18/52 バリ
深夜に変貌するバリの祭


インドネシア・バリ島では
太陽暦の他にいくつかの暦が使われているが、
伝統行事については
そのなかのひとつ「ウク暦」にのっとって
行なわれている。

ウク暦の1年は、210日。

そして、210日に1度の割合で
執り行なわれるのが
ガルンガン、クニンガンという伝統祭だ。

この祭の期間だけは
観光用にショーアップされたものではなく、
バリの「本気の祭」が行なわれる。

祭じたいは、日暮れどきから始まるのだが、
聖獣バロンと魔女ランダによる、
観るものをトランス状態に陥れてしまう
「本気モード」は
夜も更け、ほとんどの観光客が帰ったあと、
深夜からはじまった。

そこで見た光景は‥‥お伝えしたとおり。

ちなみに「本気モード」に至るまでの祭では
おたふくみたいな仮面をつけた人と
ひょうきんな人とが
掛け合い漫才のようなことをしたりしていた。

はじめは、現地の子どもたちなんかも
ワーッとか笑ってるんだけど、
1時間ぐらい経つと
みんな「フン」みたいな感じになる。

一般の観光客も、その時点で帰途につく。

深夜までねばってよかった‥‥。

冒険する写真家は、しみじみ、そう語った。