また、とてもおもしろい時間をくださって、
ほんとうにありがとうございました。
みゆきさんにお会いすることが決まると、
どんな話をしようかなぁと、たのしみに考えはじめます。
もちろん、いつでも、あれこれ考えたことが、
そのままことばで交わされることもなく、
わんこやにゃんこが転がりまわって遊ぶように、
「ただの遊び時間」が過ぎるだけなのですが。
それでも、なにを話そうかと想像していた時間のおかげで、
長いたのしみが生まれるので、
あれこれ考えたことがよかったよなぁ、と思うのです。
なんだろう。その、語られていることよりも、
語られてないことの大きさのほうが、
たくさんやりとりされているような時間。
それが、みゆきさんとお会いしたときのたのしみです。
見えない荷物のやりとりが、大仕事でもあるし、
大汗かくだけのおもしろさでもあるんですよね。
せっせせっせと、よいしょよいしょと
かけ声をかけるわけでもないのですが、
なかなかの力仕事でもあり、
あなたはごぞんじないでしょうが、
ぼくのたましいは、たいした筋肉痛になるのです。
しかし、それが気持いいんだなぁ。
あなたは、そんなことにはなりませんか?
そう、それから、
帰り際に、ぼくの身長が伸びているとしたら、
たぶんそれは、激しいトレーニングのあとに筋肉がふくらむ
「パンプアップ」という現象なのではないかしらん。
たましいが、痛みとともに増大しているんでしょう。
‥‥というようなでたらめなことを、また、
話したりして遊ぶ機会を、ぜひつくってください。
あとひとつ。
こんどのアルバム『真夜中の動物園』のこと、
たくさんしゃべれなかったけど、
たったひとことで言うならば、
「昔のように、いまもいい。」です。
なんだか、とてもありがとうございました。
またねーっ。
糸井重里でした。 |