ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第70回 世界一のジョークのご近所。


先週末の海外ミニニュースとして、
「投票により、世界一のジョークが決定!」
というものがありました。「ほぼ日」のdarlingが、
「”米ニュージャージー州のハンター2人が狩りに出た。
  1人が木から落ちてしまった。
  仰天した連れのハンターが携帯電話で
  『息がない』と緊急通報した。
  救急隊のオペレーターが
  『落ち着いて。大丈夫。
   まず死んでるのか確かめなさい』と声をかける。
  一瞬の静寂後、オペレーターの耳に1発の銃声。
  続いて、『死んでる。これからどうしたらいいの?』
  というハンターの声が響いた。”
 お、おも  しろ・・・・・・・・い   か?
 これが世界一おもしろいジョークなんだとしたら、
 日本人は、いや、ワタシは、
 永遠に国際化できないと思った」
と、10月5日の「今日のダーリン」で触れたことを、
覚えているかたも、いらっしゃるかもしれません。

その「世界一のジョーク」に対して、
さまざまな土地の人からメールが届きましたので、
今日の「ニュースのご近所」は、その特集をいたします。

では、さっそく、メールをご紹介します。
代表的なメールを、4通、選びました!







・世界一のジョークの件、
 日本語に翻訳してしまうとつまらないですが、
 原文はそれなりに面白いと感じます。
 ポイントは、make sure … の
 語法にあるように思われます。 make sure … は、
 どちらかといえば相手が誤解もしくは
 勘違いをしていることを暗黙の前提にした言い方であり、
 相手に対して、もし勘違いだったら
 すぐに修正することを促す意味合いがあると思います。
 字面そのものは、「本当にそうか、よく確認しろ」
 という意味ですが、用法として広がっていき、
 「確認の結果、勘違いだったら修正しろ」
 という意味合いの方が強くなっている
 言いまわしだろうと思います。
 問題のジョークですが、オペレーターが、
 「大丈夫です、落ち着いて。
  私の言う通りにして下さい。先ず第一に、…」
 というムードの中で make sure … と言ったものだから、
 男の方はつい、
 「オッといけない、未だ死んじゃなかった!」
 とばかりにバーンと仕留めて、「OKです、次は?」と
 反応したのが馬鹿げていて面白い、
 ということかと思います。
 オペレーターは字面通りの意味で
 Let’s make sure … と言ったつもりなのでしょうが、
 男の方が条件反射的に動いてしまったというオチ。
 このジョークが国際的(?)に受けるとしたら、
 その背景として、アメリカ社会における
 極端なマニュアル指向や、相手のレベルを無視しての
 step-by-step による強制誘導(?)の発想に対する
 反感といったものもあるのではないかという気もします。
 いずれにせよこのジョークは
 言語依存の要素が大き過ぎるので、
 本当の意味での世界一の資格は
 ないように感じます。
 以下の第2位の方がよほど国際的だろうと思います。
 ”シャーロックホームズとワトソン博士が
  キャンプに出かけた。
  星空の下にテントを張って眠りにつく。
  真夜中になってホームズがワトソンを起こして言った。
  「ワトソン、この満天の星、君はどう思う?」
  ワトソン博士が、「ものすごい数の星だね、
  この中にはきっと地球と似たような惑星もあって、
  恐らく何らかの生命もあるに違いないだろうね」
  と答えると、ホームズは言った。
  「バカだね、ワトソン。テントが盗まれたんだよ!」”
 以前2年半ほどのロンドン駐在の経験から、
 外国語を通しての相互理解の限界について
 ずっと気になっていることもあり、
 ついメールしてしまいました。
 (48歳-会社員-男性)



・アメリカに住んで7年になろうとしています。
 今日のダーリンを読んで、とても共感しました。
 全然面白いと思えないのに、
 周りのアメリカ人がゲラゲラうけているときは
 孤独を感じます。
 例えば、こちらは人種や偏見についての
 ジョークがたくさんあって、
 特に男の人の間では
 ブロンドジョークというのを聞きます。
 (ブロンドの人はセックス好き?という偏見がある)
 「ブロンドがよく輪っかのピアスをしているのは何故?」
 「セックスの時両足を引っ掛けるため」
 等というジョークでアメリカ人は皆大笑い。
 別に皆下品な人というわけではないのですが・・・。
 あと、皆良くアメリカンジョークを
 メールで転送しあっているのですが、
 それも人種偏見に基づいたものが多くて、
 面白くないを通り越し、悲しくなる時があります。
 「ある街で、パン屋がある日パンを
  無料で配ることにした。その日の朝、
  パン屋の前には、感謝の気持ちのバラが
  10本置いてあった(街の人から)。
  肉屋も次の日肉を無料で配ることにした。
  その日の朝、肉屋の前にも、感謝の気持ちのバラが
  10本置いてあった。床屋もその次の日
  無料で髪を切ってあげることにした。
  その日の朝、床屋の前には、
  中国人が10人並んでいた」
 というものが仲良くしていた元ルームメートから
 「面白いでしょー」と送られてきた時には
 悲しい気持ちになりました。
 というのも、彼女は日系人だったからです。
 日系人が中国系アメリカ人を笑いの対象に
 しているということが悲しかったのです。

 でも、アメリカ人やイギリス人で感心するのは、
 上記のようなストーリー形式のジョークは
 全然面白くないのですが、会話の中に
 ちょっと挟むジョークが結構面白いんです。
 小さい時からちょっとした冗談も含めて
 教育されているという感じ。
 そこは、いつも用事だけをいう会話で
 精一杯の私にはとっても羨ましいところです。
 (ロス在住)



・わたしも、世界一のジョークのニュースを見ました!
 ・・・・???面白いか??
 私は、「一応」英語は話す日本人です。
 しかし、期待して読んだあの冗談・・・
 ちーっともおもしろくなかったんです。
 それで、最近イギリス人と結婚した
 友人にメイルしました。
 「これ、ダンナどう思うか、ちょっと
  英語で読んでもらって反応教えて!」と。
 そして、彼女から電話がすぐにかかってきました。
 ・・・メイルでなく。
 「知ってるよーあの世界一のジョーク!
  こないだ、会社から仕事中に電話してきたもん、あの人。
  しかも、笑いながらー」・・・彼女は電話で
  その場で「英語で」教えられたそうです。
  あの世界一ジョークを。
 もちろん、日本人の彼女は
 「????????」だったそうです。
 しかし、ふだん温厚&感情だしすぎないダンナが
 仕事先の電話で、笑いが止まらないとは。
 友人のダンナが
 「面白いと思わないのか?
  あの言葉のあやだよ。MAKE SUREっていう!」
 と聞いても、私と友人は、
 「全然おもしろくないよねー!」と。
 でも普段そこまで笑わない
 あのイギリス人のダンナが笑っていたと聞くと、
 相当面白いに違いないと思いました。
 (香港在住・かな)



・スイスに住んでるみちえと申します。
 今日のダーリンで「世界一おもしろいジョーク」に
 ついて触れられていましたよね。
 昨晩のドイツのハラルド・シュミット・ショーでも
 話題になっていましたので、そこでのドイツ人の
 反応をお伝えしようと思ってメールしてます。

 http://www.sat1.de/haraldschmidt/
 ドイツの人気タレントでショーマスターである
 ハラルド・シュミット氏がスイスの新聞記事から
 このジョークを読んだわけですが
 (まず、ジョークを解しそうにない
  「スイス」の新聞から拾ったことで、会場は爆笑)
 「一発の銃声」のくだりで、
 会場からはちらほら笑い声が起こり、
 最後のオチで爆笑となりました。
 この番組の放送時間が遅いので、
 我が家では録画して翌日見るようにしてるのですが、
 先ほどビデオを見たばかりで、
 ほぼ日を開いたら、ちょうどダーリンが
 同じことを話題にされてたので、びっくりしました。
 「しかし、ほんとに日本以外の世界の人よ、
  これ、おもしろいか・・・?」
 とダーリンが聞かれてるので、
 早速ビデオを巻き戻して、
 ドイツの反応を見直してみたわけです。
 ちなみに、私はハラルド・シュミットの
 早口のドイツ語についていけてなかったので、
 「今日のダーリン」で、
 あ、そういうジョークだったのか!と理解した次第。
 うちのダンナ(ドイツ人)も
 会場のドイツ人達と同じく笑ってました。

 この番組は辛口のジョークが連発する番組です。
 カーン様ネタもありました。
 カーン様の所属するFCバイエルン、
 最近調子が悪いようです。
 おととい(10月3日)がドイツの統一記念日で、
 2年がかりの修復を終えてブランデンブルク門が
 再びお披露目されたんですけど、
 そのことに関連して、
 「2年ぶりにブランデンブルク門が開いて広々したね。
  オリ・カーンのゴールと同じぐらいオープンだよね」
 ってなジョークでも会場の笑いを誘ってました。
 やっぱり日本語にすると通じないですよね。
 「門」と「ゴール」が
 同じ単語だからというのと、
 単語の持ついろんな意味というか
 ニュアンスが分かってこそですよね。
 ほんと、外国語でのジョークが一番難しいですっ。
 (みちえ)


 ※このあと、みちえさんからは、
  すぐに追伸メールをいただきました。
  それも掲載いたしますね。


 ・またまたでスミマセン! 今、ダンナに
  「ほぼ日にメールを書いた!」
  と伝えたところ、
  「あのジョークは腹かかえるほどは
   面白くないよ。 
   会場は笑って拍手してたけど、
   ハラルド・シュミットの後のコメントも
   かなり皮肉を込めたものだったよー」
  と、訂正命令を受けましたー。
  すみませーん。
  あのジョークに笑うドイツ人ですが、
  「これが世界一なの???」
  って思ってるというのが本当のところのようです。
  (みちえ)






アメリカ、香港、スイス・・・
さまざまな土地から、
「やっぱり、英語圏の人は、けっこうウケてるらしい」
との貴重なメールをいただきました。
どうもありがとうございました。
ホームズのテントのネタ、かわいくてイイですよね!

では、次回のこのコーナーで、またお会いしましょう。


さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、どうぞーー!!

2002-10-09-WED

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