第3回 おじいさんのたましい・若者のたましい。
山下さんは自分のたましい年齢を
すごくおじいさんなんじゃないかって
言ってましたね。
ええ、家内に相談しましたら、
「おとうさんは、ぜったい、おじいさん」
と言われまして。
全員 ああ!
ふふふ。
みょうに考え込んでしまったり、
判断が遅かったりするところがあるのを
自覚しているものですから。
スピード感というところで
おじいさんだと思われたんですね。
はい、こうして「ほぼ日」に入って、
皆さんの速度に
付いて行くので精一杯です。
若者のように走らないってことでしょうか。
そういうところがあるかな。
なるほど。
いえいえ、山下さんの決断は、
早いですよー。
仕事はかなり「ぱきっ」と決められます。
そうねえ、でも、
仕事上の判断の早さみたいなことと
たましい年齢は別のことかもしれないですね。
さあ、皆さん、見てみましょうか、
この自称おじいさんの手を。
全員 あーーー、怖い、怖い。楽しみ!
‥‥ちょっと震えが。
汗もでてきました。
代謝がよくないのに。
(手のひらを見て、一瞬で)
あ、けっこう若いですよ。
全員 はやっ!
あのね、あなたは社会に対してうぶな人ね。
だから社会性ということではすごくまだ、
‥‥ごめんね、就職活動中みたいな感じなの。
全員 へええええ!
山下さんはずっとフリーランスでやってきて
44歳にして初就職だったんです。
しかもまだ1ヶ月めです。
たましい年齢‥‥感性とか心の受け止め方、
っていうことだと、
うん、糸井さんより1個下、
27歳ぐらいですね。
いや、あの、嬉しいです。
病気かと思っていたら
お医者様から健康ですって言われたみたいな。
おじいさんじゃなかったですね。
で、すごく社会に対してうぶ。
ここのみんなの方が、
実年齢はあなたよりも若いけれど、
経験を積んでるんです。
就職活動中と言ったのはそういうこと。
いやいや、ほんとにそうです。
ビックリした‥‥。
就職活動中っていう言葉はすごいですね、
ずっと何か、その言葉の周りで
うろうろしてたような気がします。
フリーランスの間も、
ずっと、居所がはっきりしないで。
今もそうですし。
今、もうとりあえずここに
安心して止まり木のようにいさせてもらって、
これから先を見ていけば
いいんだろうと思いますね。
止まり木‥‥ですか。
すごくいい止まり木に恵まれましたね。
止まり木にしちゃうの失礼だって
思わなくていいんだと思います。
止まり木にいる人って、
そこで育って方向性をみつけて
飛び立って行く人と
学校なら単位とれなくてブーたれて
退学しちゃうみたいな人もいますよね。
今、止まり木を与えてくださる
糸井さんという人も
止まり木での時間を体験したことがあるのかも。
だから、じぶんが差し出した止まり木で
人が育っていくのを見守ることも
とても嬉しいことに
なっているのではないでしょうか。
ああ‥‥何か、
マッサージを受けたような気持ちです。
じぶんではじぶんのことって
わからないものなんですね。
思いこみが正しいわけじゃないし。
山下さん、おじいさんだって思ってて、
しかもそれをいいことだとは
思っていなかったわけでしょう。
おじいさんがいやだっていう
ことじゃないですけど、
どっちかなって思うときに
悪い方に思い込む癖があるんです。
奥さんがはっきりと、
あなたはおじいさんだって言うのは、
「もっとしゃきっとしてちょうだい、
 スピード感出して」って、
軽ーく、薄ーく、諭されたということかも。
「あなた、もうちょっとね、若者らしく、
 打てば響くになってちょうだい」って、
それは奥さんからのお願いです。
頑張ってねー。
たしかに、「明日着て行く服を
出しておいてね」っていうのもダメなんです。
自分で選ばないというところから
老いがはじまるのよって。
「明日着て行く服を」?
(夫あり)
「出して」?
(夫あり)
「おいてね」?
全員
(女子)
そりゃない!
でもたしかに素敵なTシャツをお召しね。
奥さんの見立てがいいのね(笑)。
そうか、27歳ですか。なるほどなあ。
あ、そういう武井さんはいくつなんですか。
ぼくは見てもらったんだけど‥‥、
それがちょっとフクザツで‥‥。
あら、すばらしいことなのに。
武井さんは46歳。
でも23歳がふたりいる。
全員 ふたり? どういうこと?!
 
(つづきます!)
2007-07-31-TUE

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