ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第6回 「わたしのアメリカ」など。


みなさん、こんにちは!
8月1日(木)の「ほぼ日」には、
「税金を投入して、できあがったばかりの
 うちの近所の温泉施設で、集団菌感染が起きました。
 まわりでは大騒ぎだし、どうしましょう」
というご近所メールが届きました。紹介いたしますね。







私の住んでいる市では、やっとできた温泉で
 レジオネラ菌の集団感染が発生して、
 いま大騒ぎです。

 感染または感染の疑いのある方は100人を超え、
 不幸にも二人も死亡された方が出ていて、
 昨日は警察が温泉と市役所を家宅捜索しました。
 この温泉は第三セクターが運営しているからです。
 
 7月のはじめにオープンしたばかりの
 ピカピカの新しい温泉で、
 一日千人ほどの利用があったそうで、
 人気があるゆえに保健所からの閉鎖の要請に
 すぐに対応しなかっ たのが
 被害を広げたという報道もあります。
 今は閉鎖されていますが、今後再オープ ンしても
 お客さんが入るかなぁとも考えますし、
 そうなると税金を投入して作ったば かりの
 この施設はどうなるのかなとか、

 誰が責任を取るのかなど、いろいろ考えてしまいます。

 28日の日曜日には、私の家の近くの内科医院が
 日曜当番医で開いていましたが、
 駐車場はあふれるほどの混雑ぶりで、
 皆さんレジオネラ菌に感染したのではないかと
 ずいぶん心配しているようです。

 私のお友達も、オープンそうそうに
 行ってきたといっていましたが、
 彼女は大丈夫 かなぁなどと心配な毎日です。
 (匿名希望)

 




一見、単純な集団感染ニュースですし、
全国紙では一日取り上げられて終わりかも知れませんが、
ご近所の人にとっては、
「税金を投入したこの施設は、どうなるのだろう?」
「オープンそうそう、人気があったのにねぇ」
などなどと、地域の娯楽がどうなるのかに関して、
当然、ずっと興味が続いていくんだなぁと思いました。

お次は、個人的な視点からの「アメリカ」。
2通、紹介させていただきますね。







アメリカに来てほぼ3年。
 今日ダメだしされました。会社から。
 正式採用前のインターンが終了した時点で
 「あなたを雇う事は出来ない」と言われたのです。

 ショックでした。
 そりゃあ私はなんでもかんでも
 てきぱきとこなせるタイプではないし
 英語だってまだまだです。
 接客業も自分の人生で初めての経験でした。
 でも 頑張ったのに! とか
 言うつもりはないんだけど・・・。

 人には向き不向きがあるとかいいますよね?
 私には接客業が向いていないだけの
 話かも知れません。
 でも仕事が出来る人ってきっと
 どんな職種の仕事についても
 「仕事が出来る人」なのではないかと。
 そして私のような人間はどこにいっても、
 なにをやっても出来ない人。
 で終わるのではないかと。
 でもこの世の中仕事が出来る人ばかりではないはず。
 そんな人はどうやって生き残っていけばいいの?
 いつまで経っても同じポジションで、
 同僚達からは あの人は仕事が出来ないなどと
 言われつづけるのでしょうか?

 アメリカでの職探しは私の中に苦い思い出と
 こんな疑問を残して終わりました。
 今は自分の全部を否定されたような気持ちで
 いっぱいだけど、
 もう少し時が経ったら大丈夫だと思います。

 ふー・・・それにしても お客全員アメリカ人、
 同僚全員アメリカ人の中で働くのは大変だったー
 よくやったぞ自分・・・。
 (くり)



私は只今ボストンに住んでいます。
 ボストン美術館が好きで頻繁に行くのですが、

 ボストン美術館では夏の間、
 毎週水曜日はfamily nightと言って
 夕方から美術館全体を使って
 色々なところで催し物をしています。
 美術品のスケッチ大会だったり
 庭でコンサートだったりとその週によって
 場所とやる事が色々です。
 この間行った時はヨーロッパの油絵の部屋で
 大きなアフリカンドラムでじゃんじゃか演奏して
 うるさいったらこの上ないくらいでした。

 今日はアメリカってすごい、
 って思える事がありました。
 前回に行った時もやっていた催し物と同じ
 幾つかの絵画を取り上げて二人くらいの
 役者さんがその絵について子供達に説明したり
 子供からその絵について意見を聞いたりする
 催し物がありました。
 例えば、一人の人が
 『この絵の中の男の子は
  どうしてこんなに悲しそうなの???』
 と子供達に問い掛けて、
 そのイベントに参加している子供達が
 思い思いに色々答えると言った感じです。
 今日はそこに二人の男の人が加わっていました。
 そして、役者さんが喋っている横で
 手話でその話しを同時通訳しているのです。
 その催し物に参加しているのは十人足らずなのですが
 どうやらそこに一人耳の聞こえない男の子がいて
 一人の白人の男の人が役者さんの通訳
 そして、もう一人の黒人の男の人が
 男の子の言いたい事をみんなに口で通訳していたのです。
 役者さんの質問にわいわい口で答えている子供達に混ざって
 その男の子も元気そうに色々意見を述べていました。
 それを横で見ていて、なんだか素敵だなぁ
 と言う気になりました。

 きっとあの男の子にとっては
 自分の意見をオンタイムに伝える事というのは
 普通の人達を相手にでは難しいはずなのに
 世界でも有名な美術館でそれを
 その子にしてあげるだけの気持ちみたいなものが
 なんだか素敵だなぁと思いました。


 ここ数年アメリカに住んでいて
 良い所も悪い所も沢山見えて
 これから日本に帰るかアメリカにいてみるか
 色々考えている現在ですが
 世界中の沢山の人がアメリカに移民してくるだけの
 魅力はやっぱりあるんだなぁと
 なんとなく思った本日でした。


 ボストンに夏の間にお越しの際は
 水曜日の夜のボストン美術館、
 family night がお薦めです。
 (の)

 




最初の1通は、
アメリカで働くという状況の一端が、こういう
個人的な経験によく表れているなぁとも思いました。
「ふー・・・よくやったぞ自分・・・」には、
なんか、じーんとしましたよ。

後半のほうは、
いろいろ表も裏も見たけれど、
こんな風だから、アメリカが好き、
という、こちらもご近所ならではのメールで、
いいなぁ、と思いました。

最後の1通。
「ワールドカップの試合があった札幌で、
 考えてみたら、わたし、早朝の電車に、
 GKカーンさんとふたりっきりだったんだよ」
なんて人も、いたんですよ。
ほんとかどうか、というよりも、
早朝のできごとの後に驚いた感覚がおもしろいので、
そのまま、紹介いたしますね。







・北海道札幌市に住んでおります。
 そう、札幌は過日行なわれた
 サッカーワールドカップ開催都市。
 私はカーン様と衝撃的な出会いをしました。
 がしかし、誰も信じてくれません。

 なので、ここに書かせて頂きます。
  聞いてください、その信じてくれない事実を…。
 私は、毎朝6時の列車に乗って通勤しています。
 札幌での朝6時の列車というと、
 乗客はぽつりぽつりとしかいなくて、
 優々と乗れて、それは清清しいのですよ。
 早起きは三文の得です。

 5月中頃、私はいつもどおり朝6時の列車に乗り、
 乗客もほどんどいない状態でしたが、
 なぜかその時はたまたま
 出口付近のデッキに立って乗りました。
 すると乗った次のK駅で、沢山の荷物を抱えた
 黒いジャージ姿のドイツ人らしき
 外人が一人乗りこんできて、
 その外人は、私の真ん前に立ちました。
 デッキには私と外人の二人だけ。


 その外人は乗るや否や、ガラス窓に両手を当て、
 何か精神統一でもしているかのような体制で、
 私の側で立っているのです。
 恐る恐る顔を見ると、それはそれは
 インパクトのある忘れられない顔でした。
 そして私はK駅から2つ後の駅で下車しました。

 それから数日後、職場にある新聞を見てみると、
 先日見かけた外人が一面に載っているじゃありませんか!
 そう、あのカーン様だったのです。
 その新聞を見て、ドイツ選手が来札すること、
 その外人がカーンという名前だったことを
 知った程、サッカーに疎い私でした。

 この話を早速家族、友人にすると、
 「あの世界のカーンが、列車に乗って
  移動するわけがないじゃないか!」
 「それは絶対違う、見間違いだ」
 「何でK駅から乗ってくるわけ?おかしいよ」
 と言われ、誰も信じてくれませんでした。

 でも、あのオーラ、
 あの容姿、絶対カーン様なんです。
 あるドキュメンタリーでカーン様は
 そこ知れぬ努力家と聞きました。
 思うに、一人で練習に奮していたのではないかと
 私は思うのです。
 それにしてもK駅付近のどこで
 練習をしていたのでしょうか…。
 (yuma)

 




おぉぉ!
5月中旬のできごと。
その早朝のあとの心の動きが、おもしろかったです。

「こんな感じで、住んでるよ」
というご近所メッセージは、なんかうれしいんですよね。
ほかの都市のかたがたも、ぜひぜひ送ってみてください。

さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、どうぞーー!!

2002-08-02-FRI

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