ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

カントクはつらいよ!?

プロ・マジシャンになって間もない頃、
色んな演出家、プロデューサー、
監督に会うことができた。

皆さん、立ち居振る舞いが実にカッコよかった。
特に、監督と呼ばれている人たち。

監督という存在は、恐れを抱きつつも、
私の憧れであった。

当時出会った監督さんは、誰もが超ワンマン。

「違うなぁ、まぁ、できるまで練習しといて」
そう言って自分は食事に出かける。

俳優さんはいつまでも演技の稽古を続けるが、
監督さんは命じたことを忘れて
さっさと帰ってしまう。

舞台演出の監督さんもすごかった。
「できないんなら、
今すぐ飛び降りて死んじまえっ」

もちろん、誰も飛び降りなかったが。

それでも、当時はそんな監督さんの熱血指導が
実に魅力的に感じられたのだ。

私はといえば、監督に言われるままにステージ
に立ってのそのそ、のろのろ、視線きょろきょろ。
ヘタそのものだった。

それでも、鬼と恐れられる監督は、
「また呼ぶからな。
オレの仕事は断っちゃダメだぞ」

監督は、いつもツンデレなのであった。

時は過ぎてつい先日、
舞台監督の知り合いという方から
話を聞くことができた。

「観客動員をまず考えなきゃならない。
そのためのキャスティングは
大手のタレント事務所の顔色を見なきゃならない。

パワハラ、セクハラにも神経を配り、
結果、好きなように演出なんて夢のまた夢。

そのうち、開き直って、
『カントクはつらいよ』みたいな舞台を
手がけてみようかな。

なんせ、実体験に基づいているからさ。
面白い舞台ができそう、あっはっは」

ついでに『マジシャンはつらいよ』という舞台を
演出してくれませんか?
ねぇ、監督。




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

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