Yeah!Yeah!Yeah!
マイクロソフトの
古川会長がやってきた。

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古川 最近買ってうれしかった家電製品とかあります?
糸井 最近? 僕はね、『通販生活』のモニターの仕事を
しているんですよ。でね、いろいろやるんだけど……。
古川 家電にかぎらず。
糸井 ひとつはね、眼鏡を超音波で掃除するやつがあって、
キレイになるんですよー(笑)。
で、レンズもそうなんだけど、継ぎ目のところとかに、
人間のアカがついてるんですよね。
それが、けむり状になってモア〜〜〜〜ッ、
と立ち上ると「おおぉ」って思って、
ちょっと感動した。
洗濯機で、いま、超音波のがあるでしょ?
あれ、全面的に超音波ではないらしいんだけど、
いま、ちょっと、超音波、興味もってるんですね。
これがひとつ。もうひとつはね、
同時に、バター製造機を買ったんです。
自宅でつくるバターは、感動しますよ。
もちつき機以上に。
古川 昔ね、機関車の運転手をしている人が、
朝、アルマイトの弁当箱に牛乳を入れて、密封して、
蒸気の出るところに貼り付けておくんだって。
「シュッシュッシュッシュッシュッシュッ!」
って運転しているうちに……。
糸井 バターに!!
古川 ええ話や! ってね(笑)。
食品って、なんなんでしょうね、魅力がありますね。
昔、商店街とか行って、ドーナツの製造機とか、
ウインドウにはりついて見てた。
糸井 あれはそれこそ、「脳」じゃなくて「内臓」にひびく
よろこびがありますよね。
古川 食い物関係はね。
糸井 大判焼きなんかもオートメーションになったとき、
見てましたよねえ!
古川 レストランひらまつの平松さんがやっているパン屋さんが
恵比寿の近くにあるんですよ。ここのオープニングに
うかがったときね、嬉しいことがあったんですよ、これが。
オレンジジュースを頼んだんです。
すると、ジュース用のオレンジを2個と、グラスをくれる。
「これ、自分で搾れっちゅうのかおまえらーっ!」
っていう状態で……。
そうしたら、製造機があるっていうんですね。
グラスとオレンジを持ってジュース製造機のところに行って、
上からオレンジを入れるんです。
すると、上からグーッときて、途中で
「パカッ!」とオレンジが割れて、
「しゅぽん、グゴゴゴゴゴッ!」って、ジュースが!
糸井 すごい……!!
古川 「すべてのアクションを、見せますぜ!」
って感じがいいんですよ。
「あなたのオレンジがここまで来て、スクイーズ!!」
糸井 わかる。
メカニズムってやっぱり面白いですよね。
対応関係がはっきりわかるっていうのが嬉しいですね。
僕はいま理解できる機械って、エレベータまでじゃないか。
あれは、昇って降りるだけだから(笑)。
古川 でもアメリカなんか行くと、下から油圧でグググッ、と
押し上げてあるやつあるでしょ。
糸井 陰で隠れていろんなことしてるやつがいるんですよねー。
あと、エレベータの待ちあわせなんかにはものすごく
エレクトロニクス使ってますよね。
古川さんは、最近は何が? オモチャというか。
古川 最近ねえ……。
糸井 コンピュータ以外で、ですよ(笑)。
古川 レンズなしマビカ(デジタルカメラ)。
糸井 マビカの、レンズなし?
古川 あれが面白い。
糸井 光学的なものがないんですか。
古川 ないんです。でね、テレビにつないでね、
フロッピーディスク1枚で
画面のスナップショットがとれるんです。
それでぜんぶJPEGファイルに保存できる。
今までは、カメラで撮影するとか、録画するっていう
ことでしかなかったでしょ。
「この一瞬はスナップとっておきたい」
ていうのは、今でも、ビデオプリンタで、
押したら印刷されるものはあるけれども、
映像の流れの中でスナップショットを記録に録って
それをあとで自分のプレゼンに使いたいな、
と思うときがあるんですよ。そんなとき便利。
すごく小さいの。
糸井 ということは、自分で材料になるビデオがあれば、
そこから録って、使えるということですね。
古川 あとはJPEGファイルをそのまま。
たとえば自分に著作権がある映像や、
自分が出演しているものなどがあったりしますよね。
それをホームページに使うJPEGファイルに
しようとしたら、取り込みは、ソフトは、っていう
ややこしい話になる。それがそのまま録れるわけ。
そういう、理科系じゃなくて、嬉しいもの……。
糸井 webTVもそうですね(笑)。
古川 そうそう。それから世田谷の若林にある会社でですね、
日本珪素化学工業、というところがありましてね。
ハイホームという洗剤を出しているんですが。
糸井 シリコン系ですね。
古川 火山灰からつくったクレンザーなんですよ。
それが、あらゆるケミカルのものとは全然違って、
自然のものなんだけれど、めちゃくちゃよく落ちるんです。
糸井 もう、おためし済み? 売ろうか!?(笑)
古川 おためし済み。僕、鉄道模型の愛好会とかで
はやらせてますけどね、
やっぱり、こんなにピカピカになるのかっていうくらい。
よく昔、タバスコを落としたら10円玉がピカピカになる、
っていうのがあったじゃないですか。あんな感じ。
さっきの超音波洗浄も、模型でもよく使うんですけど。
糸井 あ、そうですよね。油おとししたりして。
古川 油おとしもそうだし、ちょっと変わった使い方もあって。
塗料で、アクリル塗料でもなんでも瓶の中で分離したり
固まったりすることがあるんだけど、
水を張った状態で塗料瓶を入れて超音波洗浄かけると、
完全にきれいに溶けるんです。
糸井 細かい振動でタタキまくっているわけだ……。
古川 そうそう。
糸井 知らなかった。
古川 ともあれハイホームはおすすめですよ。
糸井 しかし、古川さんって、消費者として
イキイキしてますね(笑)。
秘書 ネットでも、最近面白いのはコレだ、
なんて話してますよね。
糸井 つまり、お客として動いている話ですよね。
古川 でも一般性がないようなものが多いですけどね。
糸井 それは……感じますけど(笑)。
古川 そうだ、これまで、LEDって、緑色とか赤で、
光る小さなランプ、いろいろなものについてますよね。
あれの、青いやつがあるんですよ。
キレイなんだなぁ……。
糸井 ほ、ほう……。
古川 見た瞬間、プルプルッ! ってくるほどに。
「美しいッ!!」って。
……ばかじゃないの、とか言われながらも。
糸井 そういえば……! って、話とばしてごめんなさい。
今日は俺がとばしちゃってるんですが、
『マイ・フレンズ・メモリー』っていう映画があるんですが、
足の悪い子と、身体のじょうぶなばかな子が
友達になる話なんだけれど。
花火を見せてくれ、って言われて、肩車をして見せるわけ。
そうすると、すっごく勉強の出来る、
体の不自由な子のほうが、
花火が「ドーン!」と上がるたびに、
「銅……、マグネシウム」
って言うんですよ。(一同、笑)
糸井 光の色を見て、元素の名前を呼ぶときに、
“ひとまわりまわった詩”を、感じたんですよ。
「マグネシウム……」
って言って、イキイキしてんの。
カッコイー、って。
ちょっとそれに近いものを感じたなあ、
古川さんのLEDの話は。
ようするに、そっちのほうが、もしかしたら、
根源的な気さえするんですよ。

(つづく)

1999-10-30-SAT

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