MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

「ネタばらし〜! 」

昨年暮れ辺りから今月に至っても、
テレビ業界ではタネ明かし番組が続いています。
あまりマジックにご縁のない向きには、
「へぇ〜、そんなのがあったかねぇ」
なんではありましょうが、
それぞれの番組が高視聴率を上げているのは
紛れもない事実です。

Mr.マリックさんのスペシャルがあったり、
外国からマスクド・マジシャン
(覆面をかぶってタネ明かしをする)のシリーズが
放送されたりしました。
高視聴率が続いているゆえにタネ明かし番組が続いていて、
この傾向は視聴率の低下が始まるまで続くことでしょう。

「マジシャンにとっては、死活問題ではありませんか?
 大丈夫なんですか? 」
などと心配をして頂くことさえあったりします。
しかし現状のままであれば、
少なくとも我々にとっては問題はありません。
例えるならカラオケで得意曲を先に歌われた、
程度のショックでしかありません。
(この間、次々に僕の持ち歌を歌われ、
 軽いトラウマになっていて、こんな例えに)
自分のオリジナルを、
さも持ち歌のように歌われた訳ではないのですから。

なにはともあれ、マジックという分野が
メディアに採り上げられることから始まることは
多いのです。
マジシャンにとっての痛手とは、
メディアから締め出され人々の関心から
遠ざかってしまうことに他なりません。

「不思議だったよ」
「面白いねぇ」
「どうなってるんだろう?」
という関心と同様に、
「はは〜ん、あれってあんなトリックだったんだぁ・・・」
という感想も、マジックに対する関心なのです。
「なんか見えたぞ」
「つまんな〜い」
「この手品って、いろんな人がやってるなぁ」
などという評価をこそ恐れるべきでしょう。

「こんな好いネタをタネ明かしするなぁ!」
と叫んでいるマジシャンは、
いったいどうやって好いネタを覚えたんでしょう?
やはり何らかの「タネ明かし」から学んだはず。
まるで芥川龍之介の「クモの糸」の様です。
自分も糸しがみ付いて昇りつつあるのに、
他の人間にしがみ付けられると
蹴り落とそうとするという、怖い話。

さて、これらのタネ明かし番組は
スペシャル、単発として放送されました。
ところが、単発ではなく
週一レギュラーで放送されるマジック番組が、
ついに始まりました。
テレビ東京で毎週木曜日、
夕方6時30分から放送される「マジック王国」です。

マジックの番組としては、
およそ20年振りの復活なのです。
「なにかご質問はありませんか?」
という流行り言葉で一世を風びした伊藤一葉さんの番組と
我が師、初代引田天功先生の番組以降、
絶えて久しくなかったマジック主体の番組が
スタートしたのです!

「マジック王国」は、マジック・ライブはもちろん、
簡単にマスター出来るマジック講座、
ゲスト・マジシャンのコーナーと、
まさにマジックのオン・パレードなのです。

すいません、ごめんね。
もうバレバレですよね。
この新番組「マジック王国」の司会は
あの遠藤久美子ちゃん、エンクミちゃんと
我々ナポレオンズなんです。
本当に申し訳ないです。
「なんだよ、番宣かよ。
 けっ、ずうずうしいねぇ」
などという苦情が聞こえて来そうです。
でもそんな意見に報いるべく、
画期的な番組になりそうなんです。
今までにない映像として
マジックの不思議さ面白さ、迫力をお届け出来るよう、
工夫の日々を過ごしています。

単に自分たちだけがチャンスを得た訳ではありません。
マジック界にひとすじの光明が差したのです。
確固たる自信のあるマジシャンの皆さん、
どうかこの番組でその腕前を発揮して下さい。
また、「マジック王国」をご覧いただいた皆様のご意見も
楽しみにしています。

2001-04-03-TUE

BACK
戻る