旅する生茶。
全国7カ所に(じかに)
プレゼントしに行きます!

「とめきち配達日記」(10)
旅する生茶 〜福井篇〜


みなさん、こんにチワワ!
豆屋留吉です。
実は三重県への旅で出会った、
ひじき粉末工場の田中さんが、
家族で東京に来たついでに、
留吉に会いに来てくれまして、
「松阪牛の霜しぐれ」というおつまみをくれました。
留吉に何かを渡してくれるなんて、
郵便屋さんか宅配屋さんぐらいなのに、
うれしいですね!
この旅でのつながりは、
おみやげだけじゃなかったんですね。
旅での出会いは、捨てたもんじゃありません!

さて、6月23日(金)、行ってきましたよ!
福井県福井市、星槎国際高校で働く
田島昭美さんの元へ。
出発の夜、鼠穴の人々に見送られました。
(いつもは1人でトボトボなのに)。
実は今回の旅、初めて高速深夜バスに乗るんです。

夜11時半、福井に向かう高速バスは
東京のバスターミナルを出発しました。
深夜の高速バスって、スグに消灯するんですね。
ふだん朝まで起きてる留吉は、スグには寝つけません。
でも、他の席のみなさんはサナギみたいに寝てます。
カーテンが閉まってるので、景色も見られません。
ゴ−ッと、バスが走るエンジン音だけが聞こえます。



朝7時、福井バスターミナルに到着!
目覚めたら北陸だよ!
雨、ザーザー降ってます。
スグに田島照美さんが迎えにきてくれました。
会うなり、互いのお腹が鳴りました。
「グ〜〜」
「キュルッ……」
「……朝ごはんは?」
「まだです」



福井駅の立ち食いそばで、越前そばを食べました。
何がうまいって、そば自体がうまいんです。
星槎国際高校に着くと、ちょうど生徒が
登校してくる時間でした。
なかには片道2時間もかけて、
遠くから通学する生徒もいるそうです。



「田島さん、なんでそんなに時間かけてまで
 この高校に来るんですかね?
 もっと家から近いところに学校ないんすか?」
「ウチの学校は、
 学習障害児やその周辺の子たちなどのために
 開校している高校なんですよ」
「そうなんですか!」
「純粋で明るい子が多いんですよ!」

生徒は、1年生、2年生合わせて10名です。
みんな、明るく元気な声で僕にあいさつしてくれました。
職員室に案内されまして、
ちょうど先生方もそろっています。
近藤先生(理科、美術)、大鷲先生(社会)、
中島先生(数学)、高橋先生(国語)、
中川先生(英語、家庭科)。
あと、校長先生の済田さんです。



教職員は、校長先生を除くと、
なんとみなさん20代の方ばかりです。
僕はそのまま、朝礼と職員会議に参加しました。
「おはようございます! 生茶を配達しにきた
 豆屋留吉です。今日は何をやりましょうか?」
「午前中は生徒たちと一緒に授業を受けてもらいます」
「おお! 授業だなんて、8年ぶりです!」
「そして、午後からの授業では
 留吉さんが生徒になにかを教えてください」
「ええ? 僕ができることっていったら……、
 ケンカの止め方教えてもなあ……、
 何やるか考えておきます!」
 
1時間目は、1年生のクラスにまじって
英語の授業を受けました。いや〜、なつかしいよ〜。
授業のなかみは、英語で名刺交換をやってみよう
といった感じでした。
「名刺に自分の名前を、
 ローマ字の筆記体で書いて下さい」
筆記体!? むかーし、どこかで聞いたような……。
「先生、Tの大文字って、
 筆記体だとどう書くんでしたっけ?」
昔、英語の先生がイヤなヤツでさー、
留吉は英語が苦手なんです。
え、人のせいにするなって?



なんとか、イラストつきの名刺を作って、
クラスメイトと名刺を交換しました。
きっと、1日転校生の僕のために、
授業の内容を名刺交換にしてくれたんじゃないかなー、
なんて思いました。
今まで多くの人から、いろいろな名刺をもらいましたが、
ここの生徒の手作り名刺は、
うーん、なんと言ったらいいのかわからないけど、
あたたかく感じました。
筆記体と、手書きの絵。
ちょっと忘れられないです。

2時間目は、2年生のクラスで
世界地理の授業を受けました。
世界の大陸を覚える授業でした。
先生が地図を指します。
「豆屋さん、この大陸はなに大陸かわかりますか?」
「オセアニアです!
 ラグビーの強い国が多い地域です」
「そこまでは聞いてません!」
昔、地理の先生がイイ人だったんで、
僕は世界地理が得意なんです。
科目の先生がイイ人か、イヤなやつかで
得手不得手が、左右されてるみたいです。
え、人のせいにするなって?



わーい、お昼ご飯だ。
教室で、机を囲んで、みんなで生茶を飲みながら、
お弁当を食べました。
なんだかすごく懐かしい風景だなぁ。
今回、もしかして、すごく貴重な体験かも……。

さーて、いよいよ、留吉、人生で初めて
黒板の前に立って、授業です! 先生か?
3年B組豆八先生です!
まずは田島照美さんと一緒に、福井弁講座です。



「べとにばいをちっくりさす」
「え、わかりますか? 留吉にはわかりません……」
福井県民の生徒にも、わからないみたいです。
「答えは、“土に棒をぐさっと刺す”です」
次のはどうでしょう。
「うら、てきねぇんやけど、あんた、かたいけの?」
答えはこれ。
「私は、体の調子が悪いのですが、あなたは健康ですか?」
字を見ても、耳で聞いても分かりません。

続いて、留吉による熊本弁講座です。
「ぬしゃ、むしゃんよかね!」
「わかりますか? 留吉は日本人です(笑)」
生徒も先生も、首をかしげています。
「答えは、おまえカッコイイね! という意味です」

方言は年々、お年寄りしか使わなくなるようです。
これはどうしてなのか?
それは福井でも、熊本でも同じようです。



次に、留吉による“つっこみ”講座です。
1つめは、
相手がボケた時に、相手の胸めがけて瞬時に、
ポンと手の甲でたたくという、基本技です。
2つめは「べっとりつっこみ」。
相手のこめかみから、耳、首、肩、腕にかけて
手の甲で、ゆっくりなめるという、つっこみです。

お笑いが好きだと言う、生徒のまーちゃん。
まーちゃんを相手に“つっこみ”を実践すると、
教室内が、笑いの渦になりました。
おおー、僕がウケてるじゃないか!

最後は、生茶ジャンパーを賞品にして、
クラスのみんなでダジャレ大会をやりました。
「豆屋先生、ダジャレってなんですか?」
「ふとんが、ふっとんだ! ……こういうことです」
みんな、えんぴつをくわえて考えこんでます。
あ、いや、そんなマジにならなくても……。



みんなが考えたダジャレを集めて、発表です。
いちばん笑いが多かった人が勝ち。
みごと、生茶ジャンパーをゲットしたのが、
さとちゃんです!
星槎国際高校ナンバーワンのダジャレは、コレです。
「サッカーをやったんだ」
ダジャレじゃありません!
おもしろいです!
いちばん笑いをとったんです。
つまり、ダジャレについての留吉の説明が
非常にまずかったらしく、
本人は「〜〜〜んだ」という語尾になればいいと
思ったみたいです。
ふとんが、ふっとんだ! が例だったからな……。



それから、僕は、
将来はどんな仕事をしたいか、みんなに聞きました。
福祉、ファッション、花屋、ゲームデザイナー、漫画家。
将来のことを話すとき、生徒たちは、
ななめ45度上を向いて、目が輝いてます。
そういう表情が見られて、
留吉は、この高校で授業をやらせてもらって、
とても心地よかったです。
その流れで、先生方のやりたかった仕事も聞けて、
おもしろかったです。

授業の後、生徒たちと一緒に
教室のそうじをしました。
よく、ぞうきんを丸めて野球をやってたわ。
ほうきがバットね。
で、先生にゲンコツもらったことを思い出しました。



教室がきれいになると、
生徒たちは、バッグに教科書をつめて、
帰っていきます。
「みんな、気をつけてね! さようなら〜」
不思議と、母親気分です。
ふ〜、充実した1日だったよ……。
「豆屋さん、テストの採点してくれますか?」
「え? いいですけど、正解がわかりませんよ」
「(笑)解答は渡します」



留吉が先生の仕事を手伝ったので、
いつもより帰りの時間が早くなった先生方と、
福井の街にくりだしました。
生茶の旅、福井篇、第2部スタートです。
先生方と、焼き鳥屋で夕飯を済ませ、
居酒屋に行って、ずいぶんとお酒を飲んだとこまでは、
……記憶にあります。



日本酒「黒龍」にやられました。
なぜか、田島さんが酔っぱらって泣いてました。
後から聞いたところによると、
それからみんなでカラオケに行って、
留吉は福井のビジネスホテルに泊まったそうです。

翌日の午前中、せっかく福井に来た記念なんだからと、
二日酔いなのに、朝からソースかつ丼を食べました。
二日酔いの胃が、さらに、もたれました。
僕は、胃にやさしい生茶を飲みながら、
東京に帰りました。
そうだ! おしまいに、
生徒が育てている農園の作物の写真を見てください。
それでは〜。



豆屋留吉


福井のおみやげ
松山の人へのおみやげは、
“ふうりん”です。
カニの形をした粋なヤツです。
スグ、カニに目がいってしまいます。

糸井さんへの旅みやげ
Tシャツ
星槎国際高校の生徒さん手作りの、
コーヒー染めのTシャツです。
これを着てれば徹夜仕事もバッチリ!



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福井でお世話になった
田島照美さんからのメール


豆屋留吉様

私、田島昭美が応募したことがきっかけとなり、
福井県にある星槎国際高等学校・福井学習センターへ
「生茶」とともに、はるばる来てくだいまして、
ありがとうございました!!

生徒、先生方の感想を載せました。
1日の楽しかった様子や、感じた事などです。
「生茶」が縁でつながった留吉さんとの特別授業、
彼らにとって良い経験になったと思います。


<済田和夫 センター長>
6月23日には田舎町の福井、
わが福井学習センターに来て下さって
誠にありがとうございました。
様々な要素を持った生徒たちが、
まず友人を見つけ出して、
力強く生きていく事ができればと
若い人達に加わった一人です。
毎日が楽しく、色々な発見があります。

豆屋さんから、言葉の持つ面白み、
一語一語のもつ意味、日本語を大切にしたい、
そういうことを痛感しました。
福井へ来てくださって、
本当にありがとうございました。
豆屋さんから「若さ」と「エナジー」をもらいました。
また越前へどうぞ!


<生徒からの感想>
・留吉さんは、とてもおもしろい人でした。
 それから、生茶ありがとうございました。

・豆屋さんにいろいろと教えてもらったり、
 芸がおもしろかったです。

・ギャグ大会やったのがおもしろかったです。
 九州べんもおもしろかったです。
 また来てください。

・楽しかったさー。お茶うまかったさー。
 また来てほしいんだよー。
 絶対に来てほしいんだよー。
 
・午前の授業では、豆屋留吉さんは、
 いっしょに授業をしてありがとうございます。
 おもしろかったです。生茶おいしかったです。

・豆屋留吉さんと1日すごして、すっっごくすっっごく
 おもしろくてへんな人だーと、思いました。

・6月23日に豆屋留吉さんが学校にきて、
 ごはんをいっしょに食べたり、
 方言のつっこみを教えてもらったり
 ダジャレ大会をしました。
 ダジャレはあまりわからなかったです。
 しつ問もできたし、その日はとても楽しくすごせて
 よかったです。

・豆屋留吉さんと一緒に
 昼ごはんを食べられてよかったです。
 豆屋留吉さんと遊べて楽しかったです。
 豆屋留吉さんに会えてうれしかったです。
 豆屋留吉さんはおもしろかったです。

・豆屋留吉さんが6月23日に、
 キリン生茶のCMに、来ました。
 朝僕が学校につくと、もう留吉さんはついていました。
 お昼は留吉さんといろんなゲームをしたりしました。
 福井の方言をしていた時、いろいろ周った
 地域の方言を聞かせてくれた。
 僕は途中で抜けてしまったけど、
 まあまあおもしろい人だなぁと思いました。

・23日きてくれてとってもたのしかったです。
 いろんな話しをしてくれて、ありがとう。
 ダジャレ大会でジャンバーをもらったのでよかったです。
 ダジャレ大会とってもたのしかった。
 いろんなダジャレを考えていたら、
 いっぱい出てきたので、教えてあげようかと思います。
 「先生が先生をたべたんだ」
 「みんなが空にきえたんだ」
 「ケーキがきえてそらにいったんだ」
 「家が1人であるいてきえたんだ」
 「雨がきゅうに大きい家になったんだ」


<大鷲恵美子 教諭>
留吉さんが来てくれたおかげで、
生徒ひとりひとりにとって、これから何が必要なのか、
見つめ直すきっかけになったような気がします。

また、生徒の反応は様々で、
気を使わせてしまったかもしれませんが、
生徒の中には留吉さんとの思い出が
ちゃんと残っていると思うので、
機会があったらいつか、また彼らに会いに来て下さい。

「生茶」も夜飲んだ「お酒」も、
とてもおいしかったです。
楽しい時間をありがとうございました。

<高橋聖子 教諭>
午前の授業、必死で睡魔と闘う豆屋くん(生徒)の姿、
やけにおかしかったです。
確かに眠かったんでしょうね。
あんなスゴイ目の下のクマの持ち主見たの、
はじめてでした。
しかし、午後からの「笑いの授業」の
留吉さんの顔は真剣でした。
いろんな意味で刺激的でした。
夜は……言わずもがな楽しかった!!
プロのツッコミの洗礼と黒龍(福井の地酒)の
飲みすぎで、私はかなりはっちゃけてしまいましたが、
留吉さんのはっちゃけぶりもサイコーでした。
これから、私は留吉さんの質問された
「ここではたらく喜び」の答えを探しながら、
仕事していきたいと思います。
また、絶対飲みましょう。ぜひ!!

<中川朋己 教諭>
先日は、楽しい授業をしてくださって
ありがとうございました。
留吉さんには、この学校の様子や生徒たちは、
どのように映ったのでしょうか?
すごく個性的な生徒たちばかりですが、
みんな共通して楽しい生徒ばかりです。
私個人としては、留吉さんの授業は、
とても楽しかったのですが、
留吉さんは楽しかったですか?
また福井にお越しの際は、是非とも
星槎をのぞいてやってください。
お待ちしております。
その時までに、ダジャレのセンスを
磨いておきます。

<中嶋尚美 教諭>
出勤したときにはすでに学校にいた留吉さん。
そのときから始まった留吉さんとの甘い1日(?)。
学校では、いろいろ大変で、
「福井になんか来なきゃよかった」と、
思っているだろうな……と、心配でした。
そのうさばらしなのか、その後の飲み会は、
本当にまじで、ひっでもんに(福井弁)楽しかった。
あんな楽しいお酒ははじめてでした。
大人の夜を……ありがとう。
朝7:00 、バスターミナルで待ってます。

最後に、私、田島昭美より。
わが校は、5道府県に所在している
広域通信制高等学校です。
福井学習センターに通う生徒達には、
克服しなければならない個々の目標があり、
当日は、それが良くも悪くも出てしまった……、
そんな1日でした。
ですが、留吉さんの「笑いの授業」では、
わが校の教育理念にある
「面白い! 楽しい!」から得られる
「興味・関心」を方言・ツッコミ・ダジャレという
「言葉」を通して体験できました。
生徒はもちろんのこと、教員にとっても
楽しい1日でした。
それから、留吉くん、飲みすぎには注意しましょう。
お互いにね……。

星槎国際高等学校 HP
http://www.seisa.ed.jp

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おこづかい帳
くりこし ¥265.579


6月22日(木)
午後 ¥2080 タクシー(鼠穴→東京駅)
   ¥929  キリン一番絞り2本
        フライドチキン2本
   ¥8490 高速バスチケット(東京駅→福井駅)
   
6月23日(金)
午前 ¥290 越前玉子そば
   ¥120 ジュース
   ¥280 マルボロライト
午後 ¥7129 カラオケ代(ビッグエコー)
   ¥5900 ビジネスホテル宿泊代(エースイン福井)
   
6月24日(土)
午前 ¥120 ジュース
   ¥1100 風鈴(駅売店)
   ¥800 ソースかつ丼(軽食喫茶アゲイン)
   ¥13490 新幹線チケット
午後 ¥1770 タクシー(東京駅→鼠穴)
   ¥1211 豆ばんじゃん牛焼肉定食
        生茶
        マルボロライト2個(デイリーストア)

合計 ¥43.709
残り ¥221.870


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「旅する生茶」旅の予定

じゅういちばんめ(最後)の旅は
6月29日(木)岩手県

陸前高田市の高田高校に通う、
吉田向志くんに生茶を届けます!
ついに最終回!!
留吉、高校の球技祭に突入してまいります!
ビーバップハイスクールに出てくるような
ツッパリにカツアゲされるのか!?
おこづかい帳に記入か……。
体育館裏で告白されるかも!?
乞うご期待!!



2000-07-05-WED

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