モノポリーエッセイ

アメリカモノポリー事情
〜NY、「聖地」アトランティックシティに
 行ってきました(3)〜
「最古のモノポリーの巻」



1日目は夕刻NY入りしたこともあって、NYで泊まり、
2日目にアトランティックシティを目指しました。

NYからアトランティックシティに行くには、
モノポリーの権利書にもある「ペンシルバニア鉄道」(!)
を利用することもできますが、
バスとあまり変わらない時間にも関わらず、
値段は50〜100ドル程度と、バスよりかなり高いので、
今回はバスで往復しました。

ちなみに私たちが利用したグレイハウンズ社のバスの場合、
アトランティックシティまでの往復が
わずか28ドルで済むうえ、
提携カジノホテルから
現金のキャッシュバックがもらえます。
私たちは14ドルをいただきましたので、
往復6時間ほどをわずか14ドルで運んでくれる計算です。
カジノで遊んでくれるからいいよってところでしょうね。

昼過ぎ発のバスを予定していましたので、
午前中はマンハッタンの南にある自由の女神像を観光し、
その後、旅の目的の一つである、
「フォーブスマガジンギャラリー」を見学してきました。

ここは経済雑誌で非常に有名なフォーブス社のオーナーで、
稀代の大金持ちでもある
フォーブスさん個人のコレクションを
無料で公開しているものです。
彼のコレクションでは、
1個が数億円する「イースターエッグ」
(その昔、世界一の金持ちであった
 ロシア帝国ロマノフ王朝の王が
 王妃のために毎年のイースター(復活祭)を記念して
 贅を尽くして、作らせたタマゴ型の小物入れ。
 ダイヤなどがふんだんに使われているのはもちろん、
 細工も非常に凝っていて、芸術品である)
が有名なのですが、もう一つ有名なのがモノポリー。

フォーブスさんは
「ビジネスの全てをモノポリーで学んだ」と
おっしゃるほどのモノポリーフリークでして、
古いモノポリーボードを中心に収集されています。
ここでは、「最古のモノポリー」とされる
モノポリーボードを見てきました。

どのモノポリーボードが最古かというのは、
ほんの数年前まで
「チャールズダロウの開発したボード」というのが
定説でした。
しかし、どうもチャールズダロウは
先駆者のゲームを参考にしたのではないかとされ、
版権をもつハズブロ社の調査で、
とある女性の開発したゲームを
チャールズダロウが参考にした、
とついに結論付けました。
これは定説を信じてきたモノポラーにとっては
驚天動地の出来事でした。

このギャラリーでは、
なんとチャールズダロウが参考にしたとされる
ある女性が開発したゲームのボードも飾られています。
いながらにして最古のモノポリー論争を
振り返ることができるわけですね。
そこで私もにわか歴史家ふうに、
論争を検討してみましょう。

先駆者(女性)の開発したボードをみますと



権利書名に相違があったり、
カラーグループは存在しないものの、
四角形で、角に「刑務所に行け」があるなど、
現在のモノポリーにおける
ゲームシステムの一部が垣間見られます。
つまり厳密な意味での「最古のモノポリー」といえます。
ハズブロの見解は間違ってないでしょう。

でも、もう一方のチャールズダロウの作った
モノポリーボードは、
土地の名前などがほとんど現在のモノポリーと同じです。
ボードの形はなんと円形!なのですが、
Goマスや刑務所の位置に相違ありません。





つまり、皆さんが現在遊んでおられる
モノポリーのゲームシステムは
間違いなくチャールズダロウが
最初に固めたものといえそうです。

*この最古のモノポリーをめぐる論争は、
 海外において高い人気を誇る放送局
 「ヒストリーチャンネル」
 (日本ではケーブルテレビやスカパーでも)の
 「失われた物を探して」シリーズでも
 取り上げられています。

2004-04-07-WED

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