旅する生茶。
全国7カ所に(じかに)
プレゼントしに行きます!

「とめきち配達日記」(11)
旅する生茶 〜松山篇〜


「旅する生茶」もゴールが近づいてきました。
今回は飛行機とはいえ、久々に生茶2ケース配達です。
25キロです! 小学2年生を負ぶってるようなもんです。
機内で生茶のケースが、通路をふさいでいます。
もうしわけないけど、しかたない……。
それを見かねた細身のスチュワーデスさんが、
「よろしかったら、こちらでお預かりしましょうか?」
と、やさしく声をかけてくれました。
「重いですよ……これ」
「大丈夫です! ……ハッ!」
いつでもニッコリスマイルのスチュワーデスさん。
生茶のケースを持つときに、
一瞬顔がシリアスになりました。劇画だ。
ハッ! と、気合の小声が聞こえました。

愛媛県の上空にさしかかり、窓から下を覗くと
なにやらうろこ状に見える山が広がってます。
うろこの正体は、みかん栽培の段々畑です。
午後2時、松山空港に着陸。
当選者の櫂谷(カイタニ)さんが
歓迎ボードを掲げてお出迎えですよ!
うれしいですよ!
しかし歓迎ボードに“元底抜けAir-Line”とか、
僕の遠い過去の経歴は書かなくても……。


生茶2ケースを目の当たりにして、
カイタニさんが、すぐに
空港出口に車をつけてくれました。
「あ! 楽しちゃダメなんでしたっけ?」
「いえ、楽させてください」
2人乗りのスポーツカーに、
生茶2ケースをむりやり積ませてもらいました。



松山の景色……、
煙をモクモク吐く煙突がたーくさん見えます。
「製紙工場ですね。
 もう、パルプの臭いがプンプンしますよ」
「パルプの臭いってどんなですか?」
「のり。事務用品の」
「う〜ん……微妙ですね」
車内には留吉の好きな曲が流れてました。
「カイタニさん、ユニコーン好きなんですか?」
「ラジオです」
「…………」

車中、天然ボケのなすりあいの末、
留吉のために格安旅行パックを
“特別に”ご用意してくださった
「フジトラベルサービス」のオフィスに行きました。
東京から松山に来て、1泊交通費込みで、1万円ですよ!
ありがとうございます。旅の経費節約になります。
カイタニさんの会社の乗松さんが合流しました。
ひょいっと、生茶ケースを運びます。



「ほんとに女?」
「ははは、これぐらい平気ですよ!」
「四国の女は強い!」
平日ですから当然会社内は大忙しです。
「フジトラベルサービス」は、
愛媛県を中心に中国四国地方に
23店舗をかまえる大手旅行会社です。
ホームページのアドレスは
http://www.fj-t.com/ です。
そして、藤田さんという方が、
旅の経費節約のために、プランを立ててくれました。

「1万円という値段は今回だけの特別価格なんですが、
 旅の内容自体は、ウチから新発売する旅行パック、
 “ビジネスマンいやしプラン”と同じですよ」
「イヤらしプラン? エロパックですか?」
「違います! 癒しプランでして、
 ビジネスマンが1人でも
 道後温泉を満喫できるというプランです」
「じゃあ、僕が第1号ですね!」

その他にも、社交ダンスツアーや
合コンツアー(カイタニさん大喜び)、
その土地の人が旅の案内をしてくれるツアーなど、
人とのつながりをテーマにしたツアープランを
考えているんだそうです。
さ、それでは、生茶をどーぞ!
東京から運んできたんですよ。
フジトラベルサービスの社員さんと生茶を飲みました。
ほぼ日を読者の方もけっこういるそうです。



今回は、配達先が2軒なんです。
もう1軒……カイタニさんが勤める
「アクシス」という会社に行きました。
企業のホームページ制作や、チラシなどの広告、
CGなどを制作してるそうです。
ホームページのアドレスは
http://www.e-press.co.jp/ です。
みなさんパソコンに向かって黙々と仕事してます。
ネズアナっぽい。
ここでも、ほぼ日ファンの方が多かった!
「糸井さんって、言葉だけで
 あれだけ伝えられるなんてすごいですね!
 実は我々もいろいろ参考にさせてもらってます」
 


カイタニさんの職場に、福井で買ってきたおみやげ、
越前かにの風鈴を置いてきました。
さっそく飾ってもらったんだけど、
窓が閉めきってあります。
無風だと風鈴の意味が……。
「たまにぶつかって、鳴らしますから……」
「それじゃ、風情がないっスよ」
風鈴のとなりには、
なぜか車のドアミラーがぶらさがってました。
意味不明です。



さあ、今から、生茶ジャンパー争奪戦が始まりますよ〜。
留吉企画、タイピング早打ち大会!
そばに落ちてた“中華料理のメニュー30品目”を
だれがいちばん早く打ち込めるかを競います。
誤字脱字は一切だめです、失格です。
スタート!
社員のみなさんが一斉に打ち始めました。
「カタカタカタカタ……」
すごい音が聞こえてきます。土砂降りのようだ。
みなさん真剣なカオで、「中華丼」だとか
「五目あんかけソバ」とか打ってます。
さっそく終わった人がいます、
たった6分で打ち終えた、向井さんが1番です!
さすが職業柄でしょうか?
ものぉすごくはやいですっ。
留吉だったら30分はかかるでしょう……。

みなさんが次々に打ち終えていきます。
では、終わった人から答え合わせをしましょう。
「ソパ」??? 正解は「ソバ」です。
そんな感じで次々と脱落していくではないですか。
「うわーっ、固まった!!」
途中でフリーズしてしまうさえない人も……。
で、優勝は……
タイピングのスピードではいちばん遅かった
得能さんが、タイプミスなしで、大逆転しました。
なーんだ、早さよりも、丁寧さだね。
お約束どおり賞品は、生茶ジャンパーです。
留吉のサインとニセ糸井重里サインをして、
さしあげました。よかった。よかった。



その後「アクシス」の皆さんと
生茶を美味しく頂きました。
で、夕ご飯は、松山に繰り出すことになりました。
先に生茶を配達した「フジトラベルサービス」から
藤田さん、菊田さん、井上さんが合流。
「アクシス」からは、カイタニさんをはじめ
乗松さん、中村さんが参加して、僕を入れて7人。
目指すは「浜よし」という店。
「焼酎は、しょっちゅう飲むで〜!」
「…………」
フジトラベル菊田さんのダジャレ攻撃にたじたじです。
後から、フジトラベルの新入社員
田中さんも駆け付けました。



「あの……留吉まめツアーやろうよ、千葉でさあ!」
「あ、千葉といえばピーナッツ狩りですね。
 でも、炒らないと……生のまんまじゃねぇ。
 そのまま食えませんよ」
「いや、やろう!」
まめツアーの実現、
期待してますよ、フジトラベルさん!
「松山に来たときは、いつでもおいでな〜!」
さて、今夜は酔いつぶれるわけにはいきません。
なんたって、ちゃんと温泉宿を
予約してもらったんですから。



みなさんとお別れして、
僕は、「宝荘」という温泉宿を探しました。
またこの旅館がぜいたくなんですよぉ。
10畳はあるかな〜、という広めの和室を
留吉ひとりで使っていいんですよ。
10畳に布団がポツンとひとつ。



やっぱ、ちょっとさびしいかも。
窓の外は、道後温泉の街明かりでピカピカです。
旅の途中で、車で仮眠したり、
原稿書きで徹夜になってしまったりして、
けっこうヘロヘロだったのでしょう、
フカフカの布団に入るやいなや、爆睡していました。



朝起きると、仲居さんが布団を片付けてくれて
部屋で朝食の仕度までしてくれました。
もう、感激です(うるうる)。
この旅がスタートして以来、
初めて落ち着いてまともな朝食を食べましたよ。
朝食のあとは露天風呂にドボン。
平日の午前中です、露天風呂をひとり占めですよ。
平泳ぎしました。



今回の旅は心も身体もリラックスできました。
やっぱり宿でしっかり寝ると、いいですね。
今までは、旅で行く先行く先の人に、
「豆屋さん、目の下のくまがすごいですよ」
と、言われてきましたからね。
でも、道後温泉と宿のおかげで、
目の下がみかん色です!!
(つまり、絶好調)。
昔ながらの道後温泉の街をボーッと見ながら、
僕は松山を後にしました。




『緊急!』留吉情報
ここ1カ月、「旅する生茶」の旅や原稿書きで、
部屋を空けることが多かった留吉家では、
とんでもないことが起きていました。
なんとウチで飼っていた、
オス、メス2匹の猫がゴールインしてました。
「去勢しとくべきだった……」
生まれたんですよ! 7月1日に、4匹も!
どーすりゃいいんだ、僕は。
ということで、里親募集です!
留吉が(自腹で)生猫お届けします。
ベージュ&茶&白の小猫が2匹。
真っ白の小猫が2匹です。
まだ目は開いてません。
ご希望の方は、氏名、住所、電話番号を書いて
メールの件名を「ネコの里親」として
postman@1101.com にメールをください。

豆屋留吉


松山のおみやげ
「愛媛のまじめなみかんの湯」
まじめなって、なんでしょう?
不まじめバージョンとかあるんですかね?
みかん風呂、イイですね!
愛媛を肌で味わってください。

糸井さんへの旅みやげは温泉の「のれん」。
これを部屋の入り口に掛けると、
間違って誰かが風呂桶かかえて、
はだかで入ってくるかも……。



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松山でお世話になった
櫂谷千花子さんからのメール


豆屋留吉様

先日はとおく四国・松山まで生茶を運んでいただき、
ありがとうございました。
飛行場で2ケースの生茶をもった
生茶ジャンパー姿の豆さんを見たときの感動を忘れません。
(私、駆け寄ったと思います)。

いやらしプラン&いやらし宴会(?)の感想
レポートで期待しています。

今回のお届け先「フジトラベルサービス」さんは
まさに「旅」を扱っている会社です。
豆さんも言っていましたように、
「人との出会い」がとっても大切で、
他のどんな思い出よりも心に残ります。
ぜひ豆さん&フジトラさん&アクシスさんで
「心に残る旅」企画を実現させましょうね!

今回のようなドキドキ企画に当選して
得能さんには「運使いすぎ」と注意されました。
が、これかもどんどん「ほぼ日」を読んでメールして
参加して、スタッフ&darlingを少しだけ
近くに感じられたら嬉しいです。

では。ネッタレ活動、体に気をつけて
頑張ってください。マネージャー募集の際には
ぜひ一言お声をかけてください。(ダメ?)

櫂谷千花子


感想への感想
そうですね。
人との出会いは大切にしております。
のんびりさせていただきまして、
どうもありがとうございました!
マネージャーの件、ちょっと考えておきます。
豆屋留吉


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おこづかい帳
くりこし ¥221.870


6月26日(月)
午前 ¥700 高速料金所(永福)
午後 ¥280 マルボロ
   ¥4011 おむすび「忠兵衛」
6月27日(火)
午前 ¥9600 宿泊代(宝荘)
   ¥1680 のれん(道後温泉「ゆ」)
   ¥470 バス(道後温泉→松山空港)
   ¥1300 ビックコミックスピリッツ
        みかんの湯
   ¥430 マルボロライト
       ポンジュース
午後 ¥630 ポークカレー
   ¥5900 駐車料金
   ¥700 高速料金所(大井)

合計 ¥25.701
残り ¥196.169



2000-07-10-MON

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