magic
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


『単純だけど複雑なんです』


日本は高齢化社会である。
なんでも6人に1人が高齢者なのだそうで、
近い将来は4人に1人になるらしい。

かの円楽師匠も高座で、
「どのくらい高齢化社会かというと、
 あたしのような前期高齢者がしゃべっていて、
 それを後期高齢者が聴いている」

良いことではある。
皆さん、健康で長生きだから高齢化するのだろうし。

ただ、高齢者が自転車に乗っているのは恐い。
ふらふらしながらも、
スピードを緩めずこちらに向かってくる。

「すいません、そっちで避けてください」
とでもいうように、まっすぐ向かってくる。

ぶつかりそうになると、
「あぶない〜!」
なんて、こっちのせいみたいに叫ぶ高齢者もいる。

あぁ、腹が立つ。
私は、家は建たないが腹は立つのだ。

小学校でマジック講演をすることが多くなった。
楽しいステージが終わると、
生徒さんたちの間をゆっくり歩きながら
ハイタッチを交わす。

前方の1、2、3年生あたりは
さすがに私の方が背高だが、
4年生とは同じくらいの身長になる。
後方の5、6年生たちはすでに
私より背が高いではないか。

かつてのように、
「は〜い、ちびっ子の皆さ〜ん!」
なんて呼びかけようものなら、
「ちびっ子は、あんただよ」
なんて、思わぬ反撃を喰らいそうだ。

しかし、子供たちよ、よく聞きなさいよ。
おじさんは背は低いが血圧は高いのだよ。
もうひとつ、望みは低いがプライドは高いんだよ。

「雲がうまれる」さんが『あったま・ぐるぐる』
柴犬バージョンのイラストを描いてくれた。

そのイラスト入りトレーナーが発売され、
めちゃ可愛いと評判になっている。

実にめでたいのだが、
私より柴犬の方が可愛いというのがちょいと困る。

その可愛さに目をつけた相方が柴犬を飼い、
私の代わりに『柴犬・ぐるぐる」を始めたら、
私はお払い箱になってしまうではないか。

犬は頭がいいから、
『あったま・ぐるぐる』のやり方など
すぐに覚えてしまうに違いない。
私など、覚えるのに数年かかったというのに。

待てよ、それならば相方より先に
私が『柴犬・ぐるぐる』を発表すればいいのだろうか。

だが、私はこれまで回る役目しかしていない。
回すのがヘタで、柴犬に、
「ワンワン、回すのがヘタだワン」
なんて吠えられたりして。

やはり、私には
『柴犬・ぐるぐる』マジックは無理かも。
そうです、私は決断は遅いが
諦めは早いおじさんです。


マジックのトレーナー

ツイートするFacebookでシェアする

このページへの感想などは、メールの表題に
「マジックを読んで」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2016-12-11 -SUN
BACK
戻る