音楽やってる女子高生通信
(from N.Y.)

『VOL.6』

「NY高校生活PART 1」

NYに引っ越して来たばっかりの頃は、
「もうかれこれ10年になるかしら」
と誰かが言うと「わおーー」と思ったものですが、
サカモトファミリーももうそろそろNY暮らし10年目。
小3を終えてこっちに来てから日本の教育は
全く受けていなくて、現地のローカルの学校に
通ってきたのも、もう今年で最後。
今、高校12年生です。小1-5、中6-8、高9-12、
というシステムだから、高校4年生というのかな。

うちの学校は公立で、規模は1300人くらい。
とにかく校舎が広くて最初はみんな迷子になる。
大学のキャンパスっぽいかもしれない。
スクールバスもあるけれど、みんな16歳で免許を取るから、
高学年はほとんどみんな車で通ってる。
だから学校の周りは広大な(雨が降ると洪水になる)
駐車場。
わたしも免許を取って
もうそろそろ2年半くらいになるかなあ。

実は、これってとんでもないことなんだけど、
全校生徒1300人の中でなんとわたしが一番年上なの。
こっちは新学期が9月からで、
NYに来た時に半年落として小3をもう数ヵ月やったので、
そのまま半年落としたまま進んできてるの。
だから、今年6月に卒業するころにはもう19歳!
(5月誕生日)かっこわるすぎでしょう...。
アメリカ人の中には同じ学年で一年半下とかいるからねえ。
その人達は17歳で卒業できるんだから、
これって十代にはかなり大きな事。
19歳まで学校に束縛されているのは
時間を無駄にしたような気がして...。
まあそのかわり
内容の濃い日々を生きているつもりではいるけれど!
でも学校一年寄り生徒って
なりたくてもなかなかなれないからいいか(笑)。

こっちの学校は校則というものが基本的に、ない。
人を傷つけたり、裸で歩き回ったり、
まあそんな人間社会の域を超えなければ。
あ、裸足はいけないのかな、それだけ。
だからほんとにいろんな人がいる。
髪が赤、青、ねまき着てる人、パンク、
明らかにそれは下着でしょう! っていうような
スリップ「ドレス」を着てる子、
パンツ見えるキラキラ・サイバー・スーパーミニスカートを
バービー人形の足で堂々と着るかっこいい生徒会長、
全身ヒップホップな子、
一目見てそれと分かるマリリンマンソン・ファン...。
それでもうちの学校は比較的平凡なほうで、
おぼっちゃま・お嬢様はかなり多いので、
大多数はGAPを着ているような健康的な子たち。
少数を除いてはみんな同じような格好、
というのは日本と同じかな? 
その「少数」が激しいけれどね。
ってこうやって客観的に書いているけれど、
自分はどうかっていうと...ファッションでいえば、
数年間毎日黒い服しか着なかった、っていうのはあった。
ゴシック的な。

最初はポリシーとかではなくて、
ただ安心するから黒い服を着ていたんだけど、
そのうちに学校でも全身黒として
有名になってしまって(笑)、
たまーに青いセーターとか着ていくと
クラスがざわめいたり、
先生気付いてくれなかったりも(笑)。
なかなかおもしろかったなー。
その反動で最近は苦笑されるほどカラフル。
髪も5年生から染めてきたし、
そのへんは束縛されることなしに自由に気の向くままに
楽しくやってこれたと思うので、それはとても感謝!
ファッションや外見を自由にできるっていうのは、
個々のアイデンティティーを捜して守ることでもあるから、
かなり重要なことかな、って思います。

でも、日本の中学や高校に行きたかった時期も
ほんのちょっとあったかなあ。
高校があって、コンビニがあって、電車通い、
教室の窓際は暖かくて、誰かが授業中眠ってる...。
そんなよく見る「風景」がうらやましかったのかも。
制服というものを一度着てみたかった...
なんて贅沢すぎる悩みなんでしょうか。
果てしなく似合わなかっただろうけど(笑)。
ないものねだりだネ。

1999-02-09-TUE

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