6/52 イースター島
見えない大陸
英称「イースター島」にあたる現地語「ラパ・ヌイ」は
ポリネシア語で「広い大地」を意味する。
そして、
ハワイ、ニュージーランド、ラパ・ヌイを結んでできる
太平洋上の広大な三角形は
「ポリネシアン・トライアングル」と呼ばれ、
その海域内は「ポリネシア文化圏」を形成している。
ラパ・ヌイが「絶海の孤島」と呼ばれることからも
想像できるように、
ポリネシアン・トライアングル域内は、
基本的に「海」であるが、
同じような言葉と文化を有しているため、
この三角形を「見えない大陸」と名付けたのが
ノーベル文学賞を受賞した
ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレシオだった。
ポリネシアン・トライアングルに住む人々にとって
「海」とは、
「隔てるもの」ではなく「つなげるもの」なのである。



イースター島に立つモアイは、すべて島の内側を向いている。
石川直樹『CORONA』所収。