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イメージ 「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」
 〜釣りに行こう〜

 
 制作スタッフ座談会 その7
 最終目標は、うまくなることだ。
 
「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」に
ゴールはあるのか!? 80センチオーバーのビッグバスは
どこに潜んでいるのか???
さまざまな謎を解き明かしながら進んでいくこの座談会、
今回が最終回です。
出席できなかったスタッフの皆さんの紹介もありますよ!
 
●参加者●●●●●●●
 
●倉恒良彰さん
前作から引き続き、『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!』のアドバイザー。
関西在住。「釣り監修屋でございます」。実際のバス釣りと、ゲームとの差を
埋めていくのが仕事。「そう簡単にはOK出さへんでー」

 
●小関昭彦さん
株式会社ダイスの社長であり、プロデューサー。
「苦情処理と、問題解決を担当しております。毎日心臓を強打されるような
問題と取り組んでおります!」と元気に語る。

 
●サイトウ・アキヒロさん
株式会社ダイスの共同代表であり、ディレクター。
『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!』全体のディレクションを担当。
倉恒さんからの要望をクールに理知的に処理する二枚目。

 
●アベキ正博さん
株式会社ダイスのCGデザイナー。当時ダイス唯一の釣り人だった。
サブウインドウの魚はこの方の担当。
「あべ」は「木へんに、青」という、パソコンでは出ない字。

 
●村野嘉泰さん
株式会社ダイスのグラフィックデザイナー。
「地面、地形などのフィールド・デザインを担当しました」

 
●川原田祐司さん
株式会社ダイスのデザイナー。「サブウインドウ、タックルボックス、
3Dエフェクト、しぶき、ルアーのアニメーションなどを担当してます」

 
●能登谷哲也さん
株式会社ハル研究所所属。制作進行および、パッケージやマニュアルなども担当。
「倉恒さんと、ダイスの皆さんとの間に入るのが仕事です。ふうふう」

 
●武久豊さん
任天堂株式会社企画部の、プロダクトマネージャ。プロモーション担当。
いまも、全国を駆け回る多忙な旅人。

 
●糸井重里さん
『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!』の、ゲームプロデューサー。
 

 
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タイヘンだったことはいっぱいあります。
でもみんな、むくわれたという
斉藤さん。
──ほかにも、制作スタッフとして
「ここは見て欲しい!」ということ、ありますか。

 
サイトウ:
グラフィックで言うと、地形の表現とか、
背景も力入れてるんですけど、
そういう所も評価してもらいたいです。
単に写真的なリアルではなくて、絵画として
よくできていると思ってます。
あとやっぱり、サウンド、SEはけっこう比重が
大きい。今回、全体のロム容量の4分の1を
サウンドに使ってるんですよ。

 
 
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倉恒さんとスタッフの間に入って
苦労(ヨロコビ?)がたえなかった
小関さん。

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ほんま、みんな、ようやった。
ありがとな、と涙する
倉恒“湖の神”良彰さん。
小関:
あとは、ルアー個別によって
カメラの追い方を変えてます。
たとえば、ノーシンカーだと、
落ちてくるのを下から見上げてます。

 
アベキ:
そのルアーがいちばんかっこよく見える
カメラアングルを考えてやってるんですよ。

 
サイトウ:
あと、ハードとノーマルのモードでいちばんちがうのは、
カエルが笑いますよね。
ただ、ハードのときは笑わなくなるときがある。
それは、カラーアピールが、季節や時間や天候と
合ってなかったりすると、笑わなくなるんですよ。
その湖のヒットカラーであったりとか、
天候によってルアーの色を変えていかないと
笑わなくなる。
ノーマルモードだと、アクションさえさせていれば
カエルは笑ってるんですけれどね。

 
倉恒:
ほんま、いろいろあるなあ。
……そやけど、まあ、ようここまでなったよなぁ。
ほんまに、よかった、よかった。

 
アベキ:
よかった、たしかに。

 
糸井:
これ、何時間くらいやったら満足するだろう?
ロールプレイングゲーム以上だね。
 
──このゲームにゴールとかはないんでしょうけど、
最終的な目標は何なんでしょうか。
超大物がいる秘密の湖に行くことが……?

 
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いつもおだやかなダイスの川原田さん。
サイトウ:
最終目標ですか?
やっぱ80センチオーバーのバスを釣り上げることでしょう。

 
編集部:
80センチオーバーのいる湖に行くということ?

 
小関:
いや、80オーバーのバスの回游コースを……。

 
倉恒:
そうそう。80センチオーバーの
出没ポイントに出会うことですね。
全レイクに80センチオーバーがいますから。

 
糸井:
最終目標はうまくなることだよ、無限に。
 
サイトウ:
ただ、ゲームのつくりとして、
最終的に何かをするというつくりにはしてないんですよ。
たとえば、移動がすごく簡単になっているのは、
移動することにストレスをかけたくなかったから。
何かをクリアすることに重点を置くのではなくて、
あくまでも“釣りを楽しむ”ということが
メインの部分なんですよ。
だから、エンディングも、割と簡単に行ける
はずなんですよ。

 
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おお、たぬきさんが釣りをしている!
てことは、ここは釣れるポイントなのだ!
──エンディングはあるんですか?
 
サイトウ:
ええ、エンディングはあります。
それはチャレンジといって、
チュートリアルを兼ねてるんですけど、
だんだんむずかしい課題を出されて、
それをクリアしていって、
最後に「オヤジ」と勝負するんですよ。

 
──でかいのがいる湖があるとか?
 
サイトウ:
最初は3つの湖しか行けないんですが、
チャレンジをクリアしていくと
最終的にはいろいろな湖に行けるようになります。
で、後から行けるようになる湖ほど、
大物がいる確率が高くなるんですよ。
あと、ゲームのイメージとしては、
前作がどうしても「ひとりで釣りをしてる」っていう
イメージがあったんですね。
ほかの釣りゲームもそうなんですけどね。
でも、このソフトは、常にパートナーを連れて
釣りに行くということになっています。
ひとりじゃなくて、カエルと一緒とか、誰かと一緒。
そういう感じは出せてますよね。
あと、ボートに乗ってると、
船で釣ってるキャラに出会います。
あれは釣れる場所なんですよ。
なにか沈んでる場所にいたりしますね。
あれって、地元の人ですから。

 
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さあ、今日はどんな釣りをしようか。
糸井:
いけね。そのキャラについてひとつもしゃべってなかったよ。
これ、油断させるためのキャラなんだよ。
この奥深さよ……。
ホーキング博士の本を小学生に読ませるためにはさ、
「こんなおじさんだよ」
ってことを言うのが早いでしょう。
それと同じことなんだ。
 
倉恒:
このゲーム、逆の立場で見てても面白いんですよ。
「このやりかた、実際の釣りに応用したらどんなかな」
っていう。これやりだしてから、スピナーベイトを
ラバージグみたいに使うとかね、
今までやったことないことを思いついたりするんですよ。

 
  糸井:
ありうるよねえ。
 
倉恒:
糸井さんけっこうノーシンカー好きですね。

 
小関:
ノーシンカーの、この、沈んでいく感じがいいんだなあ。

 
倉恒:
チューブのジグヘッドも見て欲しいね。

 
小関:
いやあ、このゲーム、なによりワームが楽しいですよねえ。

 
倉恒:
おお、小関さんが、そんなふうに言うなんて、
なんて……(涙)。

 
糸井:
釣りをまったく知らなかった人がねえ。
釣りをしていても「ワームが楽しい」とはなかなか言わない。
 
小関:
ワーム、いいっすよお。奥が深いっすよ。

 
糸井:
ゲームだけでそれを言わせるのって、すごいよなあ。
 
倉恒:
よくぞ、そこまで。(涙)

 
 
イメージ この座談会のあと、“釣り監修屋”であり
“わいがこの湖の神や”でもある倉恒さんに、
とくべつにほぼ日読者のために
「よう釣れるようになるヒケツ」を教えていただけるよう
お願いしました。
「よっしゃ、わかった。教えたるでー」
ということです。近々掲載予定、お楽しみに!

 

 
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中村優子さん(手前)と、山田麻里子さん。
美しき女性チーム。

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河合さん(手前)と加藤さん。
美しき男性チーム!?

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釣った魚は俺にまかせろ!の
佐藤さん。

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メインプログラマーの
山田さん。

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ガタイのいい野崎さんは
2D担当のサブプログラマー。

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魚の泳ぎのプロとなった
村松さん。

ワシらもタイヘンだったのだ!
糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!
そのほかの、スタッフを紹介します。

 
中村優子さん
加藤さんからもらったデータを、2Dに落とす作業を
しました。2Dっていうのは、画面の枠の部分とか、
フィールドNPCとかですけれど。
立体でないものすべてです。
糸井さんの顔の画像制作もわたしです。

 
山田麻里子さん
カエルの顔のアニメーションの元データを3Dでつくったり、
家とか「お宝」とかを3Dにするのが仕事でした。

 
河合宏明さん
グラフィックの人たちがつくった岩とか草とかのモデルを
全体マップに配置したり、地形を掘り下げたり、あげたり。
魚を配置したり、魚がバイトする具合を調節したりしました。
倉恒さんの要求に合わせて釣れるようにするのが
いちばんたいへんだったかな。

 
加藤崇志さん
2Dの画面周りのデザインをしました。
あとは、3Dのポリゴンでなどの自然物、
そういうもの全般です。2Dって、
その中に入れなくちゃいけない情報が
変更されるたびに、合わせていくというのが
たいへんでしたね。
企画の変更に合わせて総入れ替えということもありましたね。

 
佐藤友広さん
釣り上げた魚やストラクチャのCG……杭、岩、家、
葦などの制作と管理をしました。
NINTENDO64の性能を目一杯、どこまで使えるか、
ということを考えながら、できるだけ実物に近く
つくることが仕事です。
たとえば岩の上にルアーが落ちるんだったら、
その岩をなるたけ実物に近いようにつくるんです。

 
山田豊さん
プログラムチーム5人のリーダーです。
きついダメだしにも、みんなオトナだったものですから、
協力しあって乗り切りました。
魚がファイトしているところ、ライン、リール、
腕の動きなど、一連の力学モデルをつくるのが、
いちばんたいへんでしたね。
いままで釣りをしたことがなかったんですけれど、
琵琶湖で合宿したりして、勉強しました。

 
野崎竜也さん
サブプログラマーです。基本的には2Dまわりの
プログラム全般を担当しました。
お店、受付、タックルボックスなどが僕です。
中村さん、加藤君たちとチームですね。
いちばんたいへんだったのはタックルボックス。
ものの数が多かったですからね。

 
村松徹さん
魚の動きや釣れ具合の調整をしました。
魚と釣りをしてますよね。そのとき、魚が泳いで逃げている
という状態をいかにつくるか、ということです。
500通りの動きを組み合わせて、
ちょっとずつ変えていくんです。
修正も、「それをやったら違うよ」ということを
少しずつ直していく。いろいろキツい注文も、
こなしましたよ。数字の調整をすべてやっている、
というのが、僕の誇りです。
魚の動きをやっていたときはツラかったなあ、徹夜徹夜で。

 
相川供一さん(写真はありません)
企画、仕様作成、シナリオの組み込み、
デバッグ管理を担当しました。
アドバイザーの倉恒さんからの要求を
NINTENDO64で可能な仕様に落とし込むのが
大変でしたが、バス釣りの深い部分のセオリーを
お聞きするのがとても楽しかったです。
仕様を盛り込みすぎてプログラマーさんたちに
ご苦労をお掛けしました。
莫大な調整項目を調整してくれた村松君に感謝しています。

2000-04-14-FRI

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