今年『ナイン』は大当たりする!
去年は知らなかったくせに、応援します。

               
きょうもたっぷり
大阪公演の感想メールを掲載します!

               


シェフ
あのさあ、こんどの旅行は
イタリアにしようかと思うんだよ。

べ3
あれ? 京都にうまいもの食べに
行くって言ってませんでしたか。

シェフ
その次にさ‥‥

べ3
プラハとかパリとかにも
行くつもりだって
この2年くらい言い続けてますよね。
それでフランス語習いはじめたんじゃ
なかったでしたっけ。

シェフ
「ナイン」を見てからさ、
ぼくのルーツは
イタリアにあるんじゃないかと
思うんだよ。
ルーツを探る旅は
はやくしたほうがいいと思うんだ。

べ3
‥‥(どこが?)。
イタリア製の洋服とか
一枚も持ってないじゃないですか。
ていうか似合うのは
ハッピにハチマキじゃないですか。
背丈だって別所さんは186センチですよ。

シェフ
ぼくは163センチさ‥‥
でもそれは仮の姿だよ。
ぼくのなかには
グイドがいるのさ‥‥

べ3
(困ったなあ)
そうですね、そうですね。
すこし寝たほうがいいですよ。

シェフ
そうだね、イタリアとは
時差があるから眠いのさ。

べ3
ちなみにこれ60年代の話だから
グイドが今生きていたら
80すぎてますよ?

シェフ
ありゃ?

べ3
メールを紹介しましょうね。

=
大阪に来ると知ったときから
とってもとっても楽しみにしていたナイン、
日曜に観てきました!
長年? 舞台を観ていると、
夢中になってのめり込んで観る自分がいる一方で
客観的に批評家のような目で観る自分も
存在するようになります。
(少なくとも私はそう)
今回もやっぱりそうで、
色々感じながら観ていたのですが、
いちばーん最後に残ったのはただ、
なんて愛に溢れた舞台だろう!
という愛おしさだけでした。
2幕途中から泣きながら観ていたのですが
その涙の意味が自分でも
よくわからないままに泣いていたんです。
ほんと、女ってこういう
愛に満ちた存在だよな、と・・・
女である私は常日頃思っています。
そのことをこの美しい舞台で示してくれた。
それが嬉しくて、
1階の一番後ろで観てらしたルヴォー氏に
思わず求愛したくなりました。
また当日券で観にいこうと思います。
(Junko)

=
観てきました!! 素敵な舞台でした。
スペシャルチケット、すごく嬉しかったです♪
それに、とってもいい席でびっくりしました。
(いつも苦労して先行予約とかで挑戦しても、
 なかなかあんな席には当たりません。かんど〜)
あれぐらいだと、役者さんたちの表情が
よく見えるんですよね。
泣いてはるのを見てたら、泣けてきました。
ただ、全体が見えない。
もう一度後ろのほうから観たいなぁ、
‥‥と、考え中です。
色づかいもきれいだったし、
全体が見たいなぁという気持ちが
強くて困ってしまっています。
(つきこ)

=
ナイン、みてきました。
とても素敵な席をありがとうございました。
あと、かっこいいチケットも。
記念に大事にかざっておきます。
みなさん、ほんとに素敵でしたが、
とくに大浦みずきさん、最高にかっこよかった!!
フォーリーベルジェールを歌いだされたとき、
ショーがはじまるんだとドキドキして、
ちょっと泣きそうに。
ラストはなぜだか自分でもわからないのですが、
ほんとに泣いてしまったのですが。
リトルグイドの歌と女性達がでてきて、
そのあたりは、ぼろぼろ泣いてました。
その理由はわかるようだけど、うまく言葉にできません。
今度は2階席なのでセットもしっかりみて、
また楽しみたいと思います。
ありがとうございました。
(神戸っこ)




シェフ
ぜひもう一度観てください!
ぼくら、公開舞台稽古は2F席で、
初日は1F席で観たんですけど、
これが、どっちもすばらしいんです!
3日間で3公演観ても、
また観たい気持ちがつのります。

べ3
全体が見渡せる後方や2F席は
カンパニー全体が大きくうねりながら
物語を、運命を、のみこんでいくさまが
よくわかって、いいですよね。
舞台装置のすごさも、わかりやすいです。

シェフ
そして前のほうの席は、
つきこさんもおっしゃるように、
役者さんたちの表情がよく見えて
これまた、いいんですよねー。

=
岡山在住ですが8日の昼公演を
思い切って見てきました。
もともとずいぶん前から
6、7日は大阪でクラブイベントと
コンサートのハシゴをするつもりで計画していたので
そのついでに見られれば、と思ったのですが。
6、7日のどの公演も時間が重なってしまい無理!
さんざん考えたあげく
ナインのためにもう1泊することに。
そのためぎりぎりになって
慌ててチケットをお願いすることになり
ちょっと申し訳なかったです。
会場でチケットを受け取ったら
最後列だったのに(申し込んだのが遅かったから
これはしょうがない)
オペラグラスも持ってないし、
そもそもライブに行くのと
同じ格好で行っちゃっていいのかしら、などと
うだうだ考えていたけれど
始まっちゃうとそんなの全部吹っ飛んで
ナインの世界にすっかり見入ってしまいました。
あと最後列でよかったことといえば、
横のPA席をふと見ると至近距離に
ルヴォーさんが座っているのを
目撃できたことでしょうか。

大阪に住んでいたら絶対もう一度見に行くのになあ。
こんなすばらしいミュージカルがあることを
教えていただいて
ほんとうにありがとうございました。
(ぺぱぐり)



=
こんにちは。
土曜日にほぼ日から申し込ませていただいたチケットで、
ナインを見てきました。
席はセンター前から3列目という、
役者さんの汗も涙もばっちり見える
すごいポジションでした。
ありがとうございます。

月並みな感想ですが、とても良いショウでした。
舞台装置も演出も、さまざまな女性を
一人一人観察するのも楽しかったです。

ところで、クライマックスの時、
後ろの席でしゃくり上げるように泣く声がしました。
実はその時、私もこっそり涙していていたのですが、
なぜか、何にシンクロして涙したのかわからず
(舞台のスケールになのか、
 妻の愛情の深さになのか、
 追いつめられたグイードのどうしようもなさと、
 それによって傷つけられる
 女性たちに対してなのか‥‥
 2回目に見たら結局全部だったことに
 納得しましたが)
少し混乱していたので、
他から聞こえてきたその声にちょっとほっとしつつ、
それにしても素直な感情表現だなあー、
と思っていたのです。

そこで、劇終了後にこっそり後ろを振り向いてみたら、
そこには、6〜8歳の男の子が
静かに少し恥ずかしそうに、
お父さんらしき人に涙を拭いてもらっていました。
その子がナゼ泣いていたのかはわかりませんが
(お父さんに怒られて、
 というようには見えなかった)、
良い物は年齢を超えて人の心を打つ、
と言うのを目の当たりにした、
興味深い一日にもなりました。
(久美子)


シェフ
すごいね‥‥!
彼もグイドだね!
ちなみにぼくは
2回目観たとき、
序曲のところから泣けてきました。

べ3
ああ、続けて2回観ると、
序曲の表現の奥深さが
よりわかりますよね‥‥

シェフ
それから服装ですが、
そんなに気になさらなくていいですよ。
もちろんオシャレしていったほうが
楽しいのはまちがいありませんけど!

べ3
さてそれではきょうも
キウチさんのレポートをどうぞ!

               
第十六回 『ナイン』の核心“イノセント”!
               

大阪公演はみなさんのおかげで盛況です。
カーテンコールの大拍手はもちろんのこと、
お寄せいただくメールが勇気になり、力になります。
ほんとにほんとにありがとうございます。
休演日返上で、追加公演。
さあ大阪は、いよいよ後半です。

きょうは1960年代という時代と、
『ナイン THE MUSICAL』の関係をお話しします。

●'60年代というキーワード

衣裳やヘアメイクが表現しているとおり、
『ナイン THE MUSICAL』の世界は、1960年代です。
衣裳のつくりかたは、
「去年はこんな感じでした!」の回
ほんの少し触れました。
ヘアメイクに関してはこうです。
ヴィッキー・モーティマーの詳細な資料をもとに、
昨年秋の公演で演出家の信頼の得た鎌田さんが、
日本のキャストに合わせてプランニングしました。
鎌田さんは、昨年秋からさらに今回、
また新たなイメージを作っています。
演出家からのキーワード、「'60年代」をもとに。

モチーフとしているフェリーニ映画『81/2』が、
'60年代を代表する傑作であるということ以上に、
あの時代の映画が伝えた鮮烈なテーマを、
演出家デヴィッド・ルヴォーは『ナイン』に
込めています。

●映画『甘い生活』の時代

それは映画監督で言えば、
ヴィスコンティやミケランジェロ・アントニオーニ、
俳優ならアラン・ドロンやヘップバーンたち、
音楽ではニーノ・ロータが大活躍した時代です。

デヴィッドはこう説明します。
「ローマの街並やカフェの風景が
 世界じゅうに反響をもたらした
 フェリーニの映画『甘い生活』の時代、
 その時代を現代から見るとき、
 イノセントで、アナーキーなきらめき、創造的で、
 大胆な性の時代に映る」


映画『甘い生活』はカンヌ映画祭グランプリに輝き、
アカデミー賞2部門を受賞した作品です。
青年ジャーナリストの役のマストロヤンニが
初めての主演でした。
ローマを舞台に気まぐれで奔放な男女関係を描き、
現実と幻想が一体化する構成は、『81/2』や、
そして『ナイン』にも通じるフェリーニの世界。
女優アニタ・エクバーグがトレビの泉に入り、
水と戯れるシーンが象徴的でした。



人生は芸術を模倣するという言葉がありますが、
'60年代に作られた映像世界によって、
現実の生活が映画を模倣するようになりました。
『甘い生活』で言えば、
「ヴェネート通り」を疾走するパパラッチの姿は、
フェリーニがこの映画でつくり出したものです。

デヴィッドは、「映画のようにうつろいやすい、
つかみどころのなさを『ナイン』に与えた」と言います。
それはたとえば、半透明のアクリルに囲まれた
舞台セットがそうかもしれません。
また、グイド・コンティーニの頭のなかに
女性たちが登場するとき、
天国までつながるらせん階段から降りてくる演出も。
このときのデヴィッドの言葉が印象的でした。

「彼女たちは、ハイヒールを履き、
 '60年代ファッションに身を包み、
 ゴージャスで、ファンタスティックでセクシー。
 足下も見ず、後悔もせずに降りてくる‥‥」




女性はこうあるべきということに縛られない、
自由な女性たちのイメージがそこにあります。
『ナイン』に登場する女優たちが、
どの現実よりも美しく輝いてみえるとすれば、
それは'60年代の映画がそうであったように、
彼女たちの本来の姿が演出されているからだと思います。

先日、あるインタヴューでデヴィッドに
質問をしたことがあります。
Q『ナイン』は各都市で上演するごとに、
 それぞれ違う輝きを放つ作品だと言われますが、
 日本の『ナイン』はどう違うんですか?
デヴィッド
「『ナイン』という作品は、
 大人の男女の洗練された煌めきと、
 作品の核にある無垢なものの
 緊張関係でできてると思う。
 それが日本という文化のレンズを通してみると、
 ほかの都市ではそれほど拡大されなかった
 “無垢な部分”が拡大されてる。」


“無垢な部分”、それは'60年代の映画が魅せた、
女性たちの輝き“イノセント”のことです。

(つづきます!)


シェフ
『甘い生活』‥‥!
ぼくはこの3年ほど
「甘い生活の友社」という
秘密組織に参加しているんだよ。

べ3
な、なんですかそれは?!

シェフ
ひみつだよ。
ところで同じキャストなのにヘアメイクが
はっきり新しくなっているのは、
アナベラ役の
井料(いりょう)瑠美さんです!

べ3
井料さんは劇団四季出身で、
『オペラ座の怪人』で
歌姫クリスティーネを演じたのをはじめ
『美女と野獣』『壁抜け男』
『アスペクツ・オブ・ラブ』などの
ヒロインをつとめました!

シェフ
ミュージカルだけでなく、
ストリートプレイの経験も豊富だし、
退団後は『レ・ミゼラブル』に出演。

べ3
『レ・ミゼラブル』、ぼく、観ましたよ。
別所さんがジャン・バルジャン、
井料さんがフォンティーヌ、
それから剱持たまきさんがコゼットと、
「ナイン」に出演している3人が
出ていらしたんです。

シェフ
井料さんは『ナイン』では
こんなヘア&メイクですよー。

べ3
目がハートになってますよ。

シェフ
そういうきみこそ赤くなってるよ。


2005-05-11-WED
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