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事務手続きのつづきを、
具体的に訊かせてもらえますか? |
| 糸井 |
俺はだいたい、
事務手続きが苦手なので、
最初に、ネット上の申し込み用紙に
いろいろ書き込む時でも、
「電話の所有は」とかそういうことさえも、
書類を調べなきゃいけないんじゃないか、
と思って、ドキドキしてたんだよ。
で、電話の名義は・・・と探してたら、
かみさんが、「これかなあ?」って、
電話の払い込みの領収書みたいなのを
出してきて、そこには「糸井重里」とあった。
「これでいいんだよなあ?」って。
ADSLの会社の「東京めたりっく通信」から
「所有名義を間違えないように」
って連絡が書いてあったから、気にしてて。
どうも、106だとか116だとか、
そこに連絡をすればわかるらしいから、
「もしもし、名義を知りたいんですけど」
と電話かけて言ってみたけど、そしたら、
「こちらからは言えない」みたいな反応で。
で、糸井重里ですけど、と言ったら、
「そのようになってます」と。
それを知れたら、もう、こっちの勝ちで! |
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冒険ものみたいな口調だ。 |
| 糸井 |
そこが唯一迷ったところで、
それさえわかれば、
あとはホームページ上の申込書から、
じゃんじゃん書き込んでいったのよ。
で、「送信」で。
そしたら、メールが来て、
「NTTのISDNのほうの電話を、
アナログ回線にしなければいけません。
でも、そっちのほうは、
NTTから連絡してくれるんだけども、
そうは言っても、なかなか連絡が来ないから、
アンタが自分からNTTに連絡してくれたほうが、
たぶん、良いんだよね!」
みたいなことが、丁寧に書いてあったのよ。
で、また苦手な連絡がある、
嫌だなあ、ドキドキ、ってしてて。
で、思い切って電話したのよ。 |
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(笑)「思い切って」。 |
| 糸井 |
そしたら、
「わかりました。何日にやります」
というメールが届いて。
そのへんのメールの控えは
まだぜんぶ持ってるから見せてもいいよ。
「手続きは9日にできます。
でも、その手続きの前に
こちらからお電話するから、
そのへん、わかってね」
みたいなことを向こうから言ってきて。
で、ISDNからアナログへの工事が
はじまったのが、3月9日だった。
その時に、工事の人に、
トーンとかパルスとかそういうことを、
「何とかにしておきますよね?」
とか言われて、
「ああ、そういうもんですかねぇ?」
って答えたの。 |
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(笑)微妙な答えだなあ。 |
| 糸井 |
そしたら向こうの人も、
何て言えばいいのかわからないらしくて。
だから俺は、ADSLとかについて、
「ぼくはこういうつもりで、
こうこうこうなんですけど」
って事情を説明して、そしたら、
「ああ、じゃあこれでいいと思いますよ」。
・・・「思いますよ」って言われたので、
「思う」じゃ困るよと。 |
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(笑) |
| 糸井 |
もう一回工事するの嫌だから、
それは、朝、寝たばっかりの時に
電話がかかってきたんだけど。
それでいいんですよね、と言って、
そのあと、また眠って。
そしたらまた電話があって、
もう俺は寝ちゃってたんだけど、
かみさんが出た。
それで、
「あんたー。
『何とかかんとかっていうのが
はまったままじゃないでしょうか』
って言うんだけど、わかんないから」
「えー? 何とかかんとか?」
俺、それで起きて。
ほら、あの、何かあるじゃない?
・・・インバーター、だっけ?
(※編集部注:この時点ですでに忘れてた)
ともかく、あんのよ。
・・・何かに何かがささってたので、
それを外して、って言うから、
「はい!」ってはずしたの。
そしたら、
「オッケーでーす」
っていうことになって。
で、あとはそれが完了しました、
というメールを、
ADSLの会社にお知らせすんの。こっちから。
そのあとは、
「いよいよ工事ですね」と。
「今までは、外からの工事でよかったけど、
今度の工事は、俺ら、行くからさー」
というメールが届いた。 |
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(笑)「行くからさー」? |
| 糸井 |
サイトのほうの書式に
書き込む方法になっていて。
いろんなものを選べるのよ。
今日(月曜)の3時4時のどこかで、
という日程で工事を選んだんだけど。
でも、俺のいないままに、
「あんた」って言うような人が家にいて、
「何だか知らないけど、
心配なので、帰っちゃったよ」
って言われると、嫌なので(笑)。
今日は朝早くからの仕事が終わったあと、
「もう、うち帰るわ。
今日はこれに賭けるよ」
と、うちに帰ったの。
そしたら、黒いスーツを着た、
ふつうの理科系っぽい人がいて。
なかなかナイスな人だったんだけど。 |
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(笑)理科系。 |
| 糸井 |
そしたらさー。
「これ、電話、もとのところは、
どこから、来ていますかねえ?」
って、なかなかスゴイ質問をすんのよ。
電話、あるじゃん。
線、ついてるじゃん。
もとは、そこでしょ?
そこに決まってるとこっちは思うのに、
まだ「もと」があるのか・・・深い。
「うーん。
・・・このままだと、
ちょっと、できないんすよねえ。
もとがわかれば、ウチから、
今日つながると思うんすけど。
ここがアレだと、ちょっと、
今日は、できないんですよねえ・・・」
ドキドキ。
で、いろいろ話しあっていたら、
「これはこうなってこうなって、
だから、つまりこういうことなんだ」
みたいなのが、わかって。
で、工事をしてくれて。
ルーターとか、バンバンはずしていって。
「じゃ。あとは、つなぐだけですね?」
というところで、もう、その人、
帰っていいような雰囲気になったの。
・・・あ、工事の人、
『塩ちゃん』って言うんだけど。 |
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(笑)名前まで覚えてるんだ。『塩ちゃん』。 |
| 糸井 |
でも、そこで、
「あ、これって、どうなるか、見たいよね?」
「それは今、テストで、やりますから」
で、その『塩ちゃん』のパソコンで、
「このように速い」というのを見せてくれたの。
「じゃあ、これでちょっと試してみよっか?」
って、かみさんのパソコンでやってみたら、
設定も向こうがしてくれるじゃない?
わあ、速い、と。
「俺(darling)のPCも、やろうかな?」
とか言ってみたりして。
「メールの設定も、変えようかなー。
それは、こうやってこうやって、
こういうふうにすれば、いいのかな?
・・・あ、俺がやってもいいんだけど」
「あ、それは簡単にできます」
「へー。簡単なんだ。だったら、
やっちゃっても、いいよねえ?
・・・あ、このあと、時間は?」
とか(笑)。
「はい。これで終わりですから、大丈夫です」
「あ、そうだ、お茶出すよ、お茶」とか。 |
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(笑) |
| 糸井 |
俺、すっかり、
「おかみさんモード」入ってて。
お茶出したりなんかして。
メールの設定までぜんぶしてもらって、
まあ、うまくいったと。
・・・何にも考えないで、
つなぎっぱなしでいいっていうのは、
やっぱり、うれしいよね。
メールが、バババババ!
トントントントントン!!って来る。
しかももう、
電話代3万円の世界は、ないわけで。
で、最後に工事をした印のサインをして、
「イトイさん、あの、ぼくにもサインを」
って言われたから、その『塩ちゃん』にも、
「ほぼ日」のおさるの絵を描いて。
「ありがとうございます、またね」って。
それで、めでたしめでたし、と。 |