HOST
いっそあのホストに訊こう!

第11夜 それを見てる女って必ずいるんですよ

零士 バス釣りで言えば、
「このルアーさえ使えば、釣れる!」っていう
自分の伝家の宝刀みたいなルアーって
あるじゃないですか。
でも、それって意外と使わないで、
ずーっと置いといたりしますよね。
それと同じで、本当にこの言葉とか、
伝家の宝刀みたいな言葉って、
好きな女にできたら言ってやろうと思ってても、
言えないことってあるじゃないですか?

糸井 「思ってても」って……、
普通そんなセリフ考えてないよ(笑)。

零士 あっ、そうすか?(笑)
俺、しょっちゅう考えてるんですよ。
こう言おうかなー、とか。

糸井 もうすでにちがうよねぇ(笑)。

零士 だからそれはもう、
僕はずーっと参加したいと思ってるからです。

糸井 つまり、会社員が見積書かなんか作りながらでも、
女の子のことを考えてなかったら
セリフ云々はできないんですよね?

零士 できないです。
たとえば、会社のなかにマドンナが
いるとするじゃないですか、
仮にだれかとつき合ってる人でもいいですよ。
ふとひと息つくときに、
「は〜、この人はちがう所で俺と知りあって
 こう声かけたら、うまくいってるかな……」とか、
そんなくっだらないことですよ、考えるのは。

糸井 妄想するんだ?

零士 妄想してるんですよ。
で、銀座とかで、すっごいお金使って女の子にモテてる人、
つまり“今モテている”という人も、
そんなことばっかり考えてるんですよ、きっと。

糸井 でも、お金使うこととはちがいますよね、
モテるってのは?

零士 だから、参加しちゃってるんですよ
お金は参加するための切符なんですよ。

糸井 お金が切符なんだ。
値段の高ーいオペラみたいなもんだ。

零士 そうなんですよ。
行ったことない人にはチンプンカンプンなんですよ、
「なーにがおもしろいんだろ?」って。

糸井 あれもあれで、モテをねらってるんですよね?

零士 銀座にいる女性をテーマにした
自分のなかの自己満足みたいな、
そういうことの連続でしょうね。
いろーんな分野があるわけですから、世の中に。

糸井 今の話聞いてるとさ、
「参加する」ってことで言うと
“誰でも同じようにできる”みたいに聞こえるけどさぁ、
実は“素質”ってあるでしょ?

零士 “素質”は正直ありますよね、多少は。

糸井 ありますよね。
あと、「タフでマメ」や、字幕にしたほかの言葉を、
零士さんが言ったとおりに、
全部ちゃんと実行すればいいとしても、
「それは、なんかちがう……」って
考える人もいますよね?
なにが人を分けるんですかねぇ?

零士 まず、自分のオリジナルな形をわかってない人、
自分の土台がわかってない人だと、
そこにいくらいいものを乗っけていっても、
最後は崩れちゃうんですよね。

糸井 つまり、己を知ることですね。
たとえば、こーんなデカい頭の人がいたとしますよね、
そしたらまず「俺は頭がデカいんだ!」と思って……。

零士 まず思って、
「俺は顔デカいんだから、シャープで、
 わりとこうピシッとした服は似合わないから、
 自分に合う洋服を“死ぬほど調べる”」とか。
不安材料をつぶしていく、ってことですよね。
まず己を知って。

糸井 自分の弱点も知り、美点も知ったうえで、
不安な部分をなにかで解消させていくわけだ?
服なら服で、趣味なら趣味で。
で、いいところをのばしていくわけですね?

零士 ええ。
で、そういうことをしていると、
それを見てる女って必ずいるんですよ

糸井 そこが、またぁ(笑)。
“それを見てる女が必ずいる”。

零士 要するに、出会いがあるわけですよ。
それなりに出会いがあるわけですよ、必ず。
なのに、自分がイヤだと思ってる所とか、
自分はイケてない、なんかイマイチだなと思う所には、
いくら人が「行け!」と言っても行かないですよね。
「出会いがあるから行ってみなよ」と言っても、
行ったら空気が「ちがうな」と思うから行かない。
そういう人は敏感ですから。
そういう人ってのは、今までモテなかった人、
モテ方を知らなかった人。

糸井 (笑)モテ方を知らなかった人

零士 そういう人は、「あ、僕やっぱりいいや」って
スッと家に帰っちゃうんですよね、きっと。

糸井 ああー、なるほどー。
「傷つくのがこわくて恋ができない」って、
若い子の間ではいっぱいあるじゃないですか。
あれもやっぱり「参加してもダメかも……」って思うと
おりちゃうわけだ。

零士 おりちゃう。参加しない。

糸井 今の若い子たちは、傷つくことをこわがりますよねー?

零士 こわがりますよー。
だから、もうひとつ違った自分を作ったりするでしょ。
僕らなんかから見ると、
「なんかそれってオマエ、いいわけだろ?」って。
それとか、
「本当はビビってるくせに、もうひとつの自分を立てて、
 それで押してるんだよな」ってのは見えるんですよ。
「大丈夫かなぁ……」なんて本当は思っていながら、
「カンケーねぇよ!」なんて言っちゃって。

糸井 うんうん。
それはもうビジネスでも同じですよね?

零士 同じです。
で、ビジネスの形としてそれをやるのは
いいと思いますよ。
それはビジネスの“技”ですからね。
本当は自分はこうなのに、
ちがう自分をもうひとつ作っておいて、
街のなかでタッグ組んで、
たとえば渋谷をぐるぐる歩いてるってのは、
あれはあれで参加してるんですよ、アイツらは。
家で寝てたってしょうがない。
とりあえず渋谷に行って、参加してるんですよ。

糸井 なるほど、それはまだ見込みがあるわけだ?

零士 すごくいいことだと思いますよ。

糸井 モテ道からすると、いいことだよね。
だって、釣りに行っちゃってたら、もう、ねぇ(笑)。
魚しかいないよねぇ。

零士 ええ。
ただ、釣りってのは、またちょっと特殊ですからね。
あれだけ人をハメちゃうってのは、
魚に魅力があるわけですよ!
でも、釣り場でだれかと知りあうかもしれない(笑)。

糸井 ないけどねー(笑)。

零士 ただ、なんかちょっと、こうルアー買いにきてる
お姉ちゃんのとなりにわざと行って……。

糸井 あ! 店もフィールドですよね。

零士 そりゃそーですよ!
俺はそー考えるんですよ。
どこでどう会うかわからないじゃないですか。
会うべき人と会うかもしれないし。

(つづく)

2000-05-29-MON

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