ほぼ日刊イトイ新聞

マンガでドミノ

『動物のお医者さん』
『動物のお医者さん』
著者:佐々木倫子
発行:白泉社

人間とそうでないものとの交流つながりで
『動物のお医者さん』を是非、ご紹介させてください。
とは言え、
世にシベリアン・ハスキーブームを巻き起こしたり、
ドラマ化されたりと大変有名ですね。

H大学に在籍する獣医師のタマゴ公輝「ハムテル」と
そのペット、シベリアン・ハスキーの「チョビ」が軸になり
ネコやらニワトリやらスナネズミやら、
はたまたショウジョウバエやら、
様々な生き物が登場します。
人間と動物たちが話をできるわけではありませんが、
不思議と意思疎通が出来ていて、
何より愛情が通じていることを感じさせてくれます。

独特のほわわん、とした空気をまとった
大学院生の菱沼さん、
ネズミが嫌いなのに
獣医師を目指す羽目になっている二階堂くん、
心情は全て関西弁で吐露する猫のミケ、
強烈な存在感と影響力で
ハムテルの運命を左右する漆原教授。
多彩かつ美男美女ばかりのキャラクターをはじめ、
見どころ味わいどころ満載です。

エピソードを募ってお話を広げていかれた経緯があり、
大学の研究室の様子や獣医さんの事情、
学生の国家試験を控えた勉強ぶり、
北海道の牧場などは大変リアルで、
面白いだけでなく、生き物を扱い、
命を預かるお仕事の大変さも描かれます。
未読の方は、ぜひご一読ください。
そして、ハムテル・ワールドにはまっていただきたいです。

(タナボタばんざい)

2013-05-25-SAT