ほぼ日刊イトイ新聞

マンガでドミノ

『11人いる!』
『11人いる!』
著者:萩尾望都
発行:小学館
『続・11人いる!』
『続・11人いる!』
著者:萩尾望都
発行:小学館

『なつのロケット』から、
宇宙&学生つながりということで、
萩尾望都さんの『11人いる!』と
その続編の『続・11人いる!』をお薦めします。

宇宙大学入学のための最終テストは
受験生の中からコンピューターが組みにした、
出身の星も年齢も性別も異なる10人が
53日間を一つの宇宙船で過ごすこと。
が、開始直後から問題発生、11人いる! 
船内の爆発物、軌道のずれ、病気の発生…、
11人めは誰なのかと疑心暗鬼になりながらも、
危機には協力して、やがて互いの星のことを話したり。
そして…。

登場人物が、みな個性的で魅力的。
中でも、美形で跳ねっ返りのフロルと、
主人公であるタダとの掛け合いが
ところどころでほんわかじんわりさせてくれます。
(彼らが出てくるギャグタッチのミニシリーズ
『スペース・ストリート』も楽しくて好きです。) 
『続・11人いる!』では、テストメンバーの1人の、
王さまと四世(フォース)の国をめぐる対立に、
タダとフロルが巻き込まれていきます。
短い中にギュッと濃縮されたドラマは、
何度読み返しても夢中になってしまいます。

1975年と77年の作品ですが、
今でもとても新鮮なSFマンガの古典のひとつ。
萩尾さんが描く宇宙ものはたくさんありますが、
初めての方はぜひこの作品から。

(あると)

2013-03-23-SAT