MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

『ひとくちに奇術と申しましても』


奇術をあらためて辞書で引いてみると、
あまりにあっさりとした意味しか載っていないことに
驚くやら落胆するやら。
もうちょっとね、様々に深い意味がこもっているものと
考えてしまったのは、
私がマジシャンゆえであろうか。

『奇術』 不思議な現象を起こす技術。
『季術』 ある時期だけパッと評判になり、
すぐに消えてしまったマジシャンのこと。
あるいは、一時期流行ったマジックのこと。
『器術』 道具だけ高価で立派なマジック・ショーの意。
事業に成功した実業家が、
ひとネタ100万円もする
マジック道具を次々と演じたのに、
出演料は5千円だったりすることを称して。
『棄術』 せっかく考えて作ったのに、
まるでウケないので
捨てたマジック。
『規術』 テレビ放送等で、
様々に規制されているマジック。
近年、動物愛護の機運が高まり、
マジックを代表する
ハンカチからハトが出るマジックにも、
「ハトは苦しくないのか?」
という質問があり、マジシャンは返答に苦慮。
『企術』 スター・マジシャンを中心にして、
大規模なマジック・ショーを構成する団体。
◯◯魔術団などと称して、
歌やダンスも交えて
華やかで大掛かりな舞台を展開する。
<例>◯リンセス天◯魔術団。
『揆術』 虐げられたマジシャンたちが、
ある日立ち上がって
激しく存在を主張する行為。
『机術』 テーブルの上で見せるマジックのこと。
転じて、
目の前で不思議なマジックを見せること。
クロース・アップともいう。
時に、アイデアだけは素晴らしいのだが、
人に見せるとまるでウケないマジックを
意味することもある。机上の空ネタ。
『木術』 ミカメ・クラフトという
優良なマジック製作メーカーの
道具のこと。
美しい木製のマジック作品を多数発表。
『危術』 脱出マジックのこと。
体を幾重にも縛られ、
手錠をはめられて箱に入れられた
状態から脱出することが多い。
マジシャンよりも、
手錠を掛けたりするスタッフが
逃げ遅れたりして危険。
『己術』 自分は最高のマジシャンだと
思い込んでいるマジシャンのこと。
「世界でいちばん素晴らしいマジシャンは
 誰?」
「それは、貴方です」
毎晩、鏡に向かって
ひとりごとを口ずさんでいる
哀しいマジシャンの意。
『輝術』 肥満気味のマジシャンが
スパンコールの衣装で
演ずるマジック。
照明が当たるとギラギラと眩しく、
別名ミラーボール・マジシャンともいう。
時に、シルクハットを脱いだ時のみ
輝術師となるマジシャンも
存在すると伝えられる。
『姫術』 女性マジシャンの意。
年齢は問わないこととされている。
『忌術』 マジシャンが死亡すること。
『希術』 若手マジシャンたちが、
良いマジシャンになろうと努力する様子。
『機術』 大掛かりな仕掛けを使ったマジック。
『生術』 生のマジック・ショーのこと。
ライブ・マジック。
『既術』 何度も見たという印象のあるマジック。
まだやっている、あるいは、
またやっていると
表現されるマジックの意。
<例>ナポレオンズの頭を回すマジック、
あったま・ぐるぐる。

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2010-06-13-SUN
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