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01 (第18回の6)
ゲームボーイアドバンス・デザイン座談会
その6 色と、電池収納部分について。
 
イメージ 発売までいよいよあとひと月になった
任天堂の新作ハードウエア
「ゲームボーイアドバンス」。
本体のデザインにかかわったみなさんによる座談会、
今回は「色」と「電池」について。
ううむ、こういうところのひとつひとつに、
苦労がぎゅっと詰まってるんだなあ。
 
■出席者
■グエナエル・ニコラ
フランス出身のデザイナー。デザインスタジオ「キュリオシティ」
http://www.curiosity.co.jp/ 代表取締役。
イッセイミヤケの「プリーツプリーズ」のアートディレクションや、
「au」のロゴなども、氏の作品。
ゲームボーイアドバンスは、本体デザインを担当した。

■宮元玲子
デザインスタジオ「キュリオシティ」プロデューサー。
■杉野憲一
任天堂株式会社開発技術部デザイン担当。
ゲームボーイアドバンスの本体デザインの基礎をつくった。

■古庄伸
任天堂株式会社広報室企画部。
■倉恒良彰
任天堂株式会社広報室企画部。
■糸井重里
ほぼ日刊イトイ新聞編集長。
 
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糸井:
この、試作品のオレンジ色とブルーも、
ゲームの世界では見たことない色だよね。
これ決める時はどうだった?

 
ニコラ:
これは、イヴさんのほうから持ってきた。

 
糸井:
ん?

 
宮元:
イヴ・サンローランですね。

 
糸井:
フランス入ってるんだ。

 
ニコラ:
フレンチタッチはここだけ。

 
糸井:
ちょっとなんかさ、こう、洒落てるよね。

 
杉野:
グリーンもありましたね。

 
ニコラ:
グリーンもありましたね。でも普通だよね。

 
糸井:
今さ、何気なく普通だよね、って言ったじゃない。
普通って、いやなんだよね(笑)。
そこが多分、違うよね。

 
杉野:
まだ最終決定してないんですけども。

 
糸井:
普通だ、になる? また。

 
杉野:
うぅーーん、そこは、どうでしょう。
こうご期待といったところじゃないでしょうか。
ボディは、完全に違うんですけれども。
(編集部註:製品化されるのはホワイト、バイオレット、
ミルキーブルーの3色になりました)

 
イメージ 糸井:
えーっ、この色、新鮮なんだけどなあ。

 
ニコラ:
多分、真面目に見えるんじゃないかな。
大人すぎる。

 
糸井:
もっとポップにしたかったんだ。

 
杉野:
スペースワールドでアンケート取った時にも、
ユーザーの意見は、
例えばクリアパープルがいいとか、
そういう意見が多かったんですよね。

 
糸井:
たださ、自動車なんかでさ、
広告に出す車の色は今年はこれとかって
決めるように、あの、リードする商品として、
ある特定の色っていうのは、
考え方としてあるんだけどね。

 
杉野:
そうなんですけどもね。
どうしても塗装になると、コストのことも
考えなければいけないんです。

 
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古庄:
それが一番大きい理由ですね。

 
杉野:
いろんな色で作ってみたんですよ。
それこそ40から60くらい作ってみたんですけど、
これはないな、っていうのが多かった。
それなりのものをつくるには
どうしてもコストがかかってしまう。
今回は「9,800円」という値段も出てますから、
コストをかけられないという事情もあるんです。
どうしても今ね、ニンテンドウ64が
街中では12,000円ぐらいで売ってたり、
プレイステーションもそれぐらいの値段で
売ってる中で、1万円を越える
携帯ゲーム機って…。

 
糸井:
そうだねー。越えたくはないねー。

 
杉野:
9,800円でも、みんな高いというくらいです。
実際にまあ、中身の部品とか、液晶の品質、値段は、
ゲームボーイカラーからは全然上がってるんで、
会社としてはギリギリの金額なんです。

 
糸井:
これにさ、将来的にはいろんなアプリケーション
つけていけるっていう用意はあるわけでしょ。

 
杉野:
はい。

 
糸井:
どのくらいつけられるって、秘密じゃないの?
大丈夫なの?

 
杉野:
や、…モバイルアダプターはつけますね(笑)。

 
古庄:
モバイルは、つけます。

 
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杉野:
通信ケーブルも、新しい通信ケーブルで、
4人まで対戦できるようなものも用意してますし。
あと、まあ今発表してるんでは、
充電器と充電池っていうのは、
今までケーブルで繋がってた、充電ボックスを……

 
糸井:
はいはい。

 
杉野:
それを、電池サイズに抑えてるんですよね。

 
糸井:
へぇー!

 
杉野:
電池2個がひとつのワンパックになった
充電池っていうのにしてるんですよ。
だから充電池を入れて、蓋を閉めて、
線が出ない。

 
糸井:
へぇー。

 
杉野:
これは携帯機として
絶対ほしい機能だったんですよ。

 
糸井:
いいねえー。

 
杉野:
で、それで、ここが変わってるんですよ。
(GBAの裏ぶたを開ける)
あの、ゲームボーイカラーの時って、
これ、スプリングなんですよね。
(電池の+−端子を止める部分)

 

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糸井:
うんうん。

 
杉野:
今度は……

 
糸井:
あっ! それ全部そうしたいぐらい、
これほしいね。

 
ニコラ:
使いにくいねー、比べると、前のは。

 
糸井:
たしかに使いにくいね。

 
杉野:
新しいGBAは、押し込めるんですよ。
2つをいっぺんにはめるためには、
こういうバネじゃないと。

 
糸井:
それパテントなんだろうねー。
あらゆる商品、これにしたいね!
これ発明したの?
俺も初めて見た。

 
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杉野:
あー、そうですか。

 
糸井:
うん。

 
杉野:
持ってきたらよかったかなー? 充電池。

 
糸井:
これがさ、おんよよ〜〜んになっちゃうのよね。
バネがね。

 
古庄:
おんよよ〜〜ん(笑)。伸び切っちゃったり、
ばかになっちゃうってことですね。

 
杉野:
新しいGBAは、ならないんです。
ひっかからないんです。

 
糸井:
あらゆるものをこれにしたいね!

 
倉恒:
したいですねえ。

 
杉野:
考えた設計の人達喜びますけど、
すごかったですよ、この設計。横で見てて。

 
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古庄:
一番苦労したのオオタさんやね。

 
杉野:
オオタさんていう設計の人なんですけど、
ものすごい苦労してはりました。硬さとか、
耐久性とか、

 
糸井:
そうか。柔らかすぎたら……

 
杉野:
柔らかすぎたら弱くなるし、硬すぎてもだめ。

 
糸井:
このバネだったら、柔らかくても大丈夫だもんね。
そうでないと、電池を取る時に、こう斜めにした時に、
バネもこう一緒にこうついてくるじゃない。
で、だんだん変になっちゃうんですよねー。

 
杉野:
そうです。
携帯機ですから、邪魔なものは取りたい
というのがあるじゃないですか。
だから、オカダ部長なんか、
これにはすごくこだわっておられて。
これも、僕たちの言いたいポイントでは
ありますね。

 
糸井:
小さいけども大事な部分ですね。

 
杉野:
だからそこも「デザイン」なんですよね。

 
糸井:
そうだよね。

 
杉野:
携帯ゲームっていう使い方までを
考えたデザインなんですよ。

 
ニコラ:
でもいつもは、
こういうところは時間ない、だから
しょうがないでしょ。

 
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糸井:
うーん。

 
宮元
お互いにね。

 
ニコラ:
これは、でも、そこまで、
ちゃんとすごい。

 
杉野:
最初っから、
もうここの電池の端子のとこに関しては、
それありきで設計が始まってましたから。

 
古庄:
かなりこだわった部分だよね。会社としてね。

 
杉野:
それでちゃんと電池蓋を閉じれる、
普通の電池蓋を使えるっていうことを
ポイントにしました。

 
糸井:
うーん!

 
杉野:
それ用に別の蓋をつけなきゃいけないとか、
それを入れたからふくらむとかっていうのも
絶対嫌だと。

 
糸井:
うーん。うんうんうん。すばらしい。
こんな小さいところにも!

 
杉野:
で、今までの充電池は
ニッケルカドニウムですけど、
こんどはニッケル水素ですから、
電池、急速充電もできて。

 
糸井:
うん。

 

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杉野:
前は8時間充電して、使えるのが4時間とか、
そんなんでしたっけね? なんか。
それが、2時間で充電できるようになったんです。

 
糸井:
2時間充電。

 
杉野:
で、遊べるっていうかたちですよね。
で、あとねこれ、このバッテリーのランプが
ここにあるでしょう。パワーランプ。
これ、今度は緑なんですよね。

 
糸井:
ほぉー。

 
杉野:
今までゲームボーイって、赤でした。
ここに点いてて。

 
ニコラ:
ほとんどわからないよ。

 
杉野:
ええ。これ(ゲームボーイアドバンスの方)が、
電池が少なくなってくると、今度は赤に変わるんです。
ウルトラマンのように。

 
古庄:
前、わかりにくかったもんね(笑)。

 
杉野:
で、赤がだんだん消えていく。
だから緑の時は絶対大丈夫。
赤になったら
「そろそろヤバイですよコール」
なんですよ。

 
糸井:
細かいところいろいろしてますなあ(笑)。

 
ニコラ:
かしこいよね(笑)。

 
杉野:
そう。中にLED2個つけてるんですよ。
あの、赤色と緑色と。
で、やっぱりそのゲームボーイカラーって
だんだん暗くなりますよって言ってたんですけど、
自分でもやってて思うのは、
暗いままで何日もやってると……

 
糸井:
慣れちゃう(笑)。

 
杉野:
それが普通だと思うでしょ。
それが電池を替えた時に、え、ここってこんなに
明るかったっけ? って思う。だから、
セーブするのが遅れたりとかってすることが
ありました。今度は、赤になったら
とにかくこまめにセーブしましょうね
っていうことです。

 
倉恒:
ま、あの、使ってるものによって、
その残りの時間っていうのは違うんですけどね。

 
杉野:
アルカリ電池だったら、
残り4時間とかっていうような言い方を
してるんですけど、
その実験は北海道の寒ーいとこでやってます。
だから、ほかの地域だったらそれ以下、ということは
ないようになってます。
充電池の場合も、寿命の30分くらい前になると
赤に変わりますよ。

 
糸井:
ふーん。

 
杉野:
電池がどれだけ減ってるかを検出して、
切り替えてくれるっていう機能を
つけてるんですよ。
まあちょっと、形状の話しからは
飛んでしまいましたが(笑)。

 
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デザインっていうと僕たちはついつい
オモテに見えるところしか見ないけれど
電池ボックスみたいに「見えない部分」の設計も、
また、デザインなんですね。
次回は、ニコラさんたちのデザインの
ベースにあるものはなにか、をお聞きしていますよ。
お楽しみに!
 
  2001-02-21
 
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