モノポリーエッセイ

2007年度モノポリー日本選手権
全国大会結果報告(その13)


こんにちは。
昨年11月に開催されました
モノポリー日本選手権全国大会のレポートを
お送りしています。

その前に恒例の選挙運動、最後のお願いです。
日本モノポリー協会では、
世界中の著名都市を掲載する「モノポリー全世界版」に
ぜひ「東京」を当選させようと、がんばっております
掲載都市は、以下のバナーのリンク先で、
ネット投票によって決まります。
明日の29日午前9時まで、投票できますので、
ぜひ皆様の「最後の一票」をお願いいたします。


(c) 1935, 2007 Hasbro. All rights reserved.

さて現在、予選最終ゲーム。
全員、モノポリー勝ちを目指す過酷な戦いが続いています。
今回は予選最終ゲームで最も注目を浴びた
4番卓の様子を紹介します。

この4番卓。
先ほど「前人未到の日本選手権22連敗目」を記録した
山本尚意さんが、俄然注目されます。
やはり勝ちであっても負けであっても
「連続」だからこそ注目されるのですね。
ちなみに山本さんは
8年連続で全国大会に出場されている、
モノポリー界を代表する強豪。
実力は誰もが認めるところですが、
全国大会でなぜか勝てず、
モノポリー界の「七不思議」みたいになっていますね。
その山本さん、
勝ちが難しいとされるダークパープルを経営。
今回もまた厳しいのでしょうか。

その山本さんが経営するダークパープル。
「ANT ISLAND」(バルティック通りに相当)のホテルに
ライトパープルを揃えた直後の渡辺書成さんが
突っ込みます。
ライトパープルに10軒ほどのコーン(家)を建設して
勝負をかける心積もりが、
逆に450ドルの支払いとなってしまい、
渡辺さんは大誤算といったところだったでしょう。
*ダークパープル
 Goマスからすぐのところにあります。
 モノポリーで最安の価格の場所で、
 しかも他のカラーグループが
 通常3ヶ所の土地で構成されるのに、
 ここは2ヶ所の土地で構成されていますので、
 他のプレーヤーが止まる確率も低いです。
 非常に非力なカラーグループといえます。
 それゆえ他のプレーヤーは侮りがちですので、
 止まってレンタル料を支払う場合、
 予想外のダメージになる可能性があります。

*給料
 モノポリーではGoマスを通過するたびに
 200ドルがもらえます。
 結構な額ですので、Goマスを通過して、
 ダークパープルやライトブルーといった、
 Goマス通過後にすぐ立地する、
 他のプレーヤーが経営する場所で、
 レンタル料を支払わないことが勝利への近道となります。

渡辺さんは手持ち資金が少なくなって、
ライトパープルの経営を放棄せざるをえませんでした。
このライトパープルをめぐって、
壮絶な交渉合戦が繰り広げられます。
結果的にライトパープルを獲得したのは、
ここまでの交渉で資産を
潤沢に増やしていた荒川さんでした。
イエローも手元に揃えた状態で、
そのイエローを全て抵当に入れて、
ライトパープルに10軒建設します。
*抵当に入れる
 モノポリーでは保有する土地を抵当に、
 その土地の価格の半額を借り入れることができます。
 抵当に入った土地は
 たとえ他のプレーヤーが止まったとしても、
 レンタル料を一切受け取れません。
 そのため、経験の浅い方の中には
 土地を抵当に入れることを好まれない方も
 少なくありません。
 しかし、うまい人ほど、
 勝負どころでは活用されていない土地を担保に
 積極的に借金し、
 その資金をコーン(家)建設に振り向けます。
 抵当に入れて借金することを躊躇してはいけません。


(4番卓、ゲームが動いた局面。
 ライトパープルの経営が成功しつつある中、
 連敗中の山本さん<真ん中左>の眼光の鋭さに注目!
 虎視眈々と劣勢の挽回策を練っているのでしょうね)


続けて辻本卓さんも手持ち資金をほぼ全額投資して、
レッドを7軒スタート。
岡田要さんが乗り物(鉄道に相当)をそろえつつ、
ダークブルーにやはり手持ち資金を
ほぼ全額投資で4軒建てて、
ほぼ全員が後先を考えずに一気に勝負をかけます。
緊迫感が漂う一瞬。

山本さんはこの盤上を見て、
「もはや期待収入の低いダークパープルで
喜んでいられる時代ではなくなった」
と判断。
先ほど攻撃した渡辺さんに交渉して、
グリーンを追加経営することになります。
代わりに渡辺さんにはライトブルーを揃えさせて、
さらにいくつかの土地も差し出します。

こう書くと
「グリーンを出した見返りとしてはずいぶんいい条件」
のようですが、そうでもないでしょう。
既に複数以上のカラーグループで
経営が始まっている状態で、
これからライトブルーの経営開始では、
コーン(家)の競売で不利ですし、
他の選手たちが全員何らかの
カラーグループの経営を開始し
ほとんど余力がない局面では、
経営されていない土地などは
すぐに活きてくる見込みは薄いものです。
渡辺さんは交渉の結果、
かなり「我慢の形」を強いられている
といってもいいかもしれません。
*コーン(家)の競売で不利になる
 モノポリーではコーン(家)は32軒しかありません。
 多くのカラーグループでコーン(家)が
 建設されるようになると、
 全てに希望通りの数のコーン(家)を
 建てられるわけにはいきません。
 残っているコーン(家)の数より
 建設したい数が多い場合、
 競売になって、最も高い値段をつけたプレーヤーが、
 コーン(家)を買うことができます。
 コーン(家)の定価は、
 土地の価格が高いカラーグループほど高いので、
 土地の価格が低いライトブルーでは、
 定価よりかなり割高のコーン(家)を買うか、
 コーン(家)の購入をあきらめるしかないので、
 つらいですね。

スコア風に各プレーヤーの資産を大雑把に記しますと
こんな状況になりました。
山本さん…ダークパープル(コーン4軒とホテル1軒)
グリーン(コーン5軒)
荒川さん…ライトパープル(コーン10軒)
     イエローは全て借金のため抵当入り
渡辺さん…ライトブルー(コーン2軒)、
     パワー(電力水道に相当)
岡田要さん…ダークブルー(コーン4軒)
4つある乗り物のうち3つまで、
借金のために抵当入り
辻本さん…レッド(コーン7軒)
現金は全員ほとんどない状態。

勝率の高いレッドを経営する辻本さんと、
一発勝負に強いダークブルーを経営する岡田要さんが、
結構よさそうにみえますね。

一見するとそれなりに有望に見える
辻本さんと岡田要さんが、
先にGOマス付近からサイコロを振ります。
お二人とも、あまりコーン(家)の建っていない
ライトブルーに止まります。
しかし、なんとレンタル料わずか30ドルが
二人とも支払えません。
有力だった二人がわずか30ドルで大ピンチに!
モノポリーって本当に大逆転の目が
そこかしこに転がっていますね。


(山本さんの連敗脱出なるかで注目の4番卓。
 ギャラリーの眼差しも非常に真剣。
 なお右端のチャンピオンジャケット姿が
 2001年日本チャンピオン・
 2004年世界選手権日本代表にて、
 今回の審判長であった植田さん。
 大阪からの上京でお疲れ様でした)


(原文:1999年モノポリー日本チャンピオン 宮野徹
 監修:日本モノポリー協会専務理事・
    2000年モノポリー世界チャンピオン 岡田豊)

2008-02-28-THU

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