ほぼ日・デリバリー版。

第15号 部活のかけ声。


こんにちは!
今日は、「部ばなし」と題された
デリバリー版のミニコーナーを紹介しまーす。

体力のありあまっている中高生たちは、
なぜ、「ボイ!」「チョイー!」「モアイ!」などと、
わけのわからないかけ声を発するのか‥‥?
そのヒントは、このコーナーに隠されています。

今年春に流行った企画。まとめてどうぞ。







・わたしは、高校時代、水泳部でした。
 かなりハードなところだったので、
 練習を休む理由を考えては、体育教官室に行っていました。
 「お昼の牛乳でお腹がいたくなったので休ませてください」
 「体育で足を捻挫したみたいなので休ませてください」、
 「カゼ気味なので」
 そう言っても、顧問の先生は、
 「泳いだら治るよ?」とつぶやくだけ。
 「試験勉強をするので」「母が病気で」
 と言ってさえも、
 「泳いだらできる」
 「泳いだらなおる」
 ・・・泳ぎはなんにでも効くのかよ!
 (ちずっぴ)



・中学生のころ、卓球部でした。
 卓球室には卓球台が三つしかなく、
 レギュラーからあぶれたわたしたち補欠組は、
 学校のいちばん隅の技巧室にいました。
 顧問の先生もほとんど見に来ないので、もう無法地帯。
 錆びかけのはしごから屋上までのぼったり、
 裏の川に入って魚を素手で捕まえようとしてた・・・。
 (ふく)



・小中高とサッカー部に所属していたのですが、
 高校生のときの掛け声というか、
 決まり文句が、今思い出すとかなり「変」でした。
 まず先輩や先生に会うたびにしなければならない挨拶が、
 「こんにちわ」→「こんにちわっす」→「ちわっす」
 が進化したと思われるものでした。
 1年次は「チェーイス!」で、
 2年次は「チョウ!」でした。
 あとは、練習中の掛け声で、
 「がんばれ」→「がんば」→「がんばい」が進化したのか、
 1年次は「ガンボイ!」で、
 2年次は「モアイ!」
 3年次は「ボイ!」でした。
 (だ)



・私の出身中学校の野球部も
 「ガンボぉイ!」と声を掛け合っていました。
 私は「頑張れボーイ」の略だと信じていて、
 なんてアメリカンなんだろう〜オシャレ!
 って思っていました。
 当時は、英語も習いたてでしたから
 「やっぱり中学は小学校と違うなぁ」と、
 妙に感心してしまい、いくら丸坊主にしていても、
 アメリカン!な野球部のセンパイ達に憧れていました。
 (まちゅぴちゅ)



・うちの学校は商業高校だったので
 ユニークな部がたくさんありました。
 中でも珠算部は、
 全国制覇を何度も成し遂げているかなりの強豪で
 珠算十段の学生とかが
 ゴロゴロ転がっている不思議な部でした。
 肩こりが職業病のようで
 「いいマッサージ知らない?」
 「きのう鍼行ってきてさあ」
 「いまここに鍼が3本入ってんだけど」などという
 高校生らしからぬ会話が飛び交っていました。
 そんな彼らが最もクローズアップされるのが、
 毎年春に行われるクレペリン検査です。
 これは、端から数字を足し算していく性格検査なのですが、
 彼らは光よりも速く暗算をしてしまうため
 「測定不可能」という結果が帰ってくるのが、例年のお約束。
 我が校に代々伝わるネタとして、受け継がれています。
 他にも英文タイプ部(はちまきをしてひたすらタイプをする部)、
 電算部(主に体育祭のときの人文字づくりで活躍する)など
 商業高校ならではの多彩な顔ぶれが楽しかったです。
 (よーこ)



・「今日のダーリン」の
 1分間に何字しゃべるというところを読んで、
 高校の部活動を思い出していました。
 「1分間250字、3分。よぉ〜い、始め!」
 わたしは「速記部」にいたんです。
 国会中継なんかで、ひたすら何かを
 記録・書いている方々が映りますでしょ?
 あれ、です。
 知らない人が速記文字を目にしたら
 ミミズが這っているか、悪戯書きにしか見えないですが、
 曲線と直線、その長短、濃淡などで判別します。
 「4B鉛筆をダース単位、
  練習用の藁半紙を1000枚単位で何包みも
  抱えて通学する高校生」でしたから。
 かなり不思議です。
 日々の部活内容は、毎日毎日、
 地味にひたすら黙々と練習あるのみ。
 基本文字を覚え、考案された短縮文字、
 表記方法を身に付けていき、
 1分間に読み上げる文字数を
 だんだん増やして文章速度を上げていきます。
 読み上げられる文章を速記文字で書き取り、
 それを翻訳。この繰り返しです。
 全国大会(!)での優勝レベルになると
 1分間350〜400字速度で、
 数分間の文章をノー・ミス。
 もちろん速記そのものも大事ですが、
 もう最後は精神力。根性と集中力が勝負。
 ちなみに、大会には個人戦・団体戦があります。
 (驚いちゃいますよねー?)
 こういった一種の特技は、
 やはり毎日毎日継続して練習鍛錬しないと、
 あっという間にレベルが落ちてしまうもの。
 例えば、珠算やプロ・スポーツと同じです。
 あの頃は本当に毎日毎日、4B鉛筆の日々でした。
 そんな風に過ごしていると、
 あらゆる文字・記号・表記方法がゴッチャになって、
 「キャー!片仮名が思い出せない!書けない!」という、
 驚くべき幼稚園児文字学習逆戻り状況になったり、
 あるいは誰もが通る道として
 全校朝礼で校長さまの講話を聞きながら、
 その言葉に沿って、指が床の上にミミズを
 書いている…
 校歌・応援歌を歌いながら、頭の中のスクリーンを
 速記テロップが流れていく等といった
 悲しい現象・中毒に陥ったりもしました。
 とにかく耳から入ってくる言葉すべてが
 いったん、速記文字になっちゃうんですわぁ。
 (むつこ)



・部活の話ではないんですが、
 私が通ってた高校は周りが全て畑でした。
 高2の体育祭の時、
 「3年生の男子グループが
  体育祭の途中のひまな時間に、
  ミカン畑からミカンを盗ってきた」
 ということで、体育祭当日にかなり怒られてました。
 (1個や2個ならともかく、
  バケツ持参で山ほど盗ってきたらしい)
 先生が「何でこんな事すんねん!」と詰問すると
 「美味そうやし、喰いたかった」・・・。
 私たちは「なにやっとんねん!」と大笑いでした。
 (さのじ)



・私も高校でバレー部だったとき挨拶言葉として
 「ちょーいす!」使ってました。
 男子部員が使っているのを
 女子部員もいつのまにか使うようになったのです。
 (Hippie)



・小学校のころ、剣道道場で少女剣士していました。
 日曜の練習前に、学校のまわりをランニングするのですが、
 その時のかけ声は
 「エッチねー エッチねー(1、2 1、2)」
 としか聞こえませんでした・・・。
 (ゆうこ)



・我がテニス部は先輩が試合の合間に
 1年が飲み物を持っていくしきたりがあって、
 「せんぱ〜い おみっつガンバいっぽんです!さ〜せん!」
 と言うんです。
 <※訳:先輩お水です、失礼します>
 ・・・大声で叫ぶのが恥ずかしかった。
 (SHOKO)



・ほぼ日デリバリー版の挨拶の話をみて、
 長年の謎が解けました。
 私の通っていた高校の野球部の人が、
 通学途中に「チョイー!!」と叫んでいて、
 一体何と言っているのだろう?と思っていたのです。
 私の後ろから、前にいる先輩に
 「チョイー!!!」と奇声を発しているのを聞くと
 いつも「!?」と、
 心臓が止まりそうでしたので・・・。
 (す)



・中学生の音楽の時間。
 校庭の雪景色を見ていると体育の先生がいたので、
 手を振ってみました。するとニヤッと笑い、
 手に持った竹ボウキの柄で、
 テニスコートいっぱいの相合傘を書きはじめた。
 そこにはなんと、先生と私の名前が・・・。
 おいおいそんな関係じゃないって!
 (仁)



・わたしはとっても田舎な中学へ通っていました。
 私の入っていたバスケ部では
 週に1回体育館が使えないので、
 学校の周りを走る日がありました。
 でも中学生の私たちには5周っていうのは結構辛くて、
 ついつい友達とコースを外れて、
 みかんや柿を盗って食べていました。
 でも季節によっては
 食べるものがなくなってしまいます。
 そんなある日ふと
 横の畑になっている赤い実が目に入りました。
 それは唐辛子。
 知っていたけど食べてみたら、
 やっぱりとっても辛かった。
 (りんご)



・高校卒業した妹が上京してきて一緒に住む事になった。
 昔から寝言が多い人だったがさらにヒドくなってた。
 「ハイッ!ハイッ!・・・
  ナイッサー(ナイスサーブ)そ〜れっ!」
 「○○中〜〜(中学の名前)
  ファイッオー!ファイッオー!」
 毎晩夜中に大声で叫ばれて飛び起きてしまいます。
 ブラスバンド部の私にはバレー部のかけ声はおそろしい。
 (ぶ)



・珠算部のおはなしで懐かしく思い出しました。
 私の高校も商業でした。
 そこでは、先生に怒られるような事をしでかすと
 決まって放課後に
 「そろばんを持ってグランド3週!」でした。
 クラブ活動で大勢の生徒のまわりを
 “シャカ・シャカ”と軽快な音を
 起てながら走るのが、何とも恥ずかしかったです。
 (どな)



・私の通っていた高校は、築何十年のおんぼろ木造校舎。
 落書きしても、壁に穴を開けても叱られることはなく、
 雨の日は陸上部が廊下を走っていました。
 私たちの卒業と同時に取り壊されたので、
 希望者は校舎の備品をなんでも貰うことが出来ましたが、
 だからといって、あんな
 大きな黒板を貰っても仕方がないし、
 結局、壁いっぱいに落書きをして卒業しました。
 (はとぽっぽ)



・変な掛け声、一つ思い出しました。
 高校の頃、通学路の途中に
 自衛隊のグラウンドがあったのですが、
 ある日通りかかると、マラソン中の自衛官の一団が
 「1、2、1、2、かあちゃん待ってろよ〜!!」と。
 友人に話したところ、他にもバリエーションがあるとか。
 (hi)



・最近の部ばなしを読んでいて高校時代を思い出しました。
 僕は商業科に通っていて「ワープロ部」だったのです。
 ちなみに大会もあり、できあがった文章をひたすら打ち、
 その速さを競います。同い年の女の子は、
 いつも1行や2行、平気ですっ飛ばすので、
 みんなから(ネバーエンディング・ストーリーの)
 「ファルコン」と呼ばれてました。
 ちょっと不良の先輩と付き合っていた彼女。
 子供も産んだみたいだけど、今頃なにしてるのかなぁ。
 (超)






珠算部や、速記部のひとたちの
高校生らしからぬメンタリティも、
異様に気合いのはいりすぎたかけ声シリーズも、
たまらないものがありますよねぇ‥‥。

ここに載っているどの人も、なんか、
「そういうやつ、学年にひとりぐらいいた」
って感じが、よかったです。

では、次回のこのコーナーで、またお会いしましょう!

デリバリー版への激励や感想などは、
メールの表題に「ほぼ日デリバリー版」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2002-11-02-SAT

HOME
戻る