MORIKAWA
「がんばれ森川くんの
遺伝子くん・望郷篇」
筑波の『アクアク』で自由を味わう。

森川くんが壁にでかい絵を描くやら
鈴木慶一くんの生演奏をやるやら
豆屋留吉のひとりコントをやるやらの5月2日。
そういうことをインターネットライブ中継します!

もともと、森川くんが筑波の大学生だったときに、
よく通っていた『アクアク』という自由な店があった。
そこが、今年いっぱいで店じまいするということで、
「壁に絵を描いてもいいよー」と、なったわけ。
それじゃ、やろうやろう、慶一くんも行く?
「うん、いいよー」じゃ、歌も歌おうギターも弾こう。
ライブ中継をやることになって、
豆屋留吉に、退屈な時間を埋めるようにと指令。
ぼくも現場に行きますけれど、
何をするわけでもありません。ただ、中継。
見るも自由、集うも自由。
『アクアク』は、当日通常営業していますから、
来たい人は来て、ぼくらの人柄の悪さを堪能してください。
お店についての詳しいことは、ここに。

森川さん 筑波に行く その1

こないだの土曜日、天気もいいことだし、
森川さんが来週絵を描くというライブハウス
「アクアク」に行ってみるべぇ、ほいでもって
下見と打ち合わせするべぇ、ってことで
森川さんと友人のアマカワさん、シェフ武井は
町内のよしみで(ほぼ同じ町内に住んでいるんですよ、
わたしたち)昼12時に駐車場に集合し
都内を出発、一路筑波へと向かいました。
四駆のカーゴスペースには、なぜか釣り竿が。
そういえば、アマカワさんは森川さんの釣り友。
歩く釣りバカほぼ日誌の異名をとるセイヒローも
現地集合だと言ってたな。
さては、きみたち、下見だの打ち合わせだのはフェイクで
本当の目的は釣りではないだろうな??
ま、のどかな休日だから、いいけどね。

筑波は、森川さんが10代の終わりから
20代のはじめまでを過ごした場所。
当時のアクアクって、どういう店だったの、森川さん?

「あのねー、そのころの筑波って
 まだ大学もできたばっかりで、
 お店とかもぜんぜんなかったんだよ。
 ぼったくりのフィリピンパブとかあったけどさ(笑)、
 あとはもう、寂しいかぎりで。
 そういう環境で『アクアク』だけは
 自由にものがしゃべれる場所だったんだ。
 ジャズのかかるフリースペースで、
 ふつうのバーともちがうし、画廊でもないし。
 有名なミュージシャンが来て、演奏することもあったり
 筑波ではめずらしい店だったんだ。
 お客さんには演劇論をたたかわせている一派がいたり、
 音楽をやってるひとがいたり、そのかたわらで
 僕らはアート系の、ナマイキな話ばっかしてた……」

ぼくらの知らない、そういう時代の森川さんを、
「アクアク」のマスター野口さんは知っているわけだ。
何年ぶりになるんですか?

「20年ぶりくらいになるなあ」

20年前の自分に会いにいく。
ああ、なんだか、とてもうらやましいです。

筑波大の真ん中に一角だけ商業地があって
そこに「アクアク」はありました。
理髪店の2階、遠目にはちょっとわかりにくい場所。
外階段をのぼると、開け放たれたドアの奥に
がらんとした空間がひろがっているのが見えました。
オーナーの野口さんは
20年ぶりに会った森川さんを、
昨日も来た常連客のように迎えました。
おおげさな挨拶もなしに。

「あれ? レンガの壁は?」

「あれは取っ払っちゃったんですよ」

奥行きが10メートルくらい、幅が4メートルくらい、
天井は3メートルくらい。壁は白く塗られている。
この壁が昔レンガだったわけだ。
左手にバーカウンター、その奥がキッチン。
右手奥に小部屋へのドア、奥に消防用の小窓。
グランドピアノがひとつ。
スピーカーが天井から吊られている。
ライブハウスというよりも、
絵のかかっていない画廊、という感じです。

「ちょうど昨日まで『かめかば展』という、
 筑波のアーティストによる展覧会をやって、
 さっき搬出が終わったばかりなんですよ」

「『アクアク』は最初っから
 『20世紀の終わりで閉鎖する』って
 決めてた店なんだよね」

「ことしが最後の年なんで、
 ファイナル・イベントとして、
 ギャラリースペースを拡大して
 気楽にいろんなことを楽しむつもりなんですよ」

それで森川さんが絵を描くことになったと。

「僕のことを『ほぼ日』で見て、
 こいつはあのモリカワだって気づいてくれたんだって。
 それでメールが来たんだ。うれしいよね」

そういいながら森川さんは、
20年前にはなかったマッキントッシュパワーブックを
取り出して、壁に向かってしゃがみこんだ。
なにやってるんですか?

「壁の色、取り込んでおいて、
 画題と絵の具選びの参考にしようと思って」

あまり昔話をせずに、淡々と作業する森川さん。
いったいどんなプランが、頭のなかにあるんだろう?

(つづく)
 
アクアクのホームページはこちら


2000-04-26-WED

筑波「アクアク」からのライブ中継は
5月2日(火)18時頃スタートです


筑波学園都市にあるカフェバー
「アクアク」からの生中継、
森川さんの壁画ライブ、鈴木慶一さんのステージ、
そのほかゲストの方々のパフォーマンスを
ぜひ観ていただきたいのですよ!
音声ありの動画でのライブ中継なので、
観るためには、お使いのコンピュータに
「Windows Media Player」という機能を
追加する必要があるんです。お忘れなくー。

「Windows Media Player」を機能追加する方法は、
ほぼ日にある「プラグイン幼稚園」
というコーナーでやさしーく解説してありますので、
ちょっとめんどうですが挑戦してくださいね。
タダですし、機能を追加しておいて損はありませんよ。


えー、では、森川さんのために壁を提供してくれた
筑波学園都市内にある店「アクアク」(上の写真)を、
下見した時のことをお話しましょう。前回のつづきです。

森川さんが画を描く壁画スペース、
これがまたけっこう大きいんですよ。
タテ×ヨコを数字で説明するより、
写真を見てもらうのが手っ取り早いです。
店の敷地は長方形なので、壁面は4面あります。
そのうち1面は、店の出入り口に使われているので、
残った3面が壁画のためのキャンバスになります。

釣った魚の“じまん写真”を撮るときに、
タバコの箱を魚の横に置いたりするんですよ。
比較して魚の大きさがわかるからですね。
あんまりカッコいいことじゃないけど、よくやります。
で、壁の大きさをわかっていただくために、
スタッフのシェフ武井を壁にはりつけて
撮影してみました。





「アクアク」の入り口から店内に入った状態で、
上から順に、左の壁、奥の壁、右の壁の写真です。
“左の壁”の手前側にバーカウンターがあります。
“奥の壁”の右にグランドピアノが見えますね。
その左横、シェフ武井が貼ってあるあたりが
ミュージシャンの演奏スペースです。
当日は、鈴木慶一さんや、豆屋留吉さんが
気の向くままにステージを楽しんでくれるのです。
そして、“右の壁”の写真、
写真左にグランドピアノがちょっと写ってますね。
右奥に見える明るいドアが店の入り口です。

アクアクの店内(壁)をぐるーっと一周しました。
どーですか?
壁画用の壁、かなり大きいでしょ。
すでに、森川さん用に、白く塗ってありますね。
当日は、この大きな壁のすべてに、
森川さんが自由に画を描いていくんですよ。

当日は、店の真ん中あたりに
テーブルとイスを配置して、「アクアク」は
通常どおりカフェバーとして営業しています。
ほぼ日がライブ中継をするからといって、
前売り券とか電話予約とか、
そういったことはやりません。
森川さんが広い壁に画を描く。
鈴木慶一さんが歌う。豆屋留吉がしゃべる。
darling&ほぼ日スタッフはそこにおじゃまして、
ライブ中継をやらせていただくわけですよ。

アクアクの野口さん曰く、当日、お客さんが
どれくらい入るか、まったく予想がつかないのが
ちょっと心配だそうです。
ゴールデンウィーク中だから、筑波大学の学生さんも
けっこう里帰りするみたいです。だから読めない。
ギューギューになって入れない人が出ても困るし、
かといって、ガラガラでもさびしいですよね。

ま、そのあたりのことは、考えても仕方ない。
当日どうなるかを、楽しみにしているくらいが
ちょうどいいのかもしれません。そうしよう。

森川さんの心配ごと……。
「壁ぎわ、というか、壁から1メールくらいは、
 僕の場所にしておいてほしいんですよ。
 いや、べつに壁ぎわに人が入ってきてもいいんだけど、
 僕が画描いてるから、塗料がはねちゃうでしょう。
 当日は“クリーニング代は請求しません”って
 約束してもらうようにしようかな(笑)」。

なるほど、そりゃそーだ。
壁ぎわは塗料が飛び散るだろうし、描いた後も
塗料が乾かないうちは、うかつに壁に触れませんね。
壁によりかかったりしたら、
せっかく描いた画が服にプリントされちゃいますよ。

もともと、学生さんたちが気軽に集まる店なので、
テーブルとイスがいっぱいになれば、
フローリングの床に座りこんで、
演奏を聴いたり、コーヒー飲んだり、といったことが
ごく普通にオッケーな店だそうです。
普段からジーンズで床に座ってジャズが聴ける……、
そういう店内を想像してください。

「アクアク」の地図はこちらのページにあります。
http://www.midi.co.jp/~akuaku/map.html
筑波学園都市のなかの北のほうですね。
住所は、茨城県つくば市天久保2-6-1 の2階です。

それじゃ、5月2日(火)18時頃から、
ライブ中継でお会いしましょう!

2000-05-01-MON

ライブ中継はめでたく終了いたしました。


2000.5.2
19:00 くらい
筑波の『アクアク』店内から生中継中。
森川くんのペインティングは
ずっと継続していますが、
鈴木慶一くんのライブ演奏は、
気が向いた時にやります。

混んでるわぁ。店の中。
2000.5.2
19:21 くらい
ライブ演奏はもうすこしではじまるよ。
まず最初は、森脇松平さんですよ。
2000.5.2
20:00 くらい
お次は、
吉川洋一郎さん+cimacimaさんです。
みなさんからのメールもまってますよ〜。
2000.5.2
20:35 くらい
ちょっと準備のあと、
鈴木慶一さんの登場です。
2000.5.2
21:15 くらい
ご紹介おくれました。
今晩の総合司会は、
豆屋留吉くんです。
留吉くんにもメールをまってますよ〜。
2000.5.2
22:45 くらい
そろそろ、第二部がはじまります。


ライブ中継を観るためには、お使いのコンピュータに
「Windows Media Player」という機能を
追加する必要があるんです。お忘れなくー。
「Windows Media Player」を機能追加する方法は、
ほぼ日にある「プラグイン幼稚園」
というコーナーでやさしーく解説してありますので、
ちょっとめんどうですが挑戦してくださいね。
タダですし、機能を追加しておいて損はありませんよ。

2000-05-02-TUE

久しぶりに描ききったという感じがしました

筆で絵描くこと(今回のこと)と
コンピュータで絵描くこと(いつものこと)とは、
同じ絵を描くということなのに、
温度はずいぶんとちがいます。

温度というのは象徴としての意味もあるのですが、
ぼくが注目しているのは、
筆で描くという運動が元になる筋肉の発熱です。

このような、体に起こる生理的現象や、絵の具の持つ、
重さ、粘性、ニオイ、味といった物理性が、
結構、脳(クリエイティビリティー)に
重大な影響を与えてるんじゃないか、
てのがここのところのぼくの関心事だからです。

そんなときに、昔お世話になったアクアクから
「壁に絵を描かないか」という依頼がきたものですから、
「これはもう神の思し召しに違いない」と思い、
二つ返事でOKしたというわけです。

実は18年くらい前、
アクアクの外壁を描いたことがあります。
そのころと比べて、絵の腕前が
あがったかどうかは定かではありませんが、
体力ははっきりとさがっていました。

下見の段階では、
6時間もあれば楽勝と見積もっていたのですが、
実際に始まると、とんでもない話でした。
足場が狭かったこともあるのですが、
3時間もしないうちに息があがってしまい、
6時間を経過する頃には
腕が上がらなくなってしまっていました。

てなことで、
あそこには、アレが見える、アレを描かなきゃ
と思いつつも「体力の限界」を理由に、
その日のパフォーマンスは終了。

その落とし前をつけるべく、今回(5/16)
再び筑波にでかけていきました。 

壁には木をいっぱい描き加えました。
どうして、こう、木を描きたくて仕方がないのか
よくわかりませんが、描きたいんだから仕方がありません。
多少、全体のバランスが悪くなろうと、
重くなろうと、描いてしまいます。

そんなわけで、この日も結局
翌17日の朝の3時過ぎまで描いていました。
計13時間かかったことになります。
久しぶりに描ききったという感じがしました。

この絵は、次のアクアクのイベントのために、
5月末に消されます。
クリエイティブにおいて
「どう残すか、残すためにどうするか」って問題が、
ちと過大なウエイトをしめているんじゃないか、
という思いが個人的にはあるので、
すぐに消されてしまうって事情も、
ちょうどいいチャンスだった気がしています。

美術カタログにある自作批評みたいなテイストで
書いてみました。

★アクアクの壁画、お見せします!
(ほんとは実物見るのがいいんだけど)







茨城県筑波にあるカフェバー、
「アクアク」のホームページはこちら。
http://www.midi.co.jp/~akuaku/

「アクアク」の地図もあります。
http://www.midi.co.jp/~akuaku/map.html

森川幸人さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「森川幸人さんへ」と書いて
postman@1101.comへ送ってください。

2000-05-25-THU

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