
2009.12.26
「ほぼ日の路線図2010」鉄道取材記事第1弾!<山万ユーカリが丘線>(3/4)
[ ほぼ日 ]
路線図を作っているときに
ずっと気になっている駅でした。
ここまでストレートだと気持ちがいいですもん。
[ 細川 ]
(笑)。
[ ほぼ日 ]
なぜここまでシンプルな名前なんですか?
[ 細川 ]
ユーカリが丘線の駅名って、
このユーカリが丘という街を開発するにあたって
コミットメントの意味合いが強いんですよ。
[ ほぼ日 ]
コミットメント‥‥ですか?
[ 細川 ]
たとえば、地区センター駅というのは、
この街の中心部になることを期待して
その駅名をつけているんです。
センターというからには、
人が集まる場所にしなくちゃならない。
そこに商業施設や医療施設などを
誘致する必要があるわけです。
だから、ユーカリが丘線の駅名は
「将来、そういう駅にします」という
公約に近い意味合いがあるものなんです。
[ ほぼ日 ]
あぁ、なるほど。
じゃあ、公園駅は「ここに公園を作りますよ」
っていうことだったわけですね。
[ 細川 ]
そうですそうです。

[ ほぼ日 ]
じゃあ、女子大駅も
「ここに女子大ができますよ」
ということなんですね。
[ 細川 ]
そのはずだったんですが‥‥。
もろもろの問題がありまして、
女子大の校舎は誘致できなかったんです。
[ ほぼ日 ]
えぇ! そういうこともあるんですね。
じゃあ、女子大がないのに女子大駅‥‥。
[ 細川 ]
そのかわりといってはなんですが、女子大の
セミナーハウスとグラウンドがあります。
[ ほぼ日 ]
あ、それなら。
[ 細川 ]
ただ、一部ではいまおっしゃられたように
「女子大生がいない女子大駅」なんていう
言われかたもしてるんです(笑)。
[ ほぼ日 ]
‥‥。
えぇっと、次は何駅ですかね。
あ、中学校駅だ。

ここには中学校が‥‥ある?
[ 細川 ]
ありますあります。
[ ほぼ日 ]
あぁ、よかった。
あるとホッとしますね。
[ 細川 ]
(笑)。
[ ほぼ日 ]
でも、女子大駅のような例もありますし、
駅名を変えるような動きはなかったんですか?
[ 細川 ]
いや、じつはあったんです。
[ ほぼ日 ]
あ、やっぱり。
[ 細川 ]
2008年に山万ユーカリが丘駅を除く5つの駅の
新駅名を一般の方から募集したんです。
[ ほぼ日 ]
それはなぜ?

[ 細川 ]
我々としては開業から四半世紀経過して、
いまの駅名に対するコミットメントは
実現できたと思っております。
それで次の四半世紀に対する
コミットメントをご提示できればな、と
考えていたんです。
[ ほぼ日 ]
なるほど。
[ 細川 ]
ところが、いざ募集をしてみたら、
「慣れ親しんだ駅名だから変えないでほしい」
というご意見を多数いただいたんです。
[ ほぼ日 ]
えぇっ!
[ 細川 ]
本当に驚きました。
その声が圧倒的に多かったので
応募いただいた方には申し訳ないんですが、
けっきょくそのままになった、というわけです。
[ ほぼ日 ]
へぇー‥‥そういうことがあったんですね。
[ 細川 ]
「ユーカリが丘線」という鉄道が
地域の方々にご支持をいただいていることを
改めて認識しましたね。
[ ほぼ日 ]
うんうん。
[ 細川 ]
しかも、ユーカリが丘の住人の方だけでなく、
外からユーカリが丘線を応援してくださる方々からも
「そんな駅名、ユーカリが丘線じゃない!」という
ご意見までいただいたほどです。
[ ほぼ日 ]
そこまで支持してくださる方がいるんですね。
ちょっとすごいかも‥‥。
でも、たいへんで勇気のいる決断だったと思います。
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