モノポリーエッセイ

第23回目
注目の予選第4ゲーム


こんにちは。百田です。

まず、「モノポリーバー」はお陰様で、
6月、7月と無事に開催できました。
参加者の皆さんには概ね喜んで帰っていただけたようで
うれしい限りです。
特に、「ほぼ日」を見てきた、というかたに
お越し願えたのは収穫でした。
8月もおこないますのでぜひ、来て下さいね。
ルールを全く知らない方も、
お一人でお越しの方も大歓迎です。

次のお知らせです。
いよいよ今年も日本選手権のシーズンがやってきました。
8月末から各地区で予選がおこなわれますが、
今年は、この協会のページからも
エントリーが可能になりました。
特に複数の地区にエントリーしようとする猛者には
ありがたい仕組みだと思います。
詳しくは別項の
「モノポリー日本選手権のお知らせ」をご覧下さい。


さて、ベルリン大会は、予選の2日目。
予選最終第4ゲームです。

前回お伝えした通り、
この第4ゲームは何と糸井さんとわたしが
同じ卓で戦うということになったのです。
メンバーは次の5人です。

7番テーブル
:糸井さん、百田、イギリス、ニュージーランド、
 スウェーデン

スウェーデン代表は14才のメガネっ娘。
この子がやってくれました。


編集部註:
スウエーデン代表(左)と百田さん親子(右)


ゲーム開始早々からこのスウェーデン代表の女の子が
権利書を買いまくりました。
モノポリーでは、カラーグループが8つ存在します。
ですから例えばですが、
あるプレイヤーが8つのカラーを
1枚ずつ手に入れることができれば、
そのプレイヤーがカードを手放さない限り
他のプレイヤーはカラーグループを
絶対に独占できないのです。
8つのカラーをすべて1枚ずつでも手に入れたプレイヤーは
相当勝ちやすくなります。
全く無理をする必要がなくなるのです。
業界ではこれを鎖国作戦と読んでいますが、
余程カードが偏らない限り滅多にお目に掛かりません。

この鎖国作戦、スウェーデン代表が
今一歩というところまで来ています。
つまり、彼女は、ダークパープル、ライトブルー、
ライトパープル、オレンジ、レッド、イエロー、グリーンと
7色まで手に入れたのです。
ないのはダークブルーだけです。

我々はというと糸井さんは、まずまず。
私はあまり権利者が買えず、
いわばキャンセル待ちといった状況でした。
こうしているうちに恐れていた瞬間がやってきました。
スウェーデン代表が
とうとう最後のカラー、ダークブルーの
「ボードウォーク」に止まったのです。

これを彼女が買えば「鎖国作戦」の完成です。
場に絶望的な空気が流れました。

ところが、次の瞬間、信じられないことが起こりました。

「競売!」

何と、彼女は「ボードウォーク」を買うことを
拒否したのです。
それまでにたくさんの権利書を買っていたので
現金がなかったのでしょうが、
ご存じのように
現金は他の権利書を抵当に入れることによって
作ることができます。
この場合も何が何でもそうして
ボードウォークを手に入れるべきでした。

一難は去ったものの、
彼女の権利書での優位は変わりません。
我々は、あの手この手で彼女にアプローチしますが、
色好い返事をもらえません。
相当サービスしたオファーを出しても
答えは、「NO!」でした。
まるで、彼女は
どのカラーも揃えたくないように思えました。

ところが、彼女にもお気に入りのカラーがあったのです。
それは、レッドでした。
イギリス代表からオファーがあると、
今までと違って積極的に交渉に応じ、レッドを揃えました。
ようやく、ゲームが動き出したのです。

私も糸井さんと世界大会で初めての取引に成功しました。
糸井さんがグリーンを揃える交渉だったと記憶しています。
糸井さんはそのあと、上手く立ち回って
優位にゲームを進めます。
結果的には何と、あの序盤に栄華を誇った
スウェーデン代表が真っ先に破産していきました。
しかし、序盤にあまりにも長い停滞時間があったのが響き
糸井さんもグリーンで全員をしとめるまでには
行きませんでした。

結果は、1位が、糸井さんで、5057ドル、
2位はイギリスで4901ドル。
3位が私の1804ドルでした。
ニュージーランドとスウェーデンは残念ながら
破産という結果です。

糸井さんがトップを獲得し、
決勝進出に一縷の望みを残します。
結果発表が待たれます。

2001-08-12-SUN

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