モノポリーエッセイ

モノポリー米国チャンピオン決定戦に
行ってきました(12)
「米国チャンピオン決定編」



このたび、
私こと岡田豊@2000年モノポリー世界チャンピオンは、
モノポリー米国チャンピオン決定戦
「2009年モノポリー米国選手権」を見るため、
米国時間4月13〜16日、ワシントンDCにいってきました!
長らくお付き合いいただきましたこの連載、
今回はその12回目、最後のご報告になります。

二日にわたって開催されました
モノポリー米国チャンピオン決定戦、
ついに米国チャンピオンが決まる
「決勝」の勝負どころとなりました。
非常にフェアな展開で、
全員にチャンピオンになる可能性があります。

ただし、4人の決勝進出者間には
それなりに有利・不利がありそうです。
家の軒数ではライトパープルの経営者が、
プレーヤーの止まる確率の高い
カラーグループとして知られる
オレンジやレッドの経営者が、
それぞれ優位性を保ちつつも、
家の軒数の少なさとプレーヤーの止まる確率の低さから、
4人の中ではグリーンの経営者が最も不利に思えました。


▲前回報告いたしました、決勝の勝負どころ。
4人の決勝進出者全員、カラーグループを経営し、
家を建てています。



▲予想どおり、オレンジ経営者が伸び、
レッド経営者が追いかける展開。
グリーン経営者はやはり苦しそう。



▲4人の決勝進出者の中では、
最初に破産したライトパープル経営者(真ん中で立っている人)。
無念の表情を浮かべながらも、真摯にインタビューを受ける姿には、
時折、「自分なりにがんばった」という満足感も見受けられました。



▲有利だったオレンジ経営者が、グリーンに止まって脱落。
グリーン経営者が少しついている感じもしましたが、
それでもまだレッド経営者の方が有利そうにみえます。



▲優勢が一転して、大苦戦となったオレンジ経営者(左)。
会場では「一番人気」だっただけに、
驚きの声があちこちであがりました。本人もつらそうな表情です。


しかし展開は予想通りにいきません。
あの「恐怖のスピードダイス」が炸裂しまくりで、
グリーンが一気に浮上します。
家の軒数が少なくても、連続して止まってしまうと
かなりのダメージになります。
まさに「恐怖」というしかありません。


▲ついに最後の2人になりました。
どちらかが新しい米国チャンピオンに輝きます。
2人ともさらに緊張したようで、かなり表情が硬いです。


結局、最後まで恐怖のスピードダイスを味方につけた
グリーン経営者が、
グリーン以外を経営しないにもかかわらず、
そのまま勝利し、新しい米国チャンピオンに輝きました。
ゲーム時間も短く、まさに圧勝といえる展開でした。


▲新しい米国チャンピオン決定の瞬間。
負けた方から勝者をたたえるべく、
関係者全員にあいさつにまわるのがモノポリーの決勝の伝統です。
大統領選挙でも負けた方が勝った方に電話しますが、
それと同じですね。



▲Mr. Monopolyから賞金の小切手を受け取るところ。
これまで標準的なモノポリーに実際に入っているお札の合計
$15,140が賞金額でしたが、
モノポリーに入っているお札の合計が増えたこともあって、
賞金も$20,580に増額されています。



▲Mr. Monopolyをかたどったトロフィーと、
勝利の要因となったグリーンの権利書をもって、
得意げな新チャンピオン。




▲メディアの取材を受けたり、サインをしたりと、
新チャンピオンは大忙しです。


今回の米国チャンピオン決定戦、
最初から最後まで「恐怖のスピードダイス」が猛威を奮う、
印象的な大会だったといえましょう。
最後に、メディアからの要請で、
私も含め、世界チャンピオンや米国チャンピオンが
一同に介して、新チャンピオンをたたえるポーズをとって、
今回の大会は幕を閉じたのでした。


▲新チャンピオンを真ん中に、
世界チャンピオン、米国チャンピオンが勢揃い。
過去のチャンピオンがいろんな意味で目立った大会を
象徴するシーンになりました。


私もモノポリー関係者と再会の約束を交わして、
ようやく一仕事を終えた気分でありましたが、
すっかり忘れていたことがありました。
そうです、日本のモノポリーファンのために、
イベントの賞品用にアメリカでしか買えないモノポリーを
ゲットしなければなりません。

幸いにも会場のユニオン駅は
ワシントンDCでも有数のショッピングモールを
抱えています。
そこで、探してみることにしました。
確かに、「モノポリー」はありました。しかもたくさん。
でもここでも我々の知っているモノポリーではなく、
いわゆる「オポリー」と呼ばれる海賊版。
モノポリー界では1、2を争うイベントの会場にして、
この様子には、ちょっと驚きました。
さすがに、その後に行った、
ワシントンDC都市圏で最大のショッピングモールでは
正規版をゲットできましたが、
正規版以上に猛威を奮う海賊版。
そういえば、海賊版は正規版よりも
テーマ性の高いものが多いです。
例えば、環境とか。



▲ワシントンDCグッズでオバマグッズはもはや主役。
でも海賊版も負けていません。すごい!
環境などテーマ性の高いものがたくさん発売されていました。


全世界的に先進国の少子化が危惧される中、
おもちゃといえども大人相手のマーケティングも必要です。
そういう意味で、キャラクターものより、
テーマ性の高いものが得意な海賊版は、
より大人向きといえるのかもしれませんね。
ちょっと考えさせられる、
今回の米国チャンピオン決定戦の取材でした。

〜おわり〜


(文章:日本モノポリー協会専務理事・
 2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊)

2009-06-26-FRI

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