モノポリーエッセイ

モノポリー世界選手権
日本代表決定戦報告(その1)



こんにちは。
今回は、9月19日に行われた、
モノポリー世界選手権日本代表決定戦の様子を
ご報告します。

モノポリー世界選手権は、
このページで何度もご紹介しておりますとおり、
4年に1回、
米国HASBRO社の主催で開催されており、
今回は、初めての日本開催(アジア初)です。
日本からは、
前回トロントでの大会で優勝された岡田豊さんが
ディフェンディングチャンピオンとして
招待されていますが、
もう1人、今回の日本代表としての
出場枠をかけてのこの日の戦いです。

会場は、東京・六本木ヒルズ・森タワー49階の
六本木アカデミーヒルズ。



世界選手権も同じくここ
六本木アカデミーヒルズで開催されることになっています。
格調高いエントランスロビーを通って、
会場となる「コラボレーションルーム」へ。
窓からは東京のベイエリアが一望のもとに見渡せる
絶景です。



ここで日本代表の座を争うのは、
2001年度日本チャンピオン植田幹浩さん
2002年度日本チャンピオン井元哲也さん
2003年度日本チャンピオン表寺修さん
2004年度日本チャンピオン篠塚博文さん
の4名。
まさに4年に1度しか見られない、
日本最高峰のゲームが展開されることでしょう。

会場には4名の選手がそろい、
主催者の(株)トミーダイレクトの方や、
日本モノポリー協会の運営スタッフ、
マスメディアの取材の方、
そしてこの熱い戦いをこの目で見ようと
集まってきたギャラリー。
徐々に雰囲気が盛り上がってきます。

そしてもうひとつこの日の話題は、
世界選手権の東京開催を記念して発売される予定の
モノポリー「六本木ヒルズエディション」の
初お目見えです。
六本木ヒルズ内のエリアや建物、ショップなどが
自分の足でヒルズ内を歩いているように感じられるほど
きれいに配置されています。
最近ルイ・ヴィトンとのコラボレーションでも話題になった
世界的なアーティスト
村上隆さんのデザインによるものです。
日本代表決定戦は、なんとこの
発売前の「六本木ヒルズエディション」を使用して
行われることとなりました。



代表決定戦は、3回戦まで行われます。
ポイントのしくみは、
ゲーム終了時の総資産合計を100として、
これに占める各選手の資産の割合がポイントとなる、
シェアポイントシステムと呼ばれるものです。
全資産を独占すれば当然100ポイントになりますが、
モノポリー勝ちにはさらに50ポイントのボーナスがあり、
150ポイントを得ることができます。
また、第3回戦はこれが1.5倍になり、
モノポリー勝ちすれば225ポイントとなります。
ですから、1・2回戦で多少劣勢でも
十分逆転のチャンスが残り、
逆に多少優位に立っても最後まで息を抜けません。

開会式のあと、第1回戦が始まります。
ダイスを振って決まったスタートの順番は
表寺さん、篠塚さん、井元さん、植田さん
の順です。
バンカー兼審判は世界チャンピオンの岡田豊さん。
いよいよゲーム開始です。
各選手、順調に権利書を購入していきます。
この段階でまだ優劣はほとんどありません。
序盤はなんとなくお互い牽制しあって
交渉がまとまりにくい雰囲気がありましたが、
徐々に交渉が進み、
篠塚さんが鉄道(六本木ヒルズエディションでは
地下鉄2つのほか、バスとタクシーがありますが、
便宜上鉄道と呼びます)4枚(4RR)、
表寺さんがダークブルー(DB)、
井元さんがライトブルー(LB)、
植田さんは端切れカードとお金をたくさん持って
チャンスをうかがう、という形になりました。



ここで井元さんのLBが順調に集客します。
表寺さんはこのLBにつかまり、
DBの経営を本格的に始める前に
お金がなくなってしまいました。
満を持して植田さんがこのDBを引き取ります。
表寺さんはレッド(Re)で出直しです。
と思った矢先、表寺さんは自分が渡した植田さんの
森タワー(通常版のボードウォーク)を踏み、
*1400(お金の単位は読み方不明の
かわいい花マークなんですが、ここでは*とします。)
の支払いで破産。
植田さんはReのセットも手に入れます。
篠塚さんもDBを踏んで破産、
あとは植田さんと井元さんの一騎打ちです。
井元さんはLB以外の追加カラーが
なかなか手にはいらなかったのですが、
売れ残っていた最後のオレンジ(Or)を踏み、
自力で強力カラーのOrをそろえました。
しばらくはがっぷり四つの様相でしたが、
井元さん、「森タワーへ行く」のカードを引いて
*1400の支払い、体力を失います。
その後Reを2周続けて踏んで、井元さん破産。
第1回戦は植田さんがモノポリー勝ちで制しました。
150ポイントを獲得して、
植田さんが1歩抜け出したかたちです。

1回戦終了後、約1時間の休憩。
ギャラリー達も三々五々、
森タワー49階の六本木アカデミーヒルズから
「下界」へ降りて
六本木ヒルズ内を散策がてら昼食をとりに行きます。

実はこの日のゲームは
インターネットで実況中継されていたということを
ご存知でしょうか。
WEBカメラからの画像と、
キーボードから打ち込む文字が、
リアルタイムで表示されるもので、
会場に見学に来られなかった方にも
このすばらしいゲームを楽しんでいただこうと
日本モノポリー協会が企画したものです。
翌日開催されたモノポリー名人戦の会場でも
このインターネットでの実況中継のことは
話題になっていたようです。
世界選手権でもぜひこれをやりたいと、
スタッフたちはそのための予行演習を兼ねての
ものでした。



さて、休憩時間もおわり、第2回戦が始まります。
2回戦は、1回戦と逆の順番で
(今回のルールでそうなっています)
植田さん、井元さん、篠塚さん、表寺さん
の順にスタートします。
今回も各選手比較的好調に権利書を購入していきますが、
表寺さんは買えた権利書が若干少ない感じです。
序盤、場が動きそうな場面が何度かありましたが、
大きな交渉はなかなかまとまりません。
植田さんは今回も重要な権利書を何枚も購入していて、
大きな交渉をまとめるには植田さん抜きでは
難しいところですが、
このゲームに植田さんがモノポリー勝ちすると
(正確には資産の88%以上を獲得すると)、
第3回戦を待たずに植田さんの優勝が
決定してしまいます。
3人ともそれだけは阻止したいところですので、
植田さんに対する条件提示は
自然と厳しいものになってきます。
逆に植田さんも、
あせって厳しい条件を飲む必要は全くありません。

ダークパープル(DP)や
通常版の電力・水道にあたる
ネットワークサービス・エネルギーサービス(UT)などの
小さな交渉が成立した後、場が大きく動きました。
植田:駒位置12、持ち金約900
権利書LB、2LP、Or、Re、Ye、DB、2RR
井元:駒位置39、持ち金約600
権利書LB、Or、Re、Gr、DB、RR
篠塚:駒位置14、持ち金約500
権利書DP(H・H)、LB、Re、Ye、RR
表寺:駒位置29、持ち金約800
権利書Or、2Gr、2UT
といった状況です。
井元さんが植田さんとDBをそろえる交渉を持ちかけ、
なかなか条件があいませんでしたが、
井元:DB=植田:LB+Ye+2RR
で植田さんがDBをそろえる形でまとまりました。
現金のやりとりはありません。
植田さんは果敢に
KIOSK(家)をDB(3・2)と建てます。
井元さんと篠塚さんは、LBとRRのツーペー
(交渉によりお互いが権利書のセットを揃えられる状態)
になりました。
このままでは表寺さんは交渉から取り残されます。
ここまで権利書もあまり買えず、刑務所に何度も入って
給料もあまりもらっていないという不遇な立場でしたが、
Grを抜け、DBもかわし、GOを過ぎたところで
(この間にカードと給料で*400をゲット)、
井元さんにGrをそろえさせる交渉を持ちかけました。
取り残されそうな状況の打開と、
目の前のLBに家が建つのを防ぐ、
一石二鳥の策です。
いろいろと条件が出され、
表寺:2Gr+730=井元:2LB+Or+Ye+3RR
という形でまとまりました。
井元さんは、*1500ほどの現金とRe1枚を残して
Grの経営を始めます。
これで「勝ちに行く」体制ができました。
Grは経営の難しいカラーとして敬遠されがちですが、
豊富な資金力で経営を軌道に乗せれば、
ある意味最強の破壊力を持つカラーとも言えます。
またこの交渉の結果、
表寺さんと篠塚さんが、LB・RRのツーペーとなり、
交渉の結果、表寺さんが4RR、
篠塚さんは経営中のDPに加えてLBを
経営することになりました。

(つづく)

2004-10-01-FRI

BACK
戻る