NAGATA
怪録テレコマン!
hiromixの次に、
永田ソフトの時代が来るか来ないか?!

第17回 不思議な趣味を持つ女性に聞く

人の趣味というのは、ご存じのように千差万別なわけで、
僕もいろいろと変わった趣味を持つ人に会いました。
ですが、今回の主役である大塚さんの趣味を聞いたときは、
さすがに「は?」と聞き返してしまいました。

なんというか、
「その道の人はすごいねえ」とか、
「よくもこれだけ集めたねえ」とかじゃないんです。
何か、ものすごい情熱を込めているわけじゃないんです。
むしろ非常に日常的なんです。
だからこそ、「は?」ということになる。

大塚さんは、僕の同僚である大塚の奥さん。
最近入籍を済ませたそうですが、
いっしょに住みだしてからはけっこう長いとのこと。
お子さんはまだいません。
不安そうな大塚(夫)を交えて、
大塚さんにそれについて聞いていきましょう。


永田 ええと、布団を、買うのが、趣味?
大塚 はい(笑)。
永田 買うのが、趣味? 集めるのが趣味?
大塚 それだけが趣味ってわけじゃないんですけど(笑)。
見ると・・・欲しくなっちゃう。
永田 布団を見ると、欲しくなる(笑)。
大塚 べつに布団屋さんを
回ったりするわけじゃないんですけど、
チラシとか入ってくるじゃないですか、通販とかの。
そういうの見ると・・・いいんじゃないかなあって。
永田 (笑)。で、いくつあるんですか?
大塚 8組はあると思う。
永田 なんで8組も(笑)。
大塚(夫) ・・・増えてる。
永田 あははははは。8組ということは、16セットくらい?
大塚 うん。最低限、買う単位は2組でしょ。
掛け敷きのセットで。
永田 そういうもんスか。
大塚 布団って、綿とか羽毛とか羊毛とか
いろいろあるんですよ。
羽毛にもいろいろあってですね、
なんかいっぱい持ってるように
思われるかもしれないけど、
そういう違った種類のものを見ると、
欲しくなっちゃうんですよ。
永田 あの、その布団って、全部使うわけですか?
大塚 いつも使うやつは決まってるの。
永田 使わないんだ!
大塚 使わないのは、年に1回とか2回、干すだけ(笑)。
永田 あははははは。そこがおもしろい。
買っただけで満足ってわけでもないんですよね?
大塚 うん。買ってきて、こうやって押すじゃないですか?
永田 手でフカフカと。
大塚 「ああ〜、さすが気持ちいい〜」って。
永田 あははははは!
大塚 いちど使っちゃうと新品じゃなくなっちゃうでしょ。
だからすぐに全部カバー掛けて。
カバー掛けないの嫌いだから。
押入にしまうの。で、「あるある」って。
永田 「今日はいっちょコレで寝てみるか」って、
とっかえひっかえするわけじゃないんだ?
大塚 それ、しないんだよね。
永田 しないんだあ。
じゃあ、その、布団集めの、ピークはどこなんですか?
買って、家に初めて届いたとき?
大塚 注文したとき。
永田 注文したとき(笑)
大塚 注文するとすごい満足して。
でも、もうすでに押入とかパンパン状態なんですよ。
永田 でしょうね。
大塚 だから玄関にドーンと来ると、
やっぱり大きいじゃないですか、布団。
永田 はい(笑)。
大塚 だから「どうしよう?」とは思うの。
永田 あはははは、「どうしよう?」とは思うんだ?
大塚 うん。包まれてるからすごい大きくて。
で、圧縮袋とかも買ったんだけど、
すごく大変なの。圧縮するのが。
それに圧縮しても、重さは変わらないの。
永田 ・・・質量保存の法則。
大塚 そう。大きさは若干変わるんだけど、
重さは変わらないから、大変なの。
入れとくでしょ。そうすると、
出し入れのときに破けちゃって、
押入の中がパンパンになっちゃって。
出なくなっちゃって(笑)。
永田 中でボワッとなってるんだ(笑)。
逆に捨てることはないんですか?
大塚 ないの。
永田 ないんだ(笑)。
大塚 でも、あなたの布団は捨てたんだよね?
永田 え?
大塚(夫) 俺が独身時代から使ってた布団です。
大塚 「こんなのもういいや」って。
永田 あはははは。
大塚 やっぱり古いのは薄くなってきちゃうじゃないですか。
永田 でも自分が買ってきたやつは・・・。
大塚 捨てない。
永田 (笑)
大塚 最近、いつも使ってるやつが薄くなってきたんですよ。
だから、2枚重ねて寝てるんです。
永田 捨てずに2枚にして(笑)。
大塚(夫) ・・・あの、口はさんでいいですか?
永田 どうぞ。
大塚(夫) べつに2枚重ねなくても、
うちには1枚でフカフカな布団が山ほどあるんです。
永田 あはははは!
大塚(夫) あれなら2枚重ねなくてすむし、
十分フカフカなんです。
2枚重ねなくてもフカフカに・・・。
大塚 いいの! あれはお客さんがきたとき!
大塚(夫) お客さんなんか来ないんですよ!
永田 (爆笑)
お客さんが来たときに、
その自慢の布団を出すときはうれしいんですか?
大塚 ・・・ちょっとヤなの。
永田 ヤなんだ(笑)!
大塚 「いくらでもあるんですからどうぞどうぞ」って
言うんですけど、ホントはちょっとヤなの。
永田 (まだ笑ってる)
大塚 だから、コレクションなのかなあ。
永田 あの、それって、たとえば、
ほかの何を買っている感覚に近いんですか?
大塚 う〜ん、私、お皿も好きなんですよ。
永田 あ、食器に近いんだ? 
大塚 うん。
永田 食器って、何枚もあってもいいですもんね。
買ったからって毎日ずっと使うわけじゃないし。
使わないけれど、あれば欲しくなるし。
大塚 うん。感覚としては食器かもしれない。
永田 食器だったらわかるなあ。
だから、つまり、その、デカいだけだ。
デカいから、人がやらないだけだ。
食器とか、切手とかといっしょで、
買って、自分の物として並べておきたいんだけど、
問題は、デカいから(笑)、あんまり人がやらなくて、
人が話すと、ギョッとされるわけだ。
大塚 ええっ、ギョッとされるかな?
永田 ・・・ギョッとするって。
大塚 でもお客さんが来たときの備えなわけだし。
永田 でもホントは寝てほしくはない、と。
大塚 あ、でもそんなこと言うとお客さんが来なくなっちゃう。

そんなことないです。いくらでも寝てもらっていいです。
永田 (笑)。よく知らないんですけど、
きっと布団にもバカ高いのとかあるんでしょう?
そういう方向には行かないわけなんですか?
大塚 キリがないから。
安いのだと、掛け敷きのセットで
1万円くらいのとかあるんですよ。
永田 ああ、あるある。
大塚 あるでしょ? だからそういうのを見ると、
「これならもう使い捨てでいいじゃない」って。
永田 あはははは。
使ってもないし捨ててもないのに。
大塚 そう(笑)。でも1万円とか8千円なら、
1回飲みに行くとなくなっちゃうけど、
布団ならドーンと残るじゃないですか。
永田 たしかに、布団はドーンと残る。
大塚 すごく得なような気がして。
でも最近は買ってないですよ。
引っ越ししようと思っているので。
だからあの、場所さえあれば買うと思うんだけど。
永田 場所さえあれば(笑)。
大塚 うん。だから引っ越しして広くなったら、
そのときこそ、いまのペタンコの布団は捨てて、
新しいのを買う!
永田 新しいのを買うんだ!
大塚(夫) ・・・困ったもんです。
永田 ちなみに、同居人としてはどうなの?
大塚(夫) あの、俺が、古本屋に行って、
文庫本を3冊買ってきただけで怒るんですよ。
「しまうとこないのに!」って。
永田 ガハハハハハ!
大塚 だって、絶対捨てないんですよ!
大塚(夫) じゃあ布団はなんだ!
永田 (笑いっぱなし)
大塚 あなたが本買ってくるほど
頻繁なわけじゃないじゃないか!
大塚(夫) 俺の買った本の総量を合わせても、
布団にはおっつかない。
大塚 じゃあいい。そんなこと言うならまた買う!
大塚(夫) ・・開き直るんですよ。
永田 (笑いっぱなし)
大塚(夫) う〜ん。
永田 一応、買うときは「使おう」と思ってるんですよね。
大塚 そう。でも、昨日まで使えてたものが、
急に使えなくなるわけじゃないじゃないですか。
だから「まあこれでいいか」って・・・。
永田 一生ループだ、ソレ(笑)!
大塚(夫) ・・・困ったもんです。
永田 そして布団だけが貯まっていく。
ベッドには興味ないんですか?
大塚 あったんだけど捨てちゃいました。
永田 あ、ベッドは興味なし。
大塚(夫) あの、俺はけっこうベッドに寝てみたいんですよ。
永田 わははははは!
大塚 やだやだやだ。
大塚(夫) で、引っ越しを計画中なので、
「ベッドを買おう」と言ったんですよ。
永田 (笑)。よく言うね、でも。
大塚(夫) ええ。で、そしたら彼女は、
「布団がこんなにたくさんあるのに
なぜベッドが必要なんだ」
と言うわけですよ。使ってない布団を差して。
永田 (笑)
大塚(夫) ・・・返す言葉がないんですが。
永田 それ、なんつうの、シュールな話だね(笑)。
大塚 でもなんでそんなにおもしろがるのかわからない。
だって普通じゃないか、布団を買うのは。
永田 (笑)
大塚(夫) (苦笑)
永田 あの、話合う人とかいます?
布団話で盛り上がるような。
大塚 ・・・いない。
永田・
大塚(夫)
(爆笑)


そんな感じで、終始笑いっぱなしの取材でした。
布団を買うという趣味が特別なのは、
それが絶対に「機会があれば人に見せてみる」といった類の
ものではないからじゃないかな、というふうに思います。

みなさんの家には、いくつ布団がありますか?


2000/06/13    若林

2000-07-10-MON
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