ほぼ日刊イトイ新聞

マンガでドミノ

『黄色い本』

『黄色い本』


著者:高野文子
発行:講談社
高野文子さんの『黄色い本』をお薦めします。
理由はもちろん黄色つながりです。

この単行本には中篇・短編が入っていて
タイトルの『黄色い本』は、とても生々しい青春譚。
舞台は、古きよき、暖かい田舎の生活です。

主人公のミチコは高校3年生の女の子で、
『チボー家の人々』という黄色い本にハマッてます。
この本はフランスの文学作品で、
ミチコちゃんは田舎の生活をこなしながらも、
段々と『黄色い本』の世界に没頭していくのです。

なんて、言葉で説明してもややっこしいですが、
というか、実際に漫画の方もちょっと読みづらいですが、
絵や会話の読み方に慣れてくると、
マンガの中の世界が、そのまんま入り込んでくるような、
しっとり、しんみり、不思議な気持ちに浸れます。

そうなったらもう、この本は一生手放せませんよ!
1コマ1コマが、1つ1つの会話が意味深に思えてきて
読み返す度に新しい視点を獲得しては咀嚼して…。
って、ああもう、一体僕は何を言っているんだろう!!

(T)

2011-10-29-SAT