ほぼ日刊イトイ新聞 - 目薬ポーチで編みもの入門。

三國万里子さんの新刊『冬の日の編みもの』出版記念ウェルカム、ぶきっちょさん！目薬ポーチで　編みもの入門。先生は三國万里子さん

ほぼ日	編みもの初心者のみなさん、お待たせしました～！さっそくですが三國さん、よろしくお願いします。
	よろしくお願いします。
ほぼ日	これから、できるかぎりくわしくていねいに、「目薬ポーチ」の編み方を教えていただけるわけですね。
	はい。ゆっくりまいりましょう。一気に完成まで解説するのではなく、何回かのステップにわけて説明していきますので、あせらずじっくり編み進めてください。
ほぼ日	わかりました。 ‥‥みなさん、がんばりましょう！毎回の最後に、「三國さんの手もと動画」をおつけします。テキストを読んで、動画を見て、何度もくり返して‥‥ 確実に毎回のステップを身につけてくださいね。
	それでは、まいります。

１）毛糸、編み針、　　プリントアウトした編み図を用意する。
	前回おしらせした〈用意するもの〉は、みなさん準備していますでしょうか？
ほぼ日	こちらですね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈用意するもの〉・極太毛糸をひと玉（お好きな色で）・10号の２本棒針・はさみ・とじ針・筆記用具 ※よくわからないかたは、手芸洋品店の店員さんに　このメモを見せて相談してみてください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
	はさみ、とじ針などはもっと後で使います。まず最初は、ここから。

ほぼ日	毛糸と、編み針。左には編み図。 ‥‥この毛糸、かなり太いようですが？
	これは、「極太」よりももっと太い毛糸です。きょうはわかりやすいよう、これにしました。編み針もすこし太い12号で。
ほぼ日	なるほど、わかりやすいように太い毛糸で。ということはわたしたちは、好きな色の「極太」を用意すればいいのですね。それと、10号の２本棒針。
	はい。「目薬ポーチ」をつくるのであれば、そうしてください。太い糸で編めば、同じ設計図でも完成は大きくなります。つまり、今日わたしが持ってきた毛糸で編むと、目薬を１個だけを入れるにはちょっと大きめのポーチになります。
ほぼ日	「目薬３個入るポーチ」くらいになってしまう。
	そうですね（笑）。
ほぼ日	わかりました。「極太毛糸」を「10号の２本棒針」で。あとは‥‥ 編み図は、プリントアウトしたほうがいいですか？
	ぜひ。手もとに置いて何度も見ながら、メモや印を書き込んだりして編むことになります。「画面の編み図を見て編む」というのは、困難なので。
ほぼ日	というわけで、みなさんどうぞプリントアウトを！クリックでPDFの編み図がダウンロードされます。プリントアウトしてお使いください。

２）作り目をつくる。
	これから２本の棒針を使って編み進めるわけですが、編みはじめに、「作り目」をつくります。
ほぼ日	「作り目」。編み目のもとになる、最初の「目」のことですね。
	「作り目」にはいくつかの方法があります。きょうは、そのなかのひとつをお教えしますね。まず、くるんとちいさな輪をつくりましょう。毛糸玉から糸を引き出して、引き出した糸の先が、ループの下側にあるようにします。
▲左側には糸の先が、右側には毛糸玉があります。
	実はですね。
ほぼ日	はい。
	このわっかがすでに、作り目のひとつ目なんです。
ほぼ日	‥‥え？　たったこれだけで、もう作り目？

３）ループに編み針を通す。
	つづいてまいりましょう‥‥こうです。
▲先のほうだけ通せばＯＫ。
ほぼ日	はい、わかります。さすがにわかります。

４）編み針と毛糸を持ち上げる。
	そうしましたら、編み針と毛糸をこのように持ちます。

ほぼ日	あ‥‥初めての方はここでもう難しいと思います。ここからもう、見失ってしまう方がいらっしゃるかもしれません。持ち方について詳細にお願いします。
	わかりました。まず左手。左手は、ループに通した編み針を、毛糸といっしょに持っています。こんなふうに親指と人差し指で毛糸をおさえながら。

	右手は、毛糸玉からきている毛糸と、もう１本の編み針を持っています。

	このとき、右手の毛糸は、中指と薬指と小指で包み込むように持たれ、人差し指と中指のあいだから、左側に向かって出ています。
ほぼ日	最初はどうしても、ぎこちないですよね。
	はい。急がなくていいので、ゆっくり確実に、写真をよーく見ながら「作り目」を進めてください。

５）編み針をクロスさせる。
	編み針と毛糸を持ち上げたら、右手の編み針を‥‥このようにクロスさせます。

ほぼ日	右手の編み針の先を、左手のループに通している編み針の下側へ、さしこむ。
	右手で持っている毛糸は握ったままです。

６）編み針２本を左手に持ち、　　右手側の毛糸を上に引きあげる。
	次、ちょっと難しいですが‥‥こうなります。

ほぼ日	おおっと‥‥？すみません、くわしくお願いします。
	まず、左手をよく見てください。左手にあった毛糸と編み針を握ったまま、さらに親指と人差し指で、右手の編み針も持ちます。

	そしたら、右手側の毛糸を上の方によいしょと引きあげましょう。２本の棒針の向こう側へ、「反時計回り」で引きあげるイメージで。
▲右手の毛糸は、中指と薬指と小指で持たれたまま、　人差し指と中指のあいだを通って針につながります。　また、人差し指への毛糸のかかり方にも注目。　人差し指は、糸のテンションを調節する役割です。　これが右手の基本的なフォームです。

７）編み針のあいだに毛糸を渡す。
	右手で引きあげた毛糸を、編み針と編み針のあいだに‥‥こうやって渡します。
▲右手の人差し指と中指ではさんでいる毛糸は、　テンションを一定にしつつ、送り出すイメージで。
ほぼ日	「渡す」というのは、毛糸を通らせるということですね。
	ええ。この場合、奥の編み針に反時計回りで巻きつける感じで、手前の編み針とのあいだに毛糸を通します。

８）渡した毛糸を、　　右手の編み針でひっかけて手前へ。
	編み針と編み針のあいだに「渡した毛糸」を、右手の編み針の先で引っかけます。

ほぼ日	渡した毛糸を引っかける‥‥。
	ここです。ここに針の先を引っかけて、手前へぐいっともってきます。


９）編み針をずらす。
	「渡した毛糸」を手前側に引いたら、右手の編み針を‥‥こんなふうにずらします。

ほぼ日	右手の編み針を深く刺す感じですね。

10）右手の編み針のループを引きあげる。
	右手の編み針にかかっている毛糸のループをしっかりと引きあげます。
▲右手の人差し指と中指にはさんでいる毛糸が　するすると出ていく感じをつかみながら。
ほぼ日	あ、そんなに引っぱるんですね。 ‥‥あとでそこが、ゆるゆるになりませんか？
	このままだと、なります。なので編み目ができたときに、右手の人差し指と中指にはさんでいる毛糸を動かして、ちょうどいいループの大きさに調節するんです。
ほぼ日	ええと‥‥。
	具体的に、もうすこし先の工程でお見せしますね。

11）引きあげたループの右側から、　　左手の編み針を入れる。
	しっかり引き出したループに、左手の編み針を「ループの手前の糸の右側から」入れます。

	このとき、動作としてはループの左から針を入れる方がナチュラルなのです。でも、ここは「ループの右側から入れる」ことが大事。間違わないよう、ひと目ずつ確認していきましょう。

12）２目め、完成。
	ここですね、このタイミングです。右手の人差し指と中指にはさんでいる毛糸を動かして、ちょうどいいループの大きさに調節します。こうして、すっと締めて‥‥。

	作り目の、２目めができました。
ほぼ日	なるほどー、見ているとよくわかりました。でも、実際に自分でやるのは難しそうです。
	そうですね、どうしても最初は。誰でもそうです。でも、慣れてきたら自然と身につきます。右手で毛糸のテンションを調節することは、最後までずっと、編みものの大切なポイントなので、すこしずつ慣れていきましょう。

13）３目～15目めまで作り目を編む。
	３目めからあと、15目めまでは同じ作業です。さっきと同様に、編み針と編み針のあいだに毛糸を渡し、３目めを作りはじめます。
▲５）のときと同じ、クロスした編み針のポジション。　今度は目がふたつになっています。
	渡した毛糸を引っかけて手前に出し‥‥。

	引き出したループの右側から、左手の編み針を入れる。この作業を15目めまでくり返します。


14）作り目、完成。
	15目の作り目が完成した状態がこちらです。

ほぼ日	もう、編めているわけですね。
	そう、これで「作り目の１段を編んだ」ことになります。

15）左側の糸を結ぶ。
	ちいさなループが15個あるか、しっかり数を数えてください。目を数える作業はずっと続きます。 15個しっかり並んでいたら作り目は完了。左側の糸がこの先を編んでいくとき邪魔になるので、こうやって結んでおきましょう。

ほぼ日	「作り目」が、できたのですね。
	できました。わからないところがあった方は、最初からやり直してみてください。
ほぼ日	なるほど、何度か練習してみます。 ‥‥ところで三國さん、まだ、「編み図」というものを使ってませんが‥‥？
	そうですね、編み図の見方については、もうすこし実際に編んでからご説明します。最初に編み図で混乱するよりも、とにかく１段ずつやってみましょう。
ほぼ日	わかりました。引き続き、よろしくお願いします！（つづきます）

動画でおさらいしましょう

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2012-11-09-FRI