ほぼ日が、ヘアメーキャップアーティストの
岡田いずみさんといっしょに、
肌とメイクと道具の
トータルビューティブランドをつくりました。
名前は、Shin;Kuu。シンクーと読みます。

大手化粧品メーカーを経て、
フリーランスとして活躍してきた岡田さんには、
「きれい」の知恵とアイデアがたくさんあります。
こんな化粧品があったら素敵じゃない? と
夢中で話していたら、いつの間にか、
ひとり、またひとり、メンバーが集まって、
ほぼ日らしい形でチームが立ち上がりました。

Shin;Kuuのことを知ってもらうには、
岡田さんを知ってもらうことが近道。

塗り重ねるのではなく、魅力を引き出すメイク。
五感にふれ、ごきげんになれるスキンケア。
Shin;Kuuで大切にしようと決めたこれらの姿勢へとつながる、
岡田さんが歩んできた道を、全5回でお届けします。

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第4回  自分の色を愛するということ。

──
資生堂のブランド、
「MAQUILLAGE(マキアージュ)」や
「化粧惑星」のコスメの開発に携わったり、
「アネッサ」のビジュアルヘアメイクを
担当されたのも、岡田さん。
岡田
「化粧惑星」では、アイディアを出したものが
初めて商品になったり、CMになって流れたり。
自分のアイディアがパッケージまで採用されたのは、
星型にパウダーが出てくる商品でした。
──
覚えてます。
星型に出てきた粉を指でなぞると、
ほほがキラッキラして。
岡田
それまで、コンビニには
便利なコスメはあったけれど、
ときめきは二の次でした。なのに、
「0.2秒で恋に落とせなければ、
二度と振り返ってもらえない、
それがコンビニのコスメの世界だ」と、
営業部との会議で言われて。
──
厳しいですね。
岡田
便利さと0.2秒に響くときめきを
どう両立させるか?
傾向や気になるワードを追いかけて、
知識や情報を自分のなかにたくさん集めて。
それをチームで話し合って、
「化粧惑星」にあてはめたら、
100万個単位で買っていただける
ブランドになりました。
──
あの頃、女の子はいちどは
手に取ったコスメだと思います。
岡田
会社員にとって、チームで成功することって、
すごく大事なことなんです。
数字ではなくて、
自分も欲しくなるいいものを作って、
ちゃんと喜んでもらえる。
反響を受け止めるところまでが仕事なんだと、
実感とともに学んだ時期でしたね。
──
今日はジェーン・バーキンさんとの
思い出の品も持ってきてくださって。
「私を美しくするひと。いずみへ」
と書いてあります。

岡田
忘れられない記憶です。
東京で3日間ご一緒した撮影で
ホテルの部屋にお邪魔したら、
裸に近いリラックスした状態で待っていらして。
「口紅は私のバストトップと同じ色にして」って。
──
わあ、すごいリクエストですね。
岡田
ジェーンが私にリクエストしたことは、
究極の色選びですよね。
“私だからこその美しさ”を大切にすることが、
私を愛すということであり、
人生を素敵に彩ってくれるって
気付かせてくれた瞬間でした。

(続きます)

2021-02-13-SAT

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