80's
『豆炭とパソコン』のひとり旅。

第14回

3月初旬のある薄曇りの朝、
永田ソフトさんと私は上野駅で待ち合わせをして、
一路、糸井さんの母Aこと“ミーちゃん”の住む
前橋に向かいました。

その前日・・・
糸井さんのご自宅マンションで、
永田さんと私は初めて顔合わせをして、
その場でこれまでに話し合われた企画の方向性を確認し、
今後「80代〜」という素材をどのように料理していくか、
具体的にはどんなふうに見せたらいいか、
というあたりについて話し合いました。

そもそも「80代〜」というコンテンツは、
その内容を一口では容易に説明できないほど
たくさんの要素を抱えていました。
この、複雑に入り組んだ構造をどうやってまとめたら
読者に一番わかりやすく読んでもらえるか、
という問題は、それから先も私たちをずいぶん悩ませる
大いなる課題でありました。

「あ、わかったぞ。
 これってテレビのドキュメンタリー番組みたいな感じで
 見せていったらいいんじゃない?」
と糸井さん。
「そうすれば、いろんなことが同時に進んでいるように
 見せられるんじゃないかな。
 例えばこっちでレッスンが進んでて、
 『一方その頃「ほぼ日」では・・・』とか
 『ミーちゃんの日記はこうして続いていた』とか
 場面を切り替えるようにしてさ。
 実用的なポイントはその切り替えで
 うまく入れればいいし、
 どっかにまとめて入れるって手もあるよね。」

それを受けた永田さんは、
「例えば、ぼくが「80代〜」を取材する様子も
 読者に見せちゃうっていう手もありますよね。
 そのドキュメンタリー番組の、
 いわばストーリーテラーとして
 進行するっていう感じはどうかなあ」

「でも、今でさえ登場人物が多いのに、
 さらに永田さんが進行役として加わるとなると、
 ますます複雑になっちゃうかも知れませんねぇ」
と私。

結局、その日の打ち合わせでは
具体的な企画の見せ方はまとまりませんでしたが、
とにかく永田さんと私がミーちゃんのお宅にお邪魔して、
間違いなくこの本の主人公である
“ミーちゃん”の人となりに触れてみることから始めよう、
ということになりました。

そうして冒頭のように、
私たちは前橋に向かったわけですが、
前日に顔を合わせているとは言え、
そのすぐ翌日に一緒に駅弁を食べながら
新幹線に乗っている、なんて状況は
私にとってはなかなか不思議な感じでした。
しかも相手は「泣く子も黙る」否「黙る子もしゃべらせる」
恐るべき“快録テレコマン”です。
下手な発言は命取りと、実は相当緊張していたことを、
ここで白状しておきましょう。

前橋のお宅に到着すると、
ミーちゃんと、その娘さん(糸井さんのお姉さん)である
ノリコさんのお二人が、
にこにこしながら歓迎してくれました。
早速、ダイニングに上がり込むと、
紅茶に始まり、お隣のドイツ菓子店のケーキ、
日本茶に果物と、食べきれないほどいろいろなものが
次々とテーブルに並び、
「80代〜」の南波先生レポートにあったお茶の時間を
まさに追体験することができたのです。
そして緊張する私とは正反対に、
リラックスした様子の永田さんは
風のようにさわやかにテレコを回し始めたのでした。



【お知らせ】

darlingが「決死の覚悟で(本人・談)」
『豆炭とパソコン』の取材を受けまくっている。
だから、普段登場しないような番組とか、雑誌とかでも
「決死の中年男」を目にすることが多いと思います。

どんな番組や雑誌に出たか、出るかについて、
ここしばらくの予定をここに書いておきます。
(編集部調べ)

<書評>
 ・11/10(金)発売「週刊ファミ通」

 他にも共同通信発の各地方紙に記事がありました。

<インタビュー・対談>

 ・11/27(月)発売「ぴあ」
 ・11/28(火)発売「週刊朝日」の「林真理子対談」
 ・12/1(金)発売「日経アドレ」1月号
 ・12/10(日)報知新聞 新刊紹介著者インタビュー
 ・12/28(木)発売「メイプル」2月号の
           「BOOKインタビュー」

<テレビ・ラジオ出演>
 ・11/22(水)フジテレビ系 12:00〜
        「笑っていいとも」

 ・11/25(土)テレビ朝日系 深夜27:05〜
        「本ビニエンス」
 ・12/1(金) ラジオ 文化放送 15:15〜15:30(予定)
        「吉田照美のやる気満々」
        TBS系列 24:35〜25:25
        「CDTV−Neo」
        SOPHIAボーカル松岡充さんと対談
 ・12/8(金) 「CDTV−Neo」前週の対談の続き
        



『豆炭とパソコン』
糸井重里著
1400円
世界文化社
ISBN: 4-418-00520-X

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店頭で、「豆炭とパソコン」が見つからないときは、
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2000-11-22-WED

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