MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

『ありがとう、2007年』


新しい「ほぼ日手帳」が届いた。
今年は皮カバーのオレンジ色を選ばせてもらった。
やや赤色に近いオレンジ色で、真新しく、実に美しい。
ふと、新しい手帳の横の、
今年愛用してきた手帳が目に入った。
黄色いマンゴー色の、
かなり手あかの付いた「ほぼ日手帳」。
パラパラとページをめくると、
そこに過ぎ去りし2007年の日々があった。

2007年9月5日、
とうとうナポレオンズ結成30周年リサイタルの
初日を迎えた。
リサイタル公演は4日間で、
場所は品川プリンス・ホテル内のクラブeXだ。

毎日、日替わりでゲストを迎えた。
初日は、なんとあのプリンセス天功さんであった。
ゲスト出演をお願いすると
快く受けてくださった天功さんであったが、
なんとリサイタルの3週間前に
大怪我をされてしまったのだった。
危険な剣刺しイリュージョンを演じている際、
タイミング悪く大きな剣が
天功さんを襲ってしまったのだという。
身体のあちこちに、骨にまで達する損傷を受けてしまった。
『プリンセス天功さん、脱出に失敗!
 全治3か月の大怪我』 
などと、ワイド・ショーでも大きく取り上げられた。
こりゃぁ、ゲスト出演は無理だなと思っていた。
しかし、やはり天功さんはただ者ではなかった。
たった3週間でほぼ全快されて
クラブeXのステージに立ってくれたのだ。
しかも、この日の出し物は剣刺しイリュージョン。
誰もがハラハラと見守る中、見事に成功させたのであった。
我々だったらただの失敗で、
「おいおい、失敗して怪我かい。笑っちゃうねぇ」
でお終いだ。
ところが、失敗も怪我も
見事な演出効果にしてしまう天功さん、
さすがなのであった。

6日のゲストは、山上兄弟であった。
学校を終えて制服のまま楽屋入りしてくれた。
お兄ちゃんは携帯の画面をずっと見つめ、
弟は床で眠ってしまっている。
これでちゃんとステージを務められるのだろうか、
などという私の心配を払拭してしまう
軽快なマジックを演じてくれた。
「だって、もう6年もやってるもん」
そうなのだ、彼らはまだまだ子供に見えても、
海外を含め数々の場数を踏んできたマジシャンだったのだ。

7日のゲストは、あの春風亭昇太師匠でありました。
いつまでも若々しく、まるで少年のような肌を持ちながら、
見事な話芸の持ち主。
当然ながらスケジュールが詰まっている師匠ゆえ、
はたしてゲストに来てもらえる
時間的余裕があるのかなぁと心配していた。
しかし、昇太師匠は来てくれたのだった。
「そりゃぁねぇ、30年にいっぺんのイベントですから。
 次の60年目にも呼んで下さい」
かく言う昇太師匠も、そろそろ25年目だとか。
なのに、あの産まれたばかりのようなお顔、実に不思議だ。
昇太師匠、次の60周年の際も
どうぞよろしくお願いします。 

8日のゲストは
シャンソン歌手のクミコさんと松尾貴史さん。
最終日は土曜日だったので午後3時からの開演となった。
客席を覗くと、やはり子供たちの姿が多く見えた。
クミコさんが、切々と愛を歌う。
と、その時初めて気づいた。
はたして、子供たちのシャンソンに対する反応は‥‥。
ところが意外なことに、
子供たちは珍しそうにクミコさんの歌に
しっかりと聴き入っているのだった。
ショーの後半は松尾貴史さんとの対談と、
松尾さん得意のマジックとなった。
松尾さんはとにかく多芸多才で、
時に見事なマジシャンとなる。
今回も観客を交えての透視術を披露していただいた。
以前は、松尾さんにマジックを教えていた私であったが、
最近は松尾さんから
マジックを教わることが多くなっている。
この透視術もぜひ教えていただきたいものだ。

2007年は、ナポレオンズにとって
結成30年目の節目の1年となった。
初めての4日間に渡るリサイタルも、
なんとチケットは完売、全日満員御礼となった。
ご来場の皆さんにあらためて感謝申し上げます。
来年も、この手帳に良いことが
多く書き込めるよう祈りつつ、
「ありがとう、2007年」。

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2007-12-31-MON
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