| 見えない大陸 |
| 英称「イースター島」にあたる現地語「ラパ・ヌイ」は ポリネシア語で「広い大地」を意味する。 そして、 ハワイ、ニュージーランド、ラパ・ヌイを結んでできる 太平洋上の広大な三角形は 「ポリネシアン・トライアングル」と呼ばれ、 その海域内は「ポリネシア文化圏」を形成している。 ラパ・ヌイが「絶海の孤島」と呼ばれることからも 想像できるように、 ポリネシアン・トライアングル域内は、 基本的に「海」であるが、 同じような言葉と文化を有しているため、 この三角形を「見えない大陸」と名付けたのが ノーベル文学賞を受賞した ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレシオだった。 ポリネシアン・トライアングルに住む人々にとって 「海」とは、 「隔てるもの」ではなく「つなげるもの」なのである。 ![]() イースター島に立つモアイは、すべて島の内側を向いている。 石川直樹『CORONA』所収。 |