magic
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


猫になってねむり、犬になって

ある日、ふと思いついて、
猫の気分になってねてみる。

ベッドにダラリと横になり、
手足もゆるゆる伸ばして。

お腹が猫と同じようなカーブを描いてるなぁ。
おじさん体型のおかげで、
あの、ゆるい放物線のようにふっくり。

わたしはすっかり猫の気分。
と、ふしぎなことに、
ひなたの猫のようにねむくなる。

こりゃぁ、おもしろい。

だいたい猫って、なぜあのように無防備なんだろう。

「猫は臆病ないきものです」

でも、飼い主がむりむり手足をつかんでも、
口に指をいれても、目をつむり、されるがまま。

飼い主がおかしくなって、ひどいことするかも、
なんて想像もしないのかな。

もう全身、ゆだねて、
なんだかうっとりしてるみたい。
それで、飼い主はうれしく愛おしくなってぎゅう。

猫になってみる。
おなかをゆっくりとふくらませて、
ふんわりとした気持ちで。

おやおや、すぅっと眠れてしまいそうだ。
ざんねんながら、私のお腹に
あのふわふわの毛はないけれど。

調子にのって、犬の気分にもなってみようか。

うん、どうやら犬の眠りは浅いのかな。

ときどきヨダレたらして、
寝言いいながらねてることもあるんだけど。

猫と同じで、飼い主にされるがまま。
だけど、うれしそうによわく小さく、抵抗する。

犬の気分でねようとすると、
なんだか元気になってしまうみたい。

わたしの前世は犬なのかも、と思ったりする。
なぜかっていうと、1日2回くらい、
ぶらぶらと歩きたくなる。

雪の朝は、雪の上を歩きまわりたいね。
雨の日もカッパをきて、でかけたい。
あやしい人にワンワンほえたい。

それにしても、
犬も猫もよくまぁ文句をいわないもんだ。

「やっぱロシアンブルーみたいな猫に
 生まれたかったニャ〜」

「大型犬に生まれて、
 のっしのっしと散歩したかったワンワン」

大きなお家の犬も猫も、小さな家の犬も猫も、
寝ちゃえば一緒。
シアワセ抱えてねむねむ〜。

わたしも猫のように、もう少しねてみよう。
そうして、犬の気持ちで目がさめれば楽しいな。

我ながら、ヘンテコリンな名案をおもいつく朝。
むにゃむにゃ。


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2018-06-10-SUN
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