糸井が「今日のダーリン」で
「つくづく観てよかった」と絶賛を重ねた、
西川美和監督の新作映画「すばらしき世界」。
「もう観た? どうだった?」と、
社内のあちこちで「大感想大会」が
開かれている光景をよく目にします。
Shin;kuu岡田いずみさんとの対談、
YouTubeライブ「贋くらぶはうス」と、
ほぼ日社内で四方八方からラブコールがつづき、
西川監督に登場いただくのは三度目になりました。
映画の話、ものづくりのこと、
たっぷりとお話を伺いました。

>西川美和さんプロフィール

西川美和(にしかわ みわ)

映画監督、脚本家。
1974年、広島県生まれ。
早稲田大学第一文学部在学中から映画製作の現場に入り、
是枝裕和監督などの作品に参加。
2002年、『蛇イチゴ』でオリジナル脚本・監督デビュー。
第58回毎日映画コンクール・脚本賞ほかを受賞する。
2006年『ゆれる』でも、国内映画賞を数多く受賞。
『ディア・ドクター』、『夢売るふたり』、
『永い言い訳』など話題作を数々と手がける。

糸井との対談は3度目、
過去の対談はこちらをご参考ください。
ディア・ドクターのすてきな曖昧。
「夢売るふたり」はややこしいからすばらしい。 

  • 人生の大半を刑務所で過ごした三上正夫(役所広司)。
    13年ぶりに出所した三上は東京へ向かい、
    身元引受け人である弁護士・庄司(橋爪功)のもと
    下町で”日常生活”をスタートします。
    人情深く、他人の苦境を見過ごせないまっすぐな性格は、
    ときに一度ぶちきれると手がつけられなくなり
    度々トラブルを巻き起こしてしまいます。
    彼の母親を探す目的で出会ったTVマン・津野田(仲野太賀)や
    近所のスーパーの店長・松本(六角精児)など、
    周囲との関わりによって”生きること”を考える三上。
    「人間がまっとうに生きるとはどういうことか」
    「私たちが生きる時代は”すばらしき世界”なのか」
    ということを問いかけてくれる映画です。
    原案は『復讐するは我にあり』で第74回直木賞を受賞した、
    ノンフィクション作家の佐木隆三さんの『身分帳』です。

    そして、映画と合わせておすすめしたいのが、
    西川美和監督によるエッセイ『スクリーンが待っている』。
    約3年におよぶ映画の準備期間や撮影のことなど
    主に制作過程が書かれた日誌なのですが、
    これが何とも臨場感があって、おもしろい。
    西川監督の細やかな視点によって書かれた文章は、
    ものづくりの醍醐味を追体験するような気持ちにさせてくれます。
    スタッフ替えのくだりなど胸の詰まるシーンが何度もあり、
    現実も捨てたもんじゃないと思いました。

    映画『すばらしき世界』
    出演:役所広司 仲野太賀 橋爪功 梶芽衣子 六角精児 北村有起哉 白竜 キムラ緑子 長澤まさみ 安田成美
    脚本・監督:西川美和
    原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
    配給:ワーナー・ブラザース映画
    ©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会  

    書籍『スクリーンが待っている』
    著者  西川美和
    定価  本体1,700円+税
    発行  小学館
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