magic
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


『夢みるように』


変な夢を見た。
夢だから変なのは当たり前だけれど。

僕はなぜか仮装して走っている。
周りの人たちも仮装して走る、走る。

夢であっても、現実の僕の好みを反映していて、
ただスピードを競うのでなく、仮装のユニークさ
面白さも採点の対象になっているという変なレース。

まだ準備中の人がいる。
やる気なさげに、ぼんやり佇んでいる人もいる。
大真面目な顔で必死に走っている人もいる。

ふと思う。
この仮装レース、距離は短距離? それとも長距離?
短距離にしてはのんびり過ぎるか。

真剣に走っている人もいるけれど、
ほとんどは話しながらだったり、ふざけ合ったり。

そうそう、みんな走りよりも
仮装に重きを置いているのだ。

僕もステージに立っているような気分で、
ノロノロフラフラ、
笑いを取ることばかり考え始めている。

夢なのに、時々、現実に近づいたりする。
不思議な夢。

横を走る人たちの仮装が気になって仕方ない。
隣の人の仮装がウケていて、やばいなぁと思う。
カッコイイ仮装ランナーは、
沿道からキャーキャー大声援。

ちぇっ。
夢の中でもウケている芸人には嫉妬してしまう。

レースは混沌としてきて、
もう誰が先頭なのかビリなのか分かりゃしない。

1周遅れ、2周遅れも混じって、
順位なんてどうでもよくなってきた。

「俺たちなんか、裸でサファリを走るレースなんだよ。
 もうサバイバル、喰われちゃった奴もいて大変だよ」
そうか、そんな恐ろしいレースもあるのか。

あれ、途中から仮装して走る人が少なくなってきた。

もう、何のレースか分からなくなってきたけれど、
いかにも夢らしい展開だなぁと夢の中のまま、思う。

まぁ、いいか。
順位なんて気にしなくてよさそうだし。
伴走者もたくさんいるし。

ただ、ゴールが見えてこないのが気にかかる。

誰かがささやいてくる。
「ゴールが見えないから走り続けてるんじゃないの?」
妙に納得したところで目が覚めた。

さて、今日は大勢のお笑い芸人さんたちと
ステージに立つ日。

ステージ衣装に着替え、マジシャンを演じる。
なんのことはない、夢の中の仮装レースと
大して変りない。

本当に、夢のようなもの。
時に、悪夢になったりするけれど。

まだまだゴールは見えない、順位も分からない。
自分のペースでゆるゆると、
夢見るように今日を生きるとしよう。

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2017-04-02-SUN
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