magic
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


『私と師走と一週間』


店番のおばちゃんが、
「師匠も走る、師走だもんね。
 小石さんも、あちこち走りまわってんの?」
なんて言う。

こんな私でも、時々、
「小石師匠〜!」
なんて呼ばれることがある。

もっとも、私の場合は、
「小石師匠、コーヒー買ってきて〜!」
だったりするけれど。

師走である。
私は走っているのか?
そこで、私の師走の一週間を振り返ってみた。


<日曜日>

吉祥寺での音楽ライブに招かれる。
同郷の友人が新しいCDを出すことになり、
新曲のお披露目ライブ。

私の出番はないはずだが、
もしステージに呼ばれたら何をしゃべるか、
やはりマジックを披露すべきか、
などと客席で考えてしまう。
これって職業病なんだろうな。


<月曜日>

歯医者さん。
「この麻酔針はですね、
 ちっとも痛くないですからね」
先生、針が刺さる時、やっぱり痛いです。


<火曜日>

渋谷の放送局で打ち合わせ&稽古。
今回はマジック指導のみ。

着ぐるみさんが、めちゃ可愛い。
おじさんの心をわしづかみ。
口に手をあてて笑う仕草、たまりませ〜ん。

仕事を忘れて純粋に楽しんでしまった。
ちなみに、この番組は4歳児向け。
はっはっは。


<水曜日>

番組の収録日。
客席の後方で収録を見守る。

出演者の皆さん、大熱演。
教えたマジックに客席の反応が熱いのなんの。
心の中でムフフとほくそ笑む。


<木曜日>

読書会に誘ってもらい、外苑前へ。
色川武大さんの『うらおもて人生録』について
語り合う皆さんの声が、とても心地良い。

外は寒いけど、中は温かい読書会。


<金曜日>

毎年恒例のパーティに参加、今回は出演あり。
大会場で立食、ウケるかなぁと心配したけれど、
ふっふっふ。


<土曜日>

横浜の寄席。
いつもなら、出番が終わっちゃえば
さっさと帰るのだが、
今日は大先輩、大師匠がトリ。

師匠終わりで出演者一同が後ろに並んで
終えるという趣向。
袖で師匠の終演を待つ。

相変わらずの大爆笑、大ウケの師匠。
でも、持ち時間が過ぎても
延々と続いて終わらない。

仕方なく、他の出演者とともに舞台に出て、
「師匠、時間オーバーです」

師匠、少しも慌てず、
「じゃぁ、これからみんなで
 トークコーナーにしよう」

ミイラ捕りがミイラ。
トークコーナーを延々と続けてしまう芸人たち。
袖のスタッフさんが緞帳を下ろしてやっと終了。

てなわけで、師走だけど私は走っていないみたい。
テクテク、テクテク、
元気に歩きまわっていました。
わりと良い、師走の始まり。

ツイートするFacebookでシェアする

このページへの感想などは、メールの表題に
「マジックを読んで」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2017-12-24-SUN
BACK
戻る