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「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の情報・産地直送!
宮本茂を核にしてまとまったゼルダチームは、
あきれるようなしつこさで64のゼルダをつくった!
そのしつこさの一端を、
しつこくインタビューしてきました。
そのインタビューを少しずつ編集して
「ほぼ日の近くの大きな樹の上から」
お伝えしましょう。


(第1回の15)
今度のゼルダは
「やりなおしがすごかった」らしい。
その1


bicycle
任天堂のゲームつくりとして、
まず「お話ありき」じゃなくて、
まず「ゲームありき」なんで、例えばマップひとつ、
シナリオひとつ作るのでも、途中でどんどん
変更が入ってくるんですよ。
そのときにボツになったデモとか、
同じシーンでも場所が変わったりとか、
特に後半になってからの変更では
「わあ、こんなの、今からどうするんだっ」
てことがしょっちゅうありました。
       (シネマシーンディレクター・森 直樹さん)

 

bicycle途中の過程で、こうした方が面 白いんじゃないか、
ということになったら、シナリオっていうのは
そのためのつじつま合わせみたいなところがあるので、
神経を使うわりには報われないという(笑)。

「じゃ、これで決まりですね、お先に失礼します」
って帰って、もしも次の日に
会社を休もうものなら、その次の日には
「あ、あれね、こう変わったし。 つじつま合わしといてね。」
「え〜〜〜〜っ!?」って。

リンク

今回のゲームは、過去と未来の7年間を
行ったり来たりするゲームなんですけども、
最初のうちは、行ったらすぐには帰ってこられない設定に
していたんですけれど、そんなんしといたら、
子供のときのイベントでやり残したことが
しばらく出来ひんやんか、ってことになって。
それもぼくが休みのときにそう決まって、
会社に行ったら
「そういうことになったし。合わしといてね。」
「え〜〜〜〜っ!? わ、わっかりましたっ」って。

リンク

で(笑)、とにかく慌ててその日のうちに
どうやったらつじつまが合うか、「手かず」を、
あ、これって今回の宮本の口グセみたいなもんなんですけど、
最小限度の手かず、手順ていうか、手段でもって、
最大の効果が得られるようにしてくれ」
と言われていたので、あれこれと手順を踏んで。
とにかくモノがおっきいんで、
いろんなとこに影響を及ぼすようなことになると、
収拾がつかなくなるのでね、
その日のうちに、出来るか出来ないかの判断だけは
つくようにして。とにかく、それがたいへんでしたわ。
突貫作業の連続という感じでしたけど、
みんなほんとにがんばってくれたので、出来ました。
      (スクリプトディレクター・大澤 徹さん)

 

bicycle今年の2月頃、かねてより準備してきた表示システムを
全面導入しよう、という決断がなされて、
それまでのモデルの一部が一回パアになって、
その分をまたイチから作り直した、ってことがありました。
いったん終わっていたものを、
もう一度触らなくてはならなくなって、
そんときはちょっとびっくりしましたね。
「マジか?」って(笑)。
でも、直したほうが、格段にきれいです。
質感が全然変わったから。

ある程度やってから大澤さんとシナリオの打ち合わせして、
また途中で変えて、数え切れないくらいダメにしましたね。
特にここ2、3ヶ月は、
昨日言われたことと違うことを今日言われたり。
「使えへん」のひとことで変更になったり。
「出来てるのに・・・。」とか(笑)。
しまいには、アニメーション担当のひとにも手伝ってもらって
なんとか出来ましたけど。
時間さえあれば、
ひとりずつもっと丁寧にやってあげたかったんですが。
ま、こればっかりはしょうがないです。
          (キャラクターデザイン・春花良紀さん)

 

bicycleひとりのデザイナーが
へんなもの作ったりすると、
あ、それはいいなぁ、ってんで、
他のデザイナーたちも
それにひっぱられますんで、
どんどんイメージが変わっていきますね。
キャラクターたちも、
どんなことをしゃべらせるかで
イメージを変えていきますよね。

そうするとマップをデザインしてるほうも
そういうものが出てくる地域だったらここはこうだろう、
っていうんで、また変えたりして、最後までいろいろ
いじりながらやってきたんで、最終的に、イメージとしては、
すごくいいかたちでひとつのものになったと思います。
        (ダンジョンデザイン・小野塚英二さん)

というところで、(第1回の15)
「今度のゼルダは
『やりなおしがすごかった』らしい その1」は終り。
これから、さらに加速度つけて進んでいきますから、
新しい更新をこまめにチェックしてください。

 


1998-12-16-WED


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