
2010.02.11
あのくまのテンプレートは、手帳ユーザーの小泉さんといっしょに作りました。(2/4)

[ 小泉 ]
で、読むのはすごく好きなんですけど
書くほうは、けっこうムラがあるんです。
書く日と書かない日があって。
でも、ほんとはもっと
コンスタントに書けるといいなって、
じぶんでも思ってるんですね。
それで、なにか書くときにたのしい要素があったら、
もっと書けるんじゃないかな、って考えて、
それでテンプレートを思いついたんです。
[ ーー ]
まさに、いちユーザーとして、
こんな道具があれば「もっとたのしい」、と。
[ 小泉 ]
そう。たとえば予定を書くときに、
線をうまく引ける道具があるといいな、とか、
矢印や吹き出しがあったらいいよな、って。
[ ーー ]
ユーザーのみなさんの使いかたを見ても、
毎日の天気を書きとめていたり、
アイコンのスタンプを押していたりして、
そんなときに使える
テンプレートがあるといいよね、って
手帳チームのなかでも
前から話していたんですよね。
[ スギエ ]
そうなんです。
まず、市販のものでいいのがないかと
探すところからはじめていたんですが、
結局、「ほぼ日手帳」にぴったりのものは
見つからなかったんですね。
それで、オリジナルで作ることを
考えはじめていたときに
小泉さんからメールをもらって、
一気に具体化することができました。
[ ーー ]
ちなみに、小泉さんは設計事務所にお勤めで、
お仕事のなかでテンプレートを
使われていたりもするんですか?
[ 小泉 ]
いえ、ふだんは集合住宅の設計の仕事で、
図面を描いたりしていますが、
いまはパソコン、CADというのを使って描くので
テンプレートは使うことはありません。
[ ーー ]
いまは、椅子のデザインのお仕事ではないんですね。
[ 小泉 ]
大学を卒業したあと、あのスツールがきっかけで、
家具を扱う会社に入社したんですが、
もともと、父のやっている設計事務所で
建築の仕事をするつもりだったので、
転職して、いま4年目です。
[ ーー ]
なるほど。
[ 小泉 ]
椅子とか、家具をつくるのも好きなんですが、
いい家具があっても、
それが置かれる空間が、すごく大事で。
そういう空間ごと作れる人になりたいと思って
建築の勉強をしなおしているんです。
ただ、いざはじめるとなかなか難しくて
心が折れそうになったりして(笑)。
図面を描くというのは、
根気だったり忍耐が必要な作業という面もあって、
たまにデザインとか、クリエイティブなことを
やりたいなという気持ちもあるんです。
[ ーー ]
じゃあ、今回のテンプレートのデザインは‥‥

[ 小泉 ]
めちゃめちゃたのしかったです!
[ ーー ]
テンプレートのために作られた
たくさんの図案を見ると、ほんとにたのしんで
考えてくださっていたのがよくわかります。
この形になるまでの、変遷も含めて
ちょっと見ていきましょうか。
「えっ、くま?」
[ ーー ]
これ、いちばん最初のものですね。

[ 小泉 ]
そうですね。
最初はカード型のテンプレートを考えていました。
この後、2回めの打ち合わせにうかがったときに
「OHTO」というテーマをもらって
‥‥ちょっと衝撃を受けて(笑)。

[ ーー ]
テンプレートでありながら、
「OHTO」のくまをメインにして、
名前を書けるようにしたい、と。
[ 小泉 ]
そう、くまと、名前。
ここにじぶんの名前を書くことで、
手帳がより「じぶんだけのもの」と感じられるように、
ということで、なるほどー、と思いました。
たしかに、手帳を開いたときに、
くまが「ハロー!」という感じであらわれて、
名前を呼んでるみたいになったら
ちょっとうれしいかもな、と思って、
そこからは、OHTOのくまと、名前を書くスペースと、
図形を書く部分という、3つの要素を、
どう自然にまとめるかというのが
デザイン面でのポイントになったんです。
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