STUDENT
「もう流行ってるじゃないですか?!」

「総裁選NOW」

いま冗談抜きで流行ってるのが、
なんてったって、「総裁選」ですよね。
だって、衆議院や参議院選とはわけがちがう。
どうせ、一般国民には選挙権なんてないのだけれど、
こう毎日、テレビ・新聞・雑誌で取りざたされたら、
気になって気になってしょうがない。
言うまでもなく日本はいま、どん底状態です。
だから、「総裁選」ネタはいま大流行してますよね。

そこで、お三方(小渕さん、梶山さん、小泉さん)に、
どこまでつながるかってことで、
連絡を取ってみることにしたのです。
今回も、お役人の対応がすごく楽しみでした。

まず104(番号案内)で、

自由民主党本部の電話番号を聞いた。
そして、自由民主党本部に電話し、おそるおそる、
「あのー、ワタクシ、
大学の卒論で総裁選をテーマに....」
なんて言って、何者か明かそうとしたのに、
電話の向こうの人ったらなーんにも聞いてくれなくて、
「どちらにおつなぎしましょうか?」
なんて軽快に返されちゃった。
「あ、ハイ。総裁選に出馬されてるお三方に。」
と、ちょっと思い切って言ってみた。
「それでは、衆議院会館に電話して下さい。
番号は...」と、
あっさり1次予選を通過した。

今度は衆議院会館。
ここは一筋縄にはいかないでしょうなーんて思っていて、
「はい、衆議院会館です。」と言われたとたん、
「小渕先生お願いします。」
(私は議員のことを、
先生なんて呼ぶのがだーいっきらいなのに、
とっさに言ってしまった。というよりは、先生と呼べ!
オーラが伝わってきて、それに従ってしまった。)
そしたら、
「はい、おつなぎします。」
オイ、オイ、ちょっとまて。
私は自分の名前すら名乗ってないし、
そんな簡単につないじゃうのかい?
「はい小渕です。」
(ほんとに小渕さんの部屋につながっちゃったよ)
「あのー、小渕先生
(ここでもつい先生と呼んでいる)は
そちらにいらっしゃいますか?」
「今は大変お忙しいので、
こちらにはいらっしゃいません。」
「あーそうですか。じゃあ、結構です。」
とまぁ、こんな感じであれよあれよと
2次もなんなくクリア。

それで、念のため、小泉さんにもつないでもらった。
「はい小泉です。」
「あのー、小泉先生はそちらには
いらっしゃらないですよね。」
「そーですね、
24日が過ぎないとお忙しいので。」
「じゃあ、24日過ぎなら
ご本人とお話ってできるんですか?」
「はい。前もって日にちを決めて頂いて、
そーしましたら直接お話出来ますよ。」
「あっ、そうですか、わかりました。」
「ぜひ、また24日過ぎにお電話下さい、
ありがとうございました。」
ってな感じで、名前すら名乗っていない奴に、
とてもご丁寧な対応をしてくれたのだった。

それで、だいたい感じがつかめたので、
梶山さんには連絡しなかった。
この調子でホントにつながっちゃったら
何も言うことないし。

結局、本人とつながるまでには、
なんかもっと大変なプロセスがあると思ったのに、
議員会館→個人部屋(秘書)→本人
みたいな簡単な連絡網だった。
あのいつもの、
役人の融通のきかないロボット的な、
「きまりですから対応」を楽しみにしていたのに、
話がうまいこといきすぎて、ちょっと期待はずれだった。
でもそれはそれで楽しめた気がする。

けど、電話だからって、
こんなにガードがあまあまでいいのかねぇ。
一応、現職は厚生大臣だとか、
外務大臣だとかやってんだからさ。
(バカ女子大生でもこれくらい知ってるのだ)

>あまあまでいいのかねぇ。
って、おまえだよ、あまいのは!
つながるかどうかだけじゃ、
電pしょうねんと同じなんだよ。
電p少年は、ああいうコンセプトだからいいけど、
うちがまねしてどうすんだっつーの!
それに、成功成功って言ってるけど、
なんにも話してないじゃないか。
怪しい電話はいくらでも来るわけで、
そこまでつながったなんてことで、よろこんでちゃ
「単なるソフトな愉快犯」だろ。

総裁選の「争点」になっていることについて、
その選挙本部の、スタッフが、(本人じゃなくても)
どれくらいちゃんと答えられるかという
「情報の共有化や、理念の一致」
ができているかどうかが問題なんだよ。

つまり、総裁に「なりたい・ならせたい」
人たちの集まりでは、
なんにも変わらないわけで、
総裁に「なって、どういう政治をして、
どういう国にしたい」かが
大事なわけだろ。

だとしたら、スタッフ全員が、
担当の範囲にかかわらず、
「(素人程度の)どういう質問にも、
基本的には答えられなきゃいけない」
でしょ。

候補者本人につながらないのに、知りたいことがわかった。
しかも、電話口の誰かさんひとりで・・・
というのが、すごいわけ。

それをするためには、質問の「ミソ」がなんなのかを、
こちらがキチンと考えておかないとイケマセン。
たとえば、「経済不況を、
どのレベルまで戻すべきとお考えか?」
誰もバブル期にもどせとは言わないだろうし、
バブル期の水準でなければ、
やっぱり「不況感」はあるはずだし、
答えるにもちゃんとした考えが必要なんだよ。
「この不況から立ち直るために、選挙以外の方法で、
ひとりひとりの国民は、何ができると思うか?」
などという、
一見バカでもできそうで、考えてみると
けっこうディープになる質問をぶつけてくれなきゃ。
こういうことについて、
窓口のひとが、それなりに答えられたら、
その候補者(をとりまくシステム)の価値は高い!
ということさ。

スーパー歌舞伎のEnnosukeさんなんかは、
大事な舞台の前には、
劇場の売店のおばさんまで集合させて、
芝居のテーマや見どころを語っておくらしいぜ。
だから、クライマックスの寸前に
ウーロン茶なんか買いにきた
お客さんがいたら、
おばちゃん、急いで売るし
「お早くお席におもどりくださいませませ」
なんて言うらしいよ。うわさだけど、
かっこいいだろ。

今回は、大きく出たけど、×ね。

1998-07-24-FRI

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