
2010.04.16
見かけもよくて使いやすい。こんな手帳、なかなかない。藤巻幸夫さんのほぼ日手帳(3/4)

ここなんか、きっと
すごい大事だと思ったんでしょうね。
思いっきりマーカーで塗りつぶして、
肝心の部分が滲んじゃってますよ(笑)。
しかし我ながら、よく動き回ってますね。
[ ーー ]
1週間の密度がものすごく濃いですね。
[ 藤巻 ]
真面目なサラリーマン時代ですね(笑)。
でも、なんだかんだいって、
基本は変わってないみたいで、
ルールはなくて、その場その場の勢いで
書いてるあたり、とくに。
[ ーー ]
スケジュール管理専門だったんでしょうか?
[ 藤巻 ]
ページの余白にメモみたいなことは書いてますね。
これには、98年、99年には
こんなことをやりたいということが
書き込んであります。
なんとなく、3年ぐらいは先のことを
常にイメージしていたくて、
頭のなかで設計するクセがあるんですよ。
いや、昔の手帳を見返すのって、
おもしろいなぁ。
ほかの手帳はみんな捨てちゃってて、
たまたまこれだけ残ってたんですよ。
[ ーー ]
「ほぼ日手帳」をお使いのかたは、
保管されているかたが多くて、
やっぱり、あとから読み返すとおもしろい、
とおっしゃってます。
[ 藤巻 ]
そうか、今年の手帳も残しておいたら
おもしろそうですね。
ハッとする言葉に出会う。
[ 藤巻 ]
あとね、これが好きなんですよ。
この、下に入ってる言葉。
[ ーー ]
そうですか。うれしいです。
その日のページの言葉を、
その日に読まれるんですか。
[ 藤巻 ]
ええ、朝、まずその日のページの言葉を読むんです。
それから時間のあるときに、
その前後もなんとなくパラパラと読んで。
言葉って、ほんと、好きなんですよ。
ここからフッと、想像が広がっていって、
心のゆとりが生まれるっていうのかな、
手帳にこんなふうに
想像をふくらませてくれるネタが
いっぱいあるって、すごいですよ。
[ ーー ]
なるほど、なるほど。
[ 藤巻 ]
で、いいなと思った言葉は
さっそく他所で引用したりして(笑)。
重松清さんの言葉もありますよね。
お仕事をごいっしょさせてもらって
それ以来のおつきあいなんですけど、
大好きなんですよ、あったかくて。
ここに載ってるのも、いい言葉ですよねぇ。
あるいは、知らない人の言葉だったら、
その人の本を読んでみようかな、とかね、
きっかけになるし。
こんなふうに、
ワンフレーズで、元気になったり、
ハッとしたり、言葉の力ってすごいですよね。
1行の言葉に心動かされますよ。
なんでも、核になることって、
全体の一部分だったりしますしね。
これ、すごい深いですよ。
[ ーー ]
これまでのところでなにか、
印象に残っている言葉があったら
教えていただけますか?
[ 藤巻 ]
たしか印をつけてるところがあるんですよ。
印は気まぐれなんですけど、
いい言葉だなーと思って、
星印をつけたんですよね。
あれ、どこだったかな‥‥
[ ーー ]
あ、ここ、3月31日の言葉に
印がついてます。
「どんな道のりを歩んだって、
どこかにはたどりつく。」

「はじめに急ぐ者も、あとで走る者も、
ずっと歩いて行く者も、
どこかにはたどりつくもんだ。」
[ 藤巻 ]
そうそうそう。だから、たまに
意味のある落書きもあるんです(笑)。
どんどん詰め込む。
[ ーー ]
お使いになって2カ月ちょっとの間に、
もうすっかり手帳が厚くなってますね。
[ 藤巻 ]
ええ、あるものはみんな使うタチなので、
手帳のポケットにも、
どんどんどんどん入れちゃって。
すでにヤバイ、バンドが必要(笑)。
[ ーー ]
ちなみに、どんなものを
入れてらっしゃるんですか?
[ 藤巻 ]
領収書とか、ショップカードとか‥‥
絆創膏も入ってますね。あと、写真。
この写真は、ぼくの師匠にあたる人が
お正月に亡くなって、
トリビュートで挟んであるんです。
伊勢丹の会長だった武藤(信一)さん、
ぼくの育ての親みたいな人なんです。

▲アナ・スイ(右から4人目)を囲んで。
三越伊勢丹ホールディングスの会長だった
故・武藤信一氏は右から3人目、左端が藤巻さん。
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