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「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の情報・産地直送!
宮本茂を核にしてまとまったゼルダチームは、
あきれるようなしつこさで64のゼルダをつくった!
そのしつこさの一端を、
しつこくインタビューしてきました。
そのインタビューを少しずつ編集して
「ほぼ日の近くの大きな樹の上から」
お伝えしましょう。


(第1回の11)
今度のゼルダは
「アニメーションががんばってる」らしい。
その3


bicycleこのゼルダというゲーム、
もともと主人公はしゃべらない。
スーパーファミコンのときからそうなんで、
今回もそれは受け継いでいます。
「これは映画じゃない、ゲームなんだよ」という、
いわゆる任天堂のスローガンとして掲げているものを、
今回もはずしちゃいけないな、という思いはありました。
そうは言ってもね、デモ画面だけを足してみると
それでも実は、トータルで1時間30分以上あるんですよ。
短い映画1本分くらいの長さはあるんですけどね。


「ゼルダとの出会い」という場面があります。
ここは、色々と特殊な条件があって、
どうしてもプログラムで書いてもらわなくちゃ
いけなかったんです。
で、あまり無理な注文もつけられないし、
妥協したりしてね、
出来上がったデモ画面を見たら、
長い長いカットで、当然ゼルダも無表情で、
というものだったんですね。

そしたらモニターから山のようにコメントが返ってきて、
「こんなお姫様のために働く気は、ぼくはしません」って。
そのプログラマーさんは、すごく忙しかった方だったんですけど
なんとか割り込ませてもらって、
「これだけはどうしても入れてください」って頼んで、
カット割りやらアニメーション、テクスチャー、
いろいろやりました。
だから、このゼルダ姫との出会いのデモ画面は、
ぜひ見て欲しいところかな


オカリナのところでは、もうひとりの担当が
音楽とのシンクロをかなり意識して
やっていました。
個人的にぼくが好きなのは
「炎のダンジョン」だったかな、あそこの
音楽と画面のシンクロがかなり完ぺきだな、
という思いがあるんで(笑)、
そこも見てもらいたいんですけれども。

エンディングは「スターウォーズ」を意識しています。
それと参考に観た映画は「ダーククリスタル」。
実際のカット割りがどうだとかというよりも、
どうしたらああいう雰囲気を出せるかなと思って。

Mr.Mori

確かにアニメはよく見てますよ。
まわりから「アニメ番長」と呼ばれてるくらい(笑)。
自分がおもしろいと思ったアニメーションは、
人にも見せまくるんです。
「これ、面白いよ」とかって言って。
最近面白かったのでは「パーフェクトブルー」という
アニメーションのサイコサスペンスがありまして。
別にゲームの参考にした、
とかってわけじゃないんですけど、
カット割りとかが、見ていて面白かった。
シーンシーンの切り替えを
主人公の動きでつなげてるんですよ。
そういうの、見てておもしろかったですね。
僕らの世代は、アニメーションとか特撮って、
映像体験としては、はずせないものがありますからね。

ゼルダはワンカットワンカットの明確性ということを、
目的や意味を持たせて考えていたつもりです。
情報量として、ということでいえば、
もちろん段ちがいにCDロムゲームが上、
ということは認めます。そのとおりです。

絵コンテ、ありますよ。
ありますけど、どうなんでしょうねぇ(笑)。
簡単ですよ。マメ描いてチョン、みたいなものですよ。
     (シネマシーンディレクター・森 直樹さん)

 

というところで、(第1回の11)
「今度のゼルダは『アニメーションががんばってる』らしい
その3」は終り。
これから、さらに加速度つけて進んでいきますから、
新しい更新をこまめにチェックしてください。

 


1998-12-6-SUN


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