樹

「テン・エイティ スノーボーディング」
の情報・産地直送!

「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の圧倒的な人気に、
負けちゃいないぜ、1080°!
わざわざ、去年に発売されたゲームソフトを、
なぜ「ほぼ日」はクローズアップするのか?!
理由は簡単である。おもしろいからだ。
古くなってなんかないからだ。
スノーボードのシーズンだからだ。
いいゲームソフトの売れ行きが、
3週間だか4週間で決定づけられてしまうなんて、
バッカな話だと、ぼくらは思う。
1年前に発売されたゲームにのめりこむことが、
あったっていいはずだと信じて、熱く特集します。


(第2回の3)

「1080°」の「雪質」を大いに自慢する。

いかがでしょうか?
Nintendo64の2年越しの自信作!
「1080゜スノーボーディング」の開発エピソード。
連載第3回は「雪質」と「コース設定」についてです。
今回もさぞかし、彼らのこだわりが・・・。


スノーボードゲームを作るなら、スノーボードをする
コアな人たちが欲しがるゲームにしよう、
中途半端なものは作らない、と最初に決めてました。
特に「コケる」と「雪質」には
こだわろうと思っていました。

スノーボードってよく「コケる」ものですよね。
プロライダーなどはケガを覚悟で
大技のエアートリックや大ジャンプに挑戦します。
これってきっと、失敗してコケた時の痛さよりも、
成功した時の気持ちよさの方が何倍も大きいから、
何度でも挑戦するんだと思うんです。
その気持ちよさを、なんとかゲームの中にいれたかった。
そこらへんは阿部君(ディレクター)がかなり苦労して
パラメーターを調整してくれたおかげで
うまく表現されていると思います。
自分でプレーして、
トリックをきめて着地に成功した瞬間は
思わずニヤッとしてしまうくらいですから。

「雪質」というのもクセモノでした。
ただ単に、コース上を
「新雪」や「アイスバーン」に設定しても
雪にエフェクトをかけないと、それらしく見えないんです。
だけどこのエフェクトが難しくって
ちょっといじっただけでは
ぜんぜん新雪に見えなかったりして。
エフェクトの作業にはかなり時間がかかりました。
でも、プログラマーとグラフィックの人が
苦労してくれたおかげで
かなりいいものになったと思います。
           (ディレクター 高野充浩さん)

 

ゲームを作る上で、一番難しかった部分の一つが、
できるだけリアルな雪のエフェクトを作ることでした。
雪がどんなものか、どうしてそんなふうに動くのか、
正確に理解するために、何時間もビデオを見ましたが、
ビデオを停止したり巻き戻したりすることで
親指がかなり疲れたので(笑)、ときどき休憩しながら
実際のプログラミングを行わなければなりませんでした。
         (プログラマー コリン・リードさん)

 

出来るだけ決められたコース以外を
滑らせたいと思いました。
プロのライダーに聞いても
「ゲレンデではない場所を思いっきり滑ってみたい」
という意見が多かったですし。
確かに、スキーのときでも、
意味もなく新雪を滑ったりしませんか?
「1080゜」には、この感覚をぜひ入れようと
コースデザインの菅野君に相談しました。
彼は「乗る」と歯止めがきかなくなるタイプなもので
斬新なアイディアを次々にいれてくれました。
数あるなかでも「マウンテンビレッジ」コースは、
彼の傑作だと思っています。
                  (高野さん)

 

「ぼくはコースのデザインを担当したのですが、
まず実際にヒマラヤへ取材に行って、
現地でスノーボードを体験してきました。
・・・ウソ。
スノーボードは未体験です。
会社の資料室で、ヒマラヤの写真集を借りて見ました。
作業に入った頃は、夏真っ盛りだったんです。
汗だくになりながら雪山を想像していると
肩甲骨の辺りに何とも言えないムズムズ感を受けました。
皆さんも一度お試しあれ。

コース作りでは描画よりも
設計の方に時間を取られましたね。
タイムアタックでもトリックアタックでも遊べる
コース設計が必要でした。
「広いコースを自由に走り回りたい」という要望と
「狭くしないとスピード感が出ない」という要望を
同時に受けていたんです。
両方とも大事でしたので両方入れましたが、
これはレースゲームですので、
プレイヤーの第一印象を考えて
序盤の3コースをスピード感重視にしています。
エキスパートの最終ステージでは
広々とした急斜面コースが待っていますので
途中で投げ出した人もぜひ、再チャレンジしてみて下さい。


個人的に最も気に入ってるコースは
「マウンテンビレッジ」
日本語では「山村」です。
気に入ってる理由は最も雪が少ないから。
もう雪は見たくない病に
かかってしまいました。

このコースは民家の屋根の上に乗れたり、
凍ったアスファルトの車道を走ることが
出来るんです。
普段はやりたくても出来ませんよね。
(出来てもやらないように!)

その他にも、雪道にスタックした
真っ赤なスポーツカーを配置してあるんです。
ぼくはここを走る時には必ずそいつを踏んでいきます。
何を踏んだら気持ちが良いかっていろいろ考えた結果、
「真っ赤なスポーツカー」を選びました。
皆さんも踏みたいですよね。真っ赤なスポーツカー。
ちなみに次点は「完成間際の雪だるま」だったんだけど。
これも踏みたい。

開発中は、作業が終わったら必ず
本物のスノーボードをしに行こうと意気込んでいたんです。
でも終わってみたら、
少しでも雪の匂いのするところから離れたくて、
暖かいところへ逃避行しました。
南国最高!
ビバッ!地面が全部見えてる所!
        (CGマップデザイナー 菅野克彦さん)

 

意外と見過ごしがちな遠景CG(背景)ですが、
いい空気だ! 滑りたい!って思っていただけるよう、
心を込めて作りました。
10000m以上の山(ホントは酸素ボンベがいる)とか、
氷山の上のコースが体験できるのは
「1080゜」だけですよ! お買得ですよ!!
         (アート・ディレクター 西川佳孝さん)

 

「1080゜」は自然豊かな田舎の雪山が舞台なんです。
ゴール地点等もっと派手にしてもよかったのですが、
とつぜんコース上に大がかりな観客席が現れたりするのは
イメージに合わないということで、
思い切ってシンプルにしてみました。
すると、サウンドエンジニアの清水さんが
それに合った「いい味出してる」歓声を
入れてくれたんです。
ゲーム界で「最もヤル気のない歓声」ですが、
逆にいえば「最も説得力のある歓声」です。大好き


対照的に、
トリックアタックの
ハーフパイプでは
何台ものTVカメラに狙われます。
エアメイクではスタジアムを満杯にした
大観衆の視線を一身に受ける事が
出来ます。
緊張しますねー。
着地に失敗して0点出した時なんか、
恥ずかしいですよー。
堪えがたいですよー。

「みんな見んといてー!」
「スポットライト当てんといてー!」
「なんか言ってー!」って。

ぜひ、このギャップを楽しんでみて下さい。
あがり症の人はリハビリにもなりますよ。多分ね。
どうしてアレだけのために
スタジアムがギャラリーで埋まっているのか?
という事を考えながらプレイすると、
さらにミステリアスな要素も加わって
ドキドキ指数が倍増しますよ。
       (CGマップデザイナー 菅野克彦さん)


というところで、(第2回の3)
“「1080°」の「雪質」を大いに自慢する”
は終り。これからもナイスなエピソードがたくさん登場
します。次回、1月19日の更新をお楽しみに。


1999-1-15-FRI


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