ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第84回 カンボジアでASEANが開催。


みなさん、こんにちは。

おとといからはじまった
ASEANの開催国であるカンボジアから、
「いま、緊張感があるんですよ‥‥」
というメールが届いているので、まずご紹介いたします!







・カンボジアに住んでいます。
 こちらカンボジアでは、
 ASEAN+日中韓首脳会議が開催しましたが、
 日本では、どれくらい話題になっているのでしょうか?
 プノンペンは、道路を綺麗にしたり、
 新しく信号を設置したり、
 それなりに緊張感がただよっています。

 4日からは、VIPが通る道は通行止め、
 宿泊に使われるホテル周辺も通行止め、
 ホテルの近くにあるマーケットは閉鎖になりました。
 そのあたりでの屋台も全面撤去、
 撤去しない屋台で働くなら、
 カンボジアの伝統衣装を着ること
 (※日本なら「コンビニ店員は着物を着てね」の感じ?)
 官公庁と学校は渋滞を起こさないように休み、
 (普段のプノンペンの交通状況ったら、
  「逆行・信号無視なんて当たり前」ですからね)
 ということで、普通の生活は送れそうにありません。
 VIPが通る道は通行止めって、例えば
 東京だったら、いろいろ抜け道がありそうですけど
 プノンペンは、これで市内の
 主要道路5〜6本ばかりが通行止めになってしまうわけで
 隣近所だったら行けるかもしれないけど、
 行きたいオフィスや学校や店には
 絶対たどりつけないぞ!という状況ですもん。
 食料品はきっちり冷蔵庫につめて、ろう城覚悟です。

 テロの恐れもあります。
 「現カンボジア政権にダメージを負わせてやろう!」
 と思っている反政府の人間が、
 イスラム原理主義者のフリをしてする
 テロがあるのでは?という噂もあります。
 この前、地雷処理をする機関から、
 12トンものプラスティック爆弾が紛失?
 って話もありましたし。
 やっぱり外には出ずろう城してたほうがよさそうです。
 (Mari)






「官庁や学校が休みになるぐらい」というところで、
すごい大きな出来事なんだなぁ、と思いました。
リアルなメールを、どうもありがとうございます。

次は、2通、まとめてお送りいたします。
どれも、「ニュース」というよりは、
「ご近所」に重心を置いたおたよりです。
松井選手のアメリカ行きのニュースを聞いて、
「それを、いっしょにワイワイ話す人」
といったようなことについて‥‥。







・主人が肝臓癌で、
 勝手に天国に行ってしまってから、
 まだ一ヶ月もたっていません。
 いろいろいそがしくて、
 あまり悲しんでいる暇もなかったのですが、
 今朝のテレビで巨人の松井選手が
 FA宣言をしたというニュースを見たとき、
 巨人ファンだった主人に、
 「やっぱりそうだったね」と言っても
 返事がなかった時、悲しみがこみあげてきました。
 なんでもかんでも話す夫婦だったので、
 こんな大きなニュースを話しあう人がいない寂しさに、
 愕然としてしまいました。
 30年も一緒にいたんだから当然でしょうけど‥‥。
 (匿名希望)



・darlingの「多忙は怠惰の隠れみのである」を読んで、
 なるほどなと感じました。
 必要があって、ホロコースト博物館について
 調べたときも、しみじみそう思いました。
 ご存じだとは思いますが、やっぱり、すごいです、
 あの人間焼却工場の完成度と、
 できあがった工場を維持していく人的なシステムは。
 さぞや、忙しかったと思います。
 アウシュビッツやトレブリンカの設計者、
 建築した人、それを維持した人、看守etc…。
 ナマケモノじゃあ、あれはできません。
 専門的な知識だって、
 かなり必要だったんじゃないでしょうか。
 日々、充実していたでしょうね。
 悲惨なことも、
 「ちょっと可哀想に感じるけれど、
  それは女子どものように、
  感情に流されていることなのだ。
  そこをのりこえるのが大義のためには必要なのだ」
 というヒロイズムに変換されたことでしょう。
 1日の仕事が終わったあとのビールは、
 うまかったかもしれません。
 その仕事っていうのは、
 「人間を焼くこと」だったのですが。
 私がユダヤ人だったら、この完璧に近い虐殺システムから
 要領よく逃れることはまず無理だったと思います。
 単純に今生きていられて、こうして
 メールをのんきにうっていられるのも
 不景気とはいえ裕福な2002年の日本にいることも、
 単なる運の問題なのだよなあ‥‥と思いました。
 そういえば、シエラレオネ(アフリカの国)の
 健康平均余命、つまり健康に生きていられる寿命は、
 2002年現在で、29才そこそこだそうですね。
 日本だと、76才が平均寿命。
 私は今でさえ、シエラレオネなら長老です。
 別にシエラレオネの人より
 努力したわけでもえらいわけでもなく、
 単に現代の日本にうまれただけなのですが。
 (h)






自分にとってうれしいニュースを見た時に、
それを話す人がいない、というメールにホロリとしました。
「アウシュビッツの人たちは、多忙だったでしょうね」
というメールも、「そうだろうなぁ‥‥」と思います。
メメントモリ、みたいなおたよりを2通紹介いたしました。

では、次回のこのコーナーで、またお会いしましょう。


さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、ぜひどうぞー!!!

2002-11-06-TUE

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