ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

病院からの大脱出

病院食はまずいと聞いていたが、
食えないほどまずいとは思わなかった。

始めは多少食えた。
それが早くも3日で飽きた。

なんせ加工食品。
魚も肉も何かの餌のよう。
食べないとなんだか解らない。

大好きな麺が出てこない。
退院の日に、嫌味ったらしくつけうどんが出てきた。
嫌がらせか?

もし、ぼくがイタリア人だったら、三食パスタだよ。
朝からごはん粒なんて食べないよ。
三日目には餓死だよ。

ここでは、患者の気持ちは無視される。
看護師も医者も。
だいたい、言葉が通じないほど。
二交代らしいが、申し送りはなし。
「報・連・相」が懐かしい。
ただ、理解する医師もいて、
それが外れたら、運が悪い。
泣くしかない。

泣いたこと、限りなし。
人は気持ちで生きている。
気持ちを失いそうになる。

N先生が懐かしい。
気持ちだけ、察してくれた。
「医者がついているから、好きなだけ飲め」
なんて言っていた。

Y先生(奥様)のいなり寿司は素晴らしい。
いつも美味しいものを作ってくれる。
今も届けてくれる。

N先生もY先生も医師だが、心で接してくれた。
ありがたい、ありがたい、ありがたい。

人は心で生きている。
心を閉ざしたら、治療なんて出来はしない。

最後まで苦しめられた。
あの病棟は何事もなく、今日も存在している。
何も変わりはしない。
相変わらず、日々が過ぎるだけ。

入院を勧められたら、慎重に考えよう。
地獄を見るかもしれない。

ぼくは、もう一度、入院する勇気はない。
Y先生に、相談してみようかな。
それとも、病院て、どこも同じかなぁ。

とりあえず、退院できたから、ラッキーと思おう。
お家でリハビリ に励むとしよう。
前より元気になったりして。

(この物語はフィクションです。
実在の病院とは、一切関係ありません)

 


明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー

糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
発行:徳間書店
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「ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と」

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