうしんどうてしんどうてたまらんのですよね。
で、ちょっと会社行って、こうトイレ座るだけでも
もう絶対持ってって電源入れて、
もう5分でもええからやらんと、すすまないんで。

 
宮本:
酒飲んでしんどいのは、べつにねぇ(笑)。

 
山下:
というかまあ、付き合いで……。

 
宮本:
あ、そうか。それも仕事のうちなんやね。

 
山下:
ええ。

 
岡本:
酒、好きで飲んでないですからね、もう。

 
宮本:
あ、そっかそっか。

 
岡本:
できることなら健康のこと考えて
酒飲みたくない人なんで。

 
宮本:
そうなんだ?

 
岡本:
そうですよ。別に僕、酒飲みじゃないです。
ほんとに。

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宮本:
(笑)。

 
岡本:
そうですよね山下さん。

 
山下:
ええ。

 
宮本:
僕いっつもホントかなと思うてんねん。


一同:
(笑)。
 
岡本:
そんなあ(笑)。
うまい酒を、自分の飲みたい少量だけ飲んで
それでいい、っていうほうなんです。
でも先方がそうじゃない場合には、
付き合いじゃないですか、ずっと。
宮本さんだったら飲まないんで、
僕の好きな酒を好きなだけのんで
終わりにできる。
でもなかなかそうもいかないんですよ。
昨日もワイン4人で8本……。

 
宮本:
たいへんなんやね。
次、AGBで「ゼルダ」作ろうとか、
いつ、どういう時に企画を思いつくの? そしたら。

 
岡本:
あー。作ろうと思うのはいつも思いますよね。
ねえ。たとえば今のやってて、やれられない、
入れられない企画あったりするじゃないですか。
そしたら、「絶対次に生かしたる!」と。

 
山下:
今回のを、3作から2作に
減らしていただいた時とか、そうですね。

 
宮本:
次回作では、やってやる、と。なるほど。
ネタたまってるから。

 
山下:
絶対やるぜ、って。

 
宮本:
そう(笑)。じゃ、次回作は

さらに気合い入れて、
また三部作とか!?

 
岡本:
いややめて!
それは声かけんといてーっ!

 
一同:
(笑)。

──:
(笑)ありがとうございました。
 
(おわり)
 
 
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2001-4-11

 
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